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クーペライクなフラッグシップSUV──新型アウディQ8

アウディにおいて、車名の『Q』の頭文字はSUVモデルを意味する。現在のラインナップは『Q2』『Q3』『Q5』『Q7』。車格と数字は比例している。この『Qシリーズ』に新しく加わったのが『Q8』だ。「8」という数字からわかるように、『Qシリーズ』のフラッグシップである。日本へのデリバリーはまだ未定だが、ひと足先にその概要を見てみよう。

ラグジュアリー4ドアクーペと大型SUVの魅力を併せ持つ新型アウディ『Q8』

プレミアムSUVはどのブランドにおいても稼ぎ頭となっている。しかし、プレミアムSUVならば猫も杓子も、という流行りは過ぎ去り、最近はデザインや走行性といった特筆すべきエッジが求められるようになった。

そうしたなかで存在感を高めているのが、クーペを彷彿とさせる流麗なデザイン。新型『Q8』のエクステリアも然りだ。

『Q8』の基本設計は『Q7』と共通だが、全長4990×全幅2000×全高1710mmのサイズは、『Q7』より全長が短く、横幅は広く、全高は低い。つまり、よりクーペに近いプロポーションとなっているのだ。ラグジュアリー4ドアクーペのエレガンスさと大型SUVの多用途性を兼ね備えているといっていいだろう。

初代『クアトロ』のデザインディテールが散りばめられた力強いエクステリア

フロントマスクは、『Q2』と同じく『Qシリーズ』の新アイコンである八角形デザインのシングルフレームグリルを採用。そこに、直立したラジエーターグリルと左右に延びるフロントスポイラー、立体的な造形のエアインテークが加わり、力強くマッシブな印象を与えている。

クーペらしさを演出しているのは、ルーフラインだろう。弧を描きながらDピラーへと緩やかに傾斜し、エレガントな佇まいを生み出す。また、窓枠のないサッシュレスドアもクーペらしさを醸し出している。

もちろんエレガントなだけではない。アウディの代名詞といえば、四輪駆動システムの「quattro(クアトロ)」。『Q8』には、初代『quattro』をモチーフにした数々のデザインディテールが散りばめられ、フルタイム4WD特有のダイナミクスを表現した。流麗ながら力強いエクステリアは、さながら引き締まったアスリートといったところだろうか。

インテリアに装備された「アンビエントライティング」が夜のドライブを彩る

インテリアは、セダンやクーペのフラッグシップと同じく近未来的。パネルはブラック基調のトリムで装飾され、ディスプレイはイグニッションスイッチをオフにすると、ブラックのトリムに溶け込んでほとんど見えなくなる。

特に夜間は圧巻だ。オプションのアンビエントライティング(トリムなどを照らす照明)はインテリアのラインを照らし出し、ドライバーズエクスペリエンスを満足させる。また、バックライトによって浮かび上がる立体的な「quattro」のロゴは、プレミアムSUVの所有感を高めてくれるだろう。

後部座席の定員は3人。必要に応じてシートを前後に調整することができる。『Q7』よりも全長は短いが、ホイールベースは3000mmと長く、室内長やヘッドルームを含むほとんどの室内寸法で、ライバルモデルを凌駕する広さを実現している。リヤシートを折り畳むと出現する1755Lというラゲージ容量も魅力的だ。

『Q8』のパワートレインは48Vマイルドハイブリッド、伝統のクアトロも健在

パワートレインには、48Vマイルドハイブリッドを採用。これは、始動や加速するときだけモーターがエンジンをアシストするシステムで、48ボルトの主電源システムを採用することから「48V」と呼ばれる。

このテクノロジーにより、エンジンを停止させた状態で一定時間コースティング(惰性走行)することが可能になった。スタート&ストップ機能は22km/hから作動するという。燃費はアナウンスされていないが、性能向上に寄与していることは間違いないだろう。

走行性能では、伝統の「quattro」も健在だ。機械式のセンターディファレンシャルを採用し、通常走行時は40:60の比率で前後のアクスルにパワーを配分。必要に応じて、パワーの大部分を前輪、または後輪のアクスルに配分することができる。

足回りには減衰力調整機能を備えたサスペンションを標準装備。オプションになるが、走行条件やドライバーが選択したモードに合わせて車高が90mm調整される自動車高調整機能を備えたアダプティブエアサスペンションも用意されている。

ハンドリングでは「プログレッシブステアリング」を標準装備した。これは、ステアリングホイールの操舵角が増すにつれ、ステアリングレシオ(ステアリングホイールを操作した角度と舵角の変化の比率)がよりダイレクトに変化し、思い通りのラインをトレースすることができるというもの。

また、これもオプションの「オールホイールステアリング(4輪操舵)」は、低速ではフロントとは反対方向に操舵することで取り回し性を改善し、高速ではフロントと同じ方向に操舵することによって安定性を高めてくれる。

新型『Q8』の価格は1000万円前後、ライバル車は『X6』や『GLEクーペ』

最近のアウディは、どのような最先端技術が搭載されるかも注目の的になっている。『Q8』はオプションにより最大で、5基のレーダーセンサー、6台のカメラ、12個の超音波センサー、1基のレーザースキャナーを装備。アダプティブクルーズコントロール、交差点アシスト、レーンチェンジ警告、縁石警告、360度カメラなどで運転を支援してくれる。

加えて、2019年初めには「リモートガレージパイロット」を導入予定。スマートフォンのアプリを利用して、車庫入れや車庫から出す操作を自動的に行うことができる。

一部報道によれば、価格は日本円で1000万前後からになるという。この価格帯を考えると、BMW『X6』やメルセデス・ベンツ『GLEクーペ』が直接のライバルとなるだろう。すでに、ハイエンドモデルである「RS」の名を冠した『Q8 RS』の存在もスクープされている。

『Q8』の欧州市場への導入予定は2018年第3四半期。日本へのデリバリーは2019年以降になるかもしれないが、楽しみな一台である。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) AUDI AG.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)