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- 相談しにくいセクハラ・パワハラ対策【初級編】 -

「可愛い」は何故NG? 40男に多い“悪意なき”セクハラ言動の原因

女性の社会進出が進むなか、その認識も大きく変わりつつある「セクハラ」の問題。セクハラに対し比較的“緩やか”な時代に育った40代以降の男性のなかには、自分ではその意識がないにもかかわらずセクハラと受け止められる言動があることに対し、戸惑いを隠せない人も多いはずだ。とはいえ「その気がなかった」では済まされないのは言うまでもないこと。ここであらためて40男にありがちな“悪気のない”セクハラの典型例を整理しておこう。

今回のアドバイザー

内埜さくら

恋愛コラムニスト

恋愛コメンテーターとして雑誌やTVに多数出演する恋愛コラムニスト。無料のメール恋愛相談は年間200人の男女が利用。リピーターも多数。

程度にかかわらず職場で「性」につながる言動は基本的にNG

セクハラの“境界線”として、男性の間でよく取りざたされるのが「可愛い」や「セクシー」など、女性に対する誉め言葉のつもりで発した言葉。しかし、恋愛コラムニストの内埜さくらさんによれば、これらの“誉め言葉”は、特に職場においては典型的なセクハラの事例となり得るという。

「セクハラとは、職場における性差別的なすべての言動を意味します。性に関する話題や行動で人間性を傷つけること全般を指しますが、ダイレクトな言葉を言わなければ大丈夫というわけではありません。『性的な目で見られた』『会話で下ネタを振られた』と、女性が感じた時点でレッドカードだと思ってください」(内埜さん、以下同)

特に、容姿やプライベートにまつわる言動は危険だという。

「今は、セクハラへの風当たりが強い世の中です。女性に対してはもちろん、自分自身の容姿やプライベートにまつわる言動も避けたほうが無難でしょう」

安易な褒め言葉で女性が喜ぶというのは、男性の思い込みに過ぎない

喜ばせるつもりが、セクハラと受け止められたらたまったものではない。具体的にどういった発言が誤解されてしまうのだろうか?

「まず『可愛い』という言葉ですが、1対1で言うのはもちろん、大勢の前で言った場合でもセクハラと受け取られる可能性大なので絶対に避けましょう。特に同性がいる前で上司である男性に褒められてしまうと、言われた女性は居心地の悪い思いをします」

一人だけ特別扱いするような行為は、女性同士のいざこざの原因になるだけでなく、女性社員の間で「あの人は態度を変えるから頼りにならない」と、上司としての資質まで問われかねない。また、聞かれてもいないのに自身の夫婦生活を話すのも止めるのが無難という。

「『先にこちらの腹を割れば相手も本音で話してくれるだろう』というのは思い込みです。女性は恋愛対象ではない男性に“男性性”を求めていないからです。相談や質問されない限りは過去の恋愛や性体験、ご夫婦の日常生活を話すことは止めたほうがいいと思いますね」

ほかにも、「ほかの女性社員が呼んでいるから」とマネをして「○○ちゃん」とちゃんづけで呼んだり、相談されてもいないのに女性社員の恋愛を応援したりするのもNG。性を感じさせる言動は、すべてセクハラにカテゴライズされることを頭に入れておく必要があるのだ。

会社イコール家族という意識は過去のもの。あくまでも“他人”としての配慮を

このような、男性にとって“悪気のない”という認識のセクハラがなくならない理由を、「会社に家族的役割を求めている証では」と内埜さんは分析する。

「すでに年功序列制度と終身雇用制度は崩壊しましたが、諸先輩方のオラオラ系気質を引き継いでいる40代は意外と多いものです。40代であれば就業後に先輩社員との飲み会や、会社の飲み会で先頭に立って飲まされるなどの内輪ノリ、いわゆる『社員は家族だ』的に育てられた人もいると思います。ですが現代の会社は、家族的な役割を果たせません。40代以下の社員が求めていないからです。どれほど懇意になっても、あくまでも他人と割り切って接すると、セクハラと受け止められる言動を自然と抑制できるはずです」

今の若手、特に20代が仕事に求めているものは、他人からの評価と、自分がいかに社会貢献できているか。仕事で成果を出したときに存分に褒める、努力している姿を評価することに徹していれば、セクハラとは無縁なのだ。

最後にアドバイザーから一言

「嫌がっているように見えない…というのも思い込みです。上司の言動を部下は真っ向から否定できないということもお忘れなく!」

Text by Shimano Miho(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)