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- 40男なら知っておくべき。快眠と食の関係 -

脳梗塞のリスクも? 快眠に欠かせない水分補給のコツ

睡眠の質を高めるためには適度な水分補給が重要。しかし、夜中に何度もトイレに行くのが面倒で、寝る前の水分補給を控えている人は意外と多いようだ。そこで気になるのが“適度な”水分補給の目安と方法。睡眠専門医の坪田聡さんに、アドバイスを受けた。

今回のアドバイザー

坪田聡

医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック 副院長

日本医師会、日本睡眠学会、ヘルスケア・コーチング協会所属。医学・生理学の知識を活かしながら、睡眠専門医として睡眠障害の予防や、睡眠に関する正しい知識を広めるため、ビジネス・コーチとしても活躍。著書に『脳も体も冴えわたる1分仮眠法』(だいわ文庫)など多数。

水分補給を怠ると、熱中症や脱水症状のほか心筋梗塞、脳梗塞のリスクも

蒸し暑い日が続くこの時期。疲れを明日に残さないためには、特に質の良い睡眠が大切だが、坪田さんによるとミドルエイジのなかには、間違えた対策をとっている人もいるという。寝る前の水分補給も、そのひとつだ。

「寝不足の原因になるため深夜トイレに起きたくない、睡眠中に汗をかきたくない、という理由から就寝前に水分補給を控える人も多いようですが、睡眠中でも熱中症や脱水症状のリスクがあるので危険です。熱中症は体内の水分や塩分が失われることで起こります。熱帯夜になると一晩でかく汗は500~1000mlにも及びます」(坪田さん、以下同)

就寝時に汗として失った水分の補給が不可欠なのだ。これを怠ることで発生するデメリットは他にもある。

「深夜にのどが渇いて起きてしまったり、発汗が十分におこなわれず体温が上がってしまったりすることで、睡眠の質を下げてしまう危険性があります。また体内の水分不足により、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります」

常温水で胃の負担を減らし、就寝30分〜1時間前は水を飲まないこと

就寝前に水分補給が必要なのは前述の通りだが、坪田さんによれば、水分補給にも正しい方法があるという。

「キンキンに冷やした水が好きという人も多いとは思いますが、胃腸を刺激しすぎないために常温の水をオススメします。胃を冷やすと、胃の血流も消化液の活性も低下し、胃の負担が増えてしまうからです」

そして、忘れてはならないのが夜間頻尿対策。いくら就寝前の水分補給が熱中症対策や発汗促進に効果的とはいえ、トイレで中途覚醒して寝不足になってしまっては本末転倒だ。

「夜中に3回以上もトイレで起きてしまう人は、就寝前の水分量を見直してみましょう。夕方から就寝30分~1時間前までにかけて、ゆっくりと水分(500mlが目安)を補給してください。夜中にのどが渇いたらすぐに水分補給ができるように、枕元に水を置いておくこともオススメします」

真夏に美味しいビールも中ビン1本、就寝3時間前までに飲み終えよう

この時期、注意が必要なのは水だけではない。ついつい手を伸ばしてしまいがちな冷たいビールも睡眠の質を下げる可能性がある。

「通常、私たちが眠っている間には、尿意をもよおさないようにするためのホルモン(抗利尿ホルモン)が分泌されています。しかし、アルコールはこのホルモンの分泌を妨げ、その結果、眠っているうちに段々と尿意が増してしまうのです」

そして睡眠の後半になると、アルコールによって眠り自体が浅くなり、トイレへ行くために目が覚めてしまうのだ。アルコールがもたらす睡眠への影響はそれだけではない。

「アルコールは舌の筋肉を麻痺させる働きがあり、あお向けで眠ったときに舌がのどに落ち込みやすくなり、さらに鼻の血行が良くなりすぎて粘膜が腫れ、鼻が詰まりやすくなります。これによってイビキをかき、体に酸素を十分に取り込めず、眠りが浅くなってしまうのです。ですから、体重60kgの健康的な成人男性の場合、眠る3時間前までにビールなら中ビン1本程度にとどめましょう」

最後にアドバイザーからひと言

「ぐっすり眠ることで、翌朝から高いパフォーマンスで働くことができますよ」

Text by Mitsuo Okada(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)