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【腕時計】人気&話題のブランド
第33回 | 【腕時計】人気&話題のブランド

長く使うために欠かせない、アンティーク・ウォッチのメンテ術

上手に選べば、現行モデルよりも安く、しかもより品格のある逸品に出逢うこともできる、大人のホビーとしても愉しいアンティーク・ウォッチ。とはいえアンティークである以上、現行モデルよりも故障のリスクや日々のメンテナンスに不安を抱くところだろう。今回は、アンティーク・ウォッチを長く愛用するために知っておくべき、メンテナンスや故障対応の基本を紹介しよう。

スマートフォンには要注意!? セルフメンテナンスの注意事項とは

現行モデルとは違い、製造されてから少なくとも40年以上の歳月を経ているアンティーク・ウォッチは、メーカーでの修理に応じてもらえない場合も多いため、なるべく故障しないようなコンディションの維持が重要になる。そこで欠かせないのが、定期的なメンテナンスなのだが…。「SWEETROAD(スイートロード)」店長の平野拓生さんによれば、意外にもオーナーとして注意すべきセルフメンテナンス項目は、それほど多くないのだという。

「アンティーク・ウォッチだからとって、現行モデルと比べて特別だったり面倒だったりするセルフメンテナンスの項目って、実はあまりないんです。購入後も、基本的には機械式の腕時計にとって必要な気遣いをしてあげる程度で良いと思います」

とはいえ、しっかり注意すべきこともある。その代表が“磁気”だ。

「機械式の腕時計にとって磁気は大敵。磁気に長く触れることで、精度が下がってしまうのです。よくあるのが、スマートフォンのような電子機器のそばに腕時計を置いてしまうこと。スマートフォンからは磁気が出ているので、あまり近くに置いていると腕時計に悪影響を及ぼします。そばに置くときでも、少なくとも5cm以上は離しておくように心がけてください」

自宅で腕時計のコレクションをする際、オーディオセットやAV機器のそばにディスプレイする人もいるが、それはかなりNGな行為とのこと。購入したアンティーク・ウォッチは、まず置き場所に注意すべきというわけだ。

「保管場所としては、やはり高温多湿となる場所は避けるべきですが、だからといって専用の保管ケースを用意するほど神経質にならなくても良いと思います。自動巻きの腕時計の場合、長期保管をする際には、定期的に腕時計の向きを変えゼンマイを巻く『ワインディングマシン』を用いるのがセオリーとされていますが、アンティーク・ウォッチの場合は、ワインディングマシンの効果がさほど期待できないと言われています。自動巻きの腕時計は時代によって構造が異なるため、最新のワインディングマシンでは対応できない場合が多いことが、その理由です」

手巻き、自動巻きを問わず機械式の腕時計は、常に動かしておいたほうがコンディション維持には良いと考えられがちだが、アンティーク・ウォッチの場合、実は適度な“休息”を与えてあげるのも大切、とのこと。とはいえ、あまり放置しておくと時計のオイルが固まってしまうこともあるので、月に1回程度を目安に、腕にはめてあげてほしいという。

正規メーカーに頼むのは意外とNG。修理やメンテも購入店に頼るのが正解

保管やコンディション維持に注意していても、年代物のアンティーク・ウォッチである以上、現行モデルに比べれば、やはり故障のリスクはついてまわる。そこで重要なのが、メンテナンスの態勢。購入後の1年間保証がある、修理にあたる専門スタッフが常駐しているなど、購入するショップを選ぶ際にも、アフターサービスが充実している店舗を選ぶのが、特にビギナーにとっては必須条件といえるだろう。

「現存するメーカーの製品であれば、メーカーに直接持ち込んで修理を依頼できる場合もあります。しかし、アンティーク・ウォッチの場合は、メーカーにも部品のストックがないことが多く、修理を断られるケースも多いようですね」

また、修理を受け付けるのは正規店で新品で購入した場合のみで、中古品となるアンティーク・ウォッチは、そもそも対象外という姿勢のメーカーもあるそうだ。

「実は、修理にかかる費用も、メーカーに直接依頼したほうが、かえって高くつく場合も多いんです。たとえば、ロレックスの自動巻きスポーツモデルの場合、当店ではオーバーホールの費用の目安はだいたい2万5000円くらいですが、メーカーに依頼すると、その倍以上かかることもあるようです」

さらに意外なことに、メーカーに修理を依頼したことで、アンティーク・ウォッチの価値が下がってしまう場合もあるのだとか。

「文字盤のようにデザインの肝となるパーツを、メーカーの判断で現行の代替品に交換されてしまうことがあるんです。修理としては正しい判断なのですが、オリジナル性が重視されるアンティーク・ウォッチの場合、いくら質が良くてもオリジナルではない部品に交換されてしまうと、価値は大きく損なわれます。ですからアンティーク・ウォッチの修理を行う場合は、極力オリジナルのパーツにこだわるのが基本というわけです」

確かな店舗選びができていれば、やはり購入したお店に修理やメンテナンスまでお任せするのが賢明ということだろう。ちなみに、コンディションの維持に必要なオーバーホールは、アンティーク・ウォッチの場合、3〜4年に1度を目安に実施すると良いそうだ。

現行モデルの腕時計と比べても、そこまで面倒があるというわけではないアンティーク・ウォッチ。これならビギナーでも手にできるのでは、と思った人も多いだろう。このように、一般に思われているより、意外と敷居が低いアンティーク・ウォッチの世界。確かな購入先を選ぶことができれば、自分にあった逸品と出逢い、さらにアンティーク・ウォッチの知識を高めていくこともできるだろう。年齢に見合った品格のあるお洒落を愉しみたい人も、コレクションの愉しみを満喫したい人も、まずは気軽にショップへと足を運んでみてほしい。

「SWEETROAD」平野さんがオススメする、人気のアンティーク・ウォッチ(4)

ロレックス「サブマリーナ/Ref.5513」
1981年製でオリジナルの文字盤には目立つ傷みは見られず、ベゼルは経年によりネイビーがかった黒に褪色。ケースには小傷こそあるが、致命的なダメージは見られず、程度は良好。ブレスは後年のサブマリーナ用ROLEX純正ダブルロック式3連ハードブレスを装着する。日本ロレックスメーカーギャランティ&BOX付き。208万円(税込)

「アンティーク・ウォッチとしては、比較的新しい年代となりますが、こちらも非常に人気が高いモデル。すでに200万以上の値がついていますが、今後もさらに価格は上昇するのではないでしょうか。投資目的としても価値のある時計ですね」

※価格は取材当時のもの。同じモデルでもコンディションにより価格が異なる場合があります。
※在庫の有無については、店舗に直接ご確認ください。

Text by Arata Homma
Photo by Kazushige Mori
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

アドバイザープロフィール
平野拓生
ロレックスやオメガ、グランドセイコーといった国内外のブランドを幅広く取揃える、日本のアンティーク・ウォッチシーンの草分け的専門店「SWEETROAD(スイートロード)」店長。主に50~70年代のアンティーク・ウォッチが充実する他、ヴィンテージカレッジリング&ジッポなども取扱う。
店舗情報
スイートロード
神奈川県川崎市 幸区南幸町2丁目 21番地 シノックスプラザ1F
電話 044-544-8177
営業時間 11時~20時(月曜定休)

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