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利己的な遺伝子
著者
リチャード・ドーキンス, 日高敏隆(訳), 岸由二(訳), 羽田節子(訳), 垂水雄二(訳)
出版社
紀伊國屋書店
定価
2916円
出版日
2018-02-15
評価(5点 満点中)
総 合
4
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4
第17回 | 本の要約サイト『flier』 powered by éditeur

注目の書籍レビュー『利己的な遺伝子』

人気のビジネス書、話題の書籍に書かれていることとは? 本の要約サイト『flier』から、注目の1冊のレビューをお届けします。

本書は1976年に刊行されて以来、瞬く間に世界的なベストセラーになり、今なお強い影響力を持っている「必読」の一冊である。科学書であるにもかかわらず、数式がまったく出てこないことに加え、「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」といった身近なテーマまで扱っているため、科学的素養がなくても、問題なく読み進めることができる。とはいえ、気軽に読める本というわけでもないので、本書と向き合うときは、ある程度の覚悟が必要だろう。
本書は、動物や人間社会で見られる親子の対立や保護、雄雌の争い、攻撃やなわばり行動などが、どのように進化していったのかを、「遺伝子の利己性」という観点から鮮やかに描き出している。その主張は世界中に大きな衝撃を与え、思想界や教育会を巻きこんだ大論争を巻き起こした。著者のもとに、「血も涙もないメッセージに悩まされて、3日眠れなかった」「この本を読んだ1人の女子生徒が、人生は虚しく目的のないものだと思い込み、泣きついてきた」といった反応があったのはその象徴的なエピソードだが、ある意味では自然なことかもしれない。なぜなら、人々の死生観の根本を揺るがすような力が、本書にはたしかにあるからである。
本書の内容が定説として扱われるようになってきている現在、40年前ほどの衝撃はないかもしれない。それでも、その描写はみずみずしく、色褪せる気配がない。「教養」の書として、ぜひ一度目を通していただきたい一冊だ。

(文・『石渡 翔』/本の要約サイト『flier』)

この本の著者

リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)

1941年生まれ。エソロジーの研究でノーベル賞を受賞したニコ・ティンバーゲンの弟子。現在、オックスフォード大学科学啓蒙のためのチャールズ・シソニー講座教授。1976年に刊行された処女作『利己的な遺伝子』が世界的なベストセラーになり、ドーキンスの名声を世界に轟かせた。この本は、それ以前の30年間に進行していた、いわば「集団遺伝学とエソロジーの結婚」による学問成果を、数式を使わずにその意味するところをドーキンス流に提示したもので、それまでの生命観を180度転換した。続く著作に『延長された表現型』、『盲目の時計職人』、『遺伝子の川』、『虹の解体』、『悪魔に仕える牧師』などがある。

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『利己的な遺伝子』
リチャード・ドーキンス, 日高敏隆(訳), 岸由二(訳), 羽田節子(訳), 垂水雄二(訳)
紀伊國屋書店
2916円

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