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第43回 | エディトゥールPRIME

息を呑む美しさ──ロールス・ロイスのファベルジェの卵

ファベルジェの卵。ジュエリー通ならご存じのことだろう。帝政ロシアの金細工師、ファベルジェによるイースターエッグをモチーフにした卵型の宝飾品だ。とりわけ1885年から1916年の間にロマノフ王朝に収められた50個は、インペリアル・イースターエッグと呼ばれ、人類史上もっとも価値の高い工芸品とされる。それから100年余り。いまやファベルジェは超一流のジュエリーブランドに成長し、やはり超一流のブランドであるロールス・ロイスとコラボレーションして新たなファベルジェの卵を完成させた。それが『“スピリット・オブ・エクスタシー”ファベルジェ・エッグ』と名付けられた逸品である。

ダイヤモンドとアメシストのファベルジェの卵から現れる幻想的なフライングレディ

「スピリット・オブ・エクスタシー」とは、ロールス・ロイスのフロントグリル上部に鎮座するマスコットのことだ。別名はフライングレディ。モデルとなったのは、エレノア・ヴェラスコ・ソーントンというひとりの女性である。1911年以来、最高級のモーターカーを象徴する真のアイコンとして、ロールス・ロイスのシンボルとなってきた。

今回製作されたファベルジェの卵は、『“スピリット・オブ・エクスタシー”ファベルジェ・エッグ』という名でわかるように、スピリット・オブ・エクスタシーの世界観を表現したものだ。デザインはロールス・ロイスのデザイナー2人とファベルジェのデザイン主任が共同で行い、ファベルジェの7人のクラフトマンが腕によりをかけて完成させた。

その高さは160mm、重さは400g。ギローシュ模様で仕上げられた18金ホワイトゴールドの台座の上に、おそらくロールス・ロイスの12気筒エンジンを表した12ピースの18金ローズゴールドのアームが卵を形作る。アームの内側にあしらわれているのは、計10カラットのホワイトダイヤモンドと390カラットのアメシスト(紫水晶)だ。

このアームは、台座のレバーを操作すると、花びらのように放射線状に開く。すると、幻想的なフライングレディが姿を現すのである。まさしく息を呑むような美しさだ。

“スピリット・オブ・エクスタシー”ファベルジェ・エッグはとあるコレクターの元へ

『“スピリット・オブ・エクスタシー”ファベルジェ・エッグ』は、まず英国ウエスト・サセックス州グッドウッドのロールス・ロイス本社で公開され、ロンドンにあるファベルジェのショールームで一般に披露されたのち、オーナーであるコレクターに納品された。

この特別なファベルジェの卵にはいったいどれくらいの値がつくのだろうか? やはりどうしても価格が気になってしまうが、それはさすがに野暮というものである。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Rolls-Royce Motor Cars
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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