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40歳 会社員を辞める生き方
第6回 | 40歳 会社員を辞める生き方

【経験者に聞く】アーリーリタイアに必要な蓄え その計算法は?

アーリーリタイアに憧れる40~50代は多いものの、いざ実行するとなると、気になるのはやはり家計のこと。これまでの収入が激減することから、暮らしの質も見直す必要もあるだろう。潤沢に資金を用意しておくに越したことはないが、いったいどのくらい用意しておくべきだろうか?

そこで今回は実際にアーリーリタイアを行った山中一人さん(48歳)にアーリーリタイアに向けた蓄えとその考え方について、詳しくうかがった。

贅沢したいならアーリーリタイアするべきではない

「これは、実際にリタイアする各人が支出する生活費に対して、収入として蓄えた資産の運用利回り額を何%に見込むか。また、完全アーリーリタイアで定期収入は0なのか、セミリタイアで幾らかの収入があるのかなどによって答えが全然変わって来ますので、一概には言えませんが…」(山中さん、以下同)

山中さんはそう話したうえで、必要な資産のシミュレーションについて、自身の考えを語ってくれた。

「自分は65歳を過ぎれば年金の範囲内で十分に健康で文化的な生活を送れると思っています。歳を取れば小食になりますし、もう子育て費用も掛からなくなっていますので、実際に掛かる費用としては自炊にかかる食費と光熱費ぐらいです。又、高齢になると必要と見込まれる医療費についても年金収入のみの高齢者の場合は、高額療養費制度により自己負担の上限額がかなり低額に抑えられてますのでそれほど心配する必要はありません。どうしても心配なら掛け捨て型の共済に入れば、充分でしょう」

豪華客船でのクルーズ旅行がしたいなど、それなりの贅沢な暮らしをしたいと考えている場合は、当然年金だけでは全然足りないため、そもそもアーリーリタイアには向かないと山中さんは話す。

「なので、65歳の年金受給年齢にさえなれば、貯金を全額使い果たしても無問題です。よって運用利回りが何%なら65歳時で貯金が0になるか『逃げ切り計算機』にて逆算して見るとよいと思います」

「逃げ切り計算機」とは、今ある貯金だけで何歳まで生き延びられるかをシミュレーション出来るもの。ネットで公開されており、誰でも利用可能であり、アーリーリタイアの蓄え計算にも役立つ。

アーリーリタイアへの蓄え 年間インフレ率は1%と置くべき

逃げ切り計算機を利用するにあたって、最初の設定項目には、年齢や貯金額の他、年間利息、年間インフレ率などを入力する必要があるが、年間インフレ率の設定はどの程度にすべきか?

「一応、日本の過去35年間の平均インフレ率は約1%でしたので、1%と入力します。これについては楽観的過ぎると思われるかもしれません。しかし、未来にインフレになるかどうかなんて神様しか分かりえません。それにも関わらず、あえて保守的に高インフレ率の数値を入れる根拠が無い以上、過去35年間の統計の方がまだ根拠らしきものになりえると自分は考えています」

以上の数値を決めれば、アーリーリタイアに必要な資金額を計算する事が出来る。以下に各ケース別の例だ。

■完全リタイアの場合
毎月の生活費が30万円のケース

リタイア年齢 年間利回り必要金額
50歳 2.6% 4920万円    
45歳 2.6% 6240万円    
40歳 2.6% 7550万円    


■セミリタイアの場合
毎月の生活費が30万円で、月10万円の収入を稼ぐセミリタイアのケース

リタイア年齢 年間利回り必要金額
50歳 2.6% 3320万円
45歳 2.6% 4250万円
40歳 2.6% 5110万円

■独身でミニマムライフが苦にならない人が完全リタイアした場合
毎月の生活費が10万円のケース

リタイア年齢 年間利回り必要金額
50歳 2.6% 1800万円
45歳 2.6% 2210万円
40歳 2.6% 2710万円

ちなみに、想定年間利回りの数値は、山中さんが過去20数年以上行ってきた株式運用利回り経験から、保守的、かつ安全性を考慮した数値だという。

こうしてみると、一般的に思われているよりは、かなり現実的な金額でもアーリーリタイアが可能であるように見えてくる。

「正直、アーリーリタイアする為に必要な蓄えは、預貯金額よりも価値観が鍵を握ります。いたずらに心配性でハイパーインフレや年金破綻の不安に怯えるような人や、無駄にリッチな生活でないと満足出来ない人の場合は、多分1億円あっても無理です。逆に悲観論に与する事無く、見栄を張らなくても満足できる人の場合は、上記のように普通のサラリーマンでも十分形成可能な金額で可能だと思います」

アーリーリタイアするには少なくとも1億円以上が必要と唱える人もいるが、すべては“どう過ごすか”、その人の価値観次第。他人と比べず、自分らしい生活を考えれば、必要な生活費もずっと少なくてOKなのだ。

Text by Daisuke SUZUKI(KOUMUTEN)

取材協力:人は株のみで食べていけるか?

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