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第16回 | マクラーレンの最新車デザイン・性能情報をお届け

究極に軽いオープン──マクラーレン600LTスパイダー

マクラーレン・オートモーティブには、歴史上、「LT」の名を冠したモデルが4台のみ存在する。そのなかで最も新しいモデルが『600LT』だ。『570S』をベースに約4分の1の部品を変更することで、驚異の軽量化をはかった一台。エントリーモデルに位置づけられる「スポーツシリーズ」にラインナップされながら、最上位モデルの「アルティメットシリーズ」にも負けず劣らずの動力性能を実現している。2018年10月に期間限定生産でデビューしたが、早くもオープンモデルが登場。それが、5台目の「LT」となる『600LTスパイダー』だ。

『570Sスパイダー』と比べて100kgも軽い。秘密はカーボンファイバー製シャシー

マクラーレン・レーシングが1997年に開発した伝説のレーシングマシン『F1 GTR“ロングテール”』。『600LTスパイダー』の「LT」は、この「ロングテール(LongTail)」の頭文字に由来する。当然、高いスポーツ性能がなければ、その名を受け継ぐことはできない。そういった意味で、『600LTスパイダー』は間違いなく正統な資格をもつ一台だ。

ベースは当然、クーペモデルの『600LT』。通常、オープンモデルは開閉機構などを搭載するので、クーペモデルよりも大幅に車両重量が増してしまう。『600LT スパイダー』はルーフにファブリックではなくハードトップを採用しているので、なおさらだ。

しかし、『600LT』から増えた車重はわずか50kgのみ。同じくオープンモデルの『570Sスパイダー』と比較すると、100kgも軽く仕上げられた。軽量化を実現したのは、軽さと強度を両立するカーボンファイバー製モノセルIIシャシーの採用だ。特に、強度面ではスチールやアルミニウムのシャーシで必要となる補強を行う必要がなく、そこでも軽量化につながった。オープンモデルでありながら、『600LT』と同様の剛性を誇るのはさすがのひと言だ。

クーペの『600LT』と同等の加速力。心臓部に600馬力のV8ツインターボエンジン

軽量化の甲斐もあり、0-100km/hに達する時間は2.9秒。『600LT』とまったく同等の驚異のスタートダッシュを実現した。ただし、これは軽量化だけで実現できるものではない。

もうひとつの理由が、最高出力600ps(592bhp)、最大トルク620Nm(457lb ft)を発揮する8.0LのV8ツインターボエンジンだ。電子制御システムが改良されているほか、冷却システムも向上しており、短くなったエキゾーストはより多くのパワーを発揮するように調整されている。このエンジンに組み合わされるのが、デュアル・クラッチの7速シームレス・シフトギア。イグニッション・カット機能によって、より速いギアチェンジが可能になり、トップエグジット・エキゾーストから印象的なサウンドが届けられる。

この加速を支える足回りには、サーキット走行を重視したオーダーメイドによる「ピレリP Zero Trofeo R」タイヤを履いた超軽量合金ホイール。そして、『720S』から受け継いだ軽量サスペンションとブレーキシステムが搭載されている。

電動開閉式リトラクタブル・ハードトップの採用により「LT」伝統のデザインを維持

エクステリアは『600LT』を踏襲。フロントリップスポイラーやサイドシル、ディフューザー、固定式リアウィングを取り入れることで、250km/hでの走行でも『600LT』と同じ100kgのダウンフォースを実現した。インテリアは、フラッグシップの『P1』と同じく軽量のアルカンターラトリムやカーボンファイバー製レーシングシートを採用。オプションで、500台限定の『セナ』のために開発された超軽量シートを選ぶこともできる。

オープンモデルで気になるルーフ機構は「電動開閉式リトラクタブル・ハードトップ」だ。ハードトップはファブリック製よりも強さと耐久性が優れているだけではなく、閉じたときの快適性も高い。また、「LT」のデザイン言語である、フロントとリアのオーバーハングの長さを始めとした独特のシルエットを維持にもつながった。

ルーフの開閉は、40km/hまでなら走行中でもボタンひとつで可能。また、ガラス張りの電動式ウィンド・デフレクターは、独立して動作させることができる。あえて使用しないことで、キャビンに流れ込むエキゾースト・サウンドをより大きくすることも可能。美しいサウンドで、官能的なドライビングを満喫することができるだろう。

ジュネーブモーターショー2019には『600LTスパイダー』のビスポークモデルが登場

『600LT スパイダー』も、これまでの「LT」モデルと同様に期間限定生産だ。日本仕様の価格は3226万8000円(税込み)から。英国サリー州ウォーキングにある「マクラーレン・プロダクション・センター」にて、一台一台ハンドメイドで製造される。

3月のジュネーブモータショーでは、『600LTスパイダー』をベースに、マクラーレンのビスポーク部門である「MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)」が特別なカスタマイズを施したビスポークモデルもお披露目された。こちらも気になる一台だ。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) McLaren Automotive
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
McLaren 600LT Spider オフィシャル動画
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