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フェラーリの最新車デザイン・性能情報をお届け
第25回 | フェラーリの最新車デザイン・性能情報をお届け

モンツァSP1&SP2──見よ、これが雑味なきフェラーリだ

これらのクルマは、フェラーリにとって新しい“象徴”となるのだろうか。フェラーリの聖地の名が冠された『Monza SP1』と『Monza SP2』は、新シリーズの尖兵として発表された。そのシリーズの名は「Icona(イーコナ)」。英語では「icon」。意味は“象徴”である。1950年代のもっとも刺激的なフェラーリの記憶を、最先端のスポーツカー技術で甦らせたスペシャリティカーだ。

1940年代から50年代、フェラーリはレースに勝つことだけを考えてクルマを作った

フェラーリの聖地である「モンツァ」の名を冠したクルマは、『Monza SP1』と『Monza SP2』が初めてではない。往年のフェラリスタなら、モンツァと聞くと『750 Monza』と『860 Monza』を思い浮かべることだろう。そして、『750 Monza』『860 Monza』のフォルムは、フェラーリのバルケッタモデルの始祖である『166MM』を想起させる。『166MM』は、言わずとしれたフェラーリ初の市販モデルだ。

『166MM』『750 Monza』『860 Monza』。この3台は、いずれもレースで勝つことによってフェラーリを伝説のブランドへと押し上げた立役者だ。1940年代から1950年代にかけ、フェラーリはいっさいの妥協を排し、唯一、レースでの「勝利」だけを見据えてクルマを作った。『Monza SP1』と『Monza SP2』はそのDNAを色濃く受け継ぐ。それはエクステリアを見ても明らかだ。

『モンツァSP1』と『モンツァSP2』のフォルムはひと筆書きしたようなシンプルさ

『Monza SP1』と『Monza SP2』のデザインは、徹底してシンプル。まるでひと筆書きで描いたような、無駄を削ぎ落とした極めて純粋なフォルムだ。特にリアでは、テールライトに新しいコンセプトを採用。新たなデザインのサイドライトとブレーキランプは分断されることなく、一体となってシルエットを描き、上下シェルの間の薄いスリットへと収められた。これによって、アッパー・シェルが独立しているかのような印象を受ける。

『Monza SP1』は、コックピットの半分をトノー・カバーで塞いだシングルシート。純粋にドライビングエクスペリエンスだけを追求している。『Monza SP2』はトノ・カバーを外し、セカンド・ウインド・プロテクターとロールバーを追加装備した。同乗者も走りの快感を堪能できる2シーターモデルだ。

いずれもルーフとウィンドウスクリーンは装備しない。真横からみると、まさに「バルケッタ」。つまり小型のスピードボートだ。素人目にも空気抵抗係数が低いことがわかる。

インテリアは、ドライバーファースト。コックピットを中心に設計された。すべては人間工学に基づき、計器類、インストルメントパネル、そしてシートの構造にいたるまで、ドライビングエクスペリエンスの実現のために考え抜かれている。

頭部のみが車体の上面から飛び出す。まるでF1カーのような極上オープンエア体験

ボディの大半はカーボンファイバーである。この軽量ボディに搭載するパワートレインが桁違いだ。フェラーリでもっともパワフルなモデル、『812スーパーファスト』直系のエンジンで、自然吸気V型12気筒。排気量は6496ccを誇る。

最高出力は603 kW/8500rpm、最大トルクは718Nm/7000rpm。「F1 7速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)」の採用と乾燥重量1500kg(『Monza SP1』)という軽量ボディも相まって、0-100 km/h の加速 は2.9秒、0-200 km/hの加速は7.9秒、最高速度は300km/h以上に達するという。

ドライバーの体は頭部を除けば完全にボディカウルに覆われており、頭部のみがクルマの上面に飛び出している。この状態のまま、わずか2.9秒で100km/hに達するのだから、まさにフォーミュラーカー並のオープンエアを味わえるということだ。とはいえ、その経験はけっして不快ではないだろう。「バーチャル・ウインドシールド」と呼ばれる技術で、気流によるネガティブな影響を最小化しながら、この種のオープンカーだけがもたらす痛快なスピード感や路面との一体感ももたらすことを可能したという。

もちろん売りはパワーだけではない。ハンドリング特性は、『812スーパーファスト』にも搭載された「バーチャル・ショートホイールベース・コンセプト」と「電動パワーステアリング(EPS)」を装備することでロール感をなくし、ピュアスポーツカーならではの妥協なきものに仕上がっている。

オーナー限定のアパレル&アクセサリーも。価格は1億円? それとも3億円以上?

オーナーには限定で、レーシングスーツ、ジャージ、ヘルメット、グローブ、スカーフ、レーシング・シューズなどのアパレル&アクセサリーが用意された。これは、ラグジュアリーブランドの「ロロ・ピアーナ」および「ベルルッティ」とのコラボレーション。エレガントなジェントルマン・ドライバーにインスパイアされたデザインだという。

また、「レインストーム・テクノウール・ストレッチ」素材のオーバーオール、パンツ、ボマージャケットのセットも用意された。ドライバーを風雨から保護しつつ、自由な動きを妨げることのない逸品だ。特にジャケットは、スーツをしっかりと閉めれば、風を完璧に防ぐことができ、襟を開いて着用すれば洗練された大人の雰囲気となる。『Monza SP1』『Monza SP2』でのドライブをより素晴らしいものにしてくれるだろう。

販売台数などはアナウンスされていないが、報道では『Monza SP1』と『Monza SP2』を合わせて500台以下の販売で、その価格は1億円超とも3億円とも噂されている。

フェラーリいわく、販売の対象は「特別なカスタマーとコレクター」。フェラーリのエッセンスが凝縮された雑味のないモデルは、まさに「Icona」の名にふさわしい。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) Ferrari S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Ferrari Monza SP1 and SP2 オフィシャル動画

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