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- 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう -

40代の99%が虫歯経験者!? 痛くない、黒くない歯も要注意。虫歯の発見法

厚労省が平成28年に行った調査では、456人の40代のうち虫歯の経験が無い人はわずか3人。未処置の虫歯を保有している人は150人もおり、40代は虫歯に特に気をつけるべき年代ということが分かる。しかし、虫歯の中には痛みや歯の黒ずみといった代表的な症状がないものも存在する。いち早く適切な治療を受けるためにも疑わしい歯の見つけ方は覚えておきたいもの。そこで、南青山デンタルクリニックの総院長・青山健一先生に、知っておくべき虫歯の特徴について解説していただいた。

今回のアドバイザー

青山健一

歯科医

呉市出身、広島大学歯学部卒業。1992年に南青山デンタルクリニック開院して以来、2011年には日本で初めての「部分矯正専門医院」のYou矯正歯科を開設、2016年にはYou矯正歯科広島駅前医院を開院し、現在は全国7医院の総院長として精力的に活躍。『部分矯正とマウスピース矯正の魅力』(桐書房)、『よくわかる家庭の歯学』(桐書房)、『抜かない矯正の最新知識(改訂版)』(桐書房)など著書も多数。

痛い虫歯の原因は、虫歯の原因となる細菌が出す“酸”によって作られる

きちんと歯磨きをしていないと虫歯になる。子供でも分かっていることだが、そもそも虫歯がどのようなメカニズムで進行するのかを理解している人はどれだけいるだろう?

青山先生「虫歯は、歯の表面に付着するプラークによって引き起こされます。プラークの正体は食べかすではなく、細菌のかたまり。中には虫歯や歯周病の原因となる細菌もたくさん含まれています。プラークに含まれる虫歯の原因菌は、食べかすや食事の糖分を栄養として吸収し、代わりに酸を出します。この酸が歯を溶かすことで、虫歯が作られてしまうのです。

皆さんが虫歯の症状として思いつくのは、

・歯が痛い
・歯が黒くなる
・歯に穴が空いている

といった症状だと思います。これらは、虫歯菌の出す酸が歯を溶かしてしまった中期の虫歯の典型的な症状です。こういった自覚症状があるという方は、早急に歯科で治療を受ける必要があります」

歯の表面だけ溶かされた「初期の虫歯」は痛みを感じない

中期の虫歯は、痛い、黒いなどの典型的な症状によって我々素人でも発見することができる。ただ、虫歯の治療はできるかぎり早期に発見することが大切。ごく初期の虫歯を見つけることはできないのだろうか?

青山先生「恐ろしいのは、分かりやすい症状を持たない虫歯があるということです。特に、初期虫歯の場合は全く痛みが無いことも多く、目立った見た目の変化も無いため、歯の専門家でない方が発見するのは非常に困難です。

そもそも歯は、『エナメル質』が『象牙質』をコーティングした状態で構成されています。虫歯の出す酸ははじめにエナメル質を溶かし、その後象牙質を蝕んでいきます。表面のエナメル質はほぼ無機質で、感覚を持ちません。そのため、エナメル質だけが酸で溶かされている状態の初期虫歯は痛みなどの感覚が全く無く、発見には専門家のチェックが必要不可欠なのです」

歯の内部が空洞になっていることも…もう1つの「無痛の虫歯」の実態

また、感覚の無い虫歯は初期の虫歯以外にもあるという。

「痛みを感じない虫歯はもう1パターン存在します。通常、歯の内部の象牙質まで進行した虫歯は、神経に炎症が生じ激しい痛みを伴います。しかし、その後痛みを放置し続けると神経が死んでしまいます。神経を失うと当然ながら痛みは治まるので、虫歯そのものが治ったかのように錯覚してしまう方もいるのです。ここまで進行してしまった虫歯は、内部が空洞になってしまっていることもあります。

さらに、そのまま神経が死んだ歯を放置していると、歯の根元に細菌が病巣を作り、アゴの骨が痩せてしまう『骨吸収』を起こしてしまいます。虫歯となった歯だけでなく周囲の健康な歯にも悪影響を及ぼしてしまうため、一刻も早い治療が必要です」

「虫歯を放置していいことはひとつもありません。自覚症状がない虫歯はたくさんありますので、歯科医院でのクリーニング等で定期的なチェックを受けることをおすすめします」と青山先生。歯に痛みを感じてから歯科を訪れるのではなく、何もなくても歯科検診を受ける意識を持つことこそが、唯一無二の虫歯の見つけ方…というわけだ。

最後にアドバイザーからひと言

「虫歯は早期発見早期治療が鉄則。また、虫歯を初期段階で見つけておくと、虫歯が出来やすい部分の歯磨きを重点的に行うなどの予防が出来ます。予防に勝る治療はありません。是非一度歯科検診を受診してください」

Text by Takumi Arisugawa