pixta_19501865_S(2)
- 40男の夏バテ対策2018 -

それ本当に夏バテ? 働き盛りこそ注意したい「夏季うつ」とは

不眠やダルさなど毎年つらい症状に悩まされるのは、いわゆる夏バテのせいと思っている人は多いはず。しかし、この時期の体調不良は夏バテではなく、よく似た症状の「夏季うつ(季節性感情障害)」である可能性もあるというから、働き盛りの男性は特に注意したいところだ。夏季うつとは何か。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子さんに詳しい話を聞いた。

今回のアドバイザー

大野萌子

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『「かまってちゃん」社員の上手なかまい方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

症状は夏バテとほぼ同様。落ち込みや不安が続くようなら夏季うつの恐れが

夏バテと混同される場合が多いという「夏季うつ」。そもそも、どのようなものなのだろうか。

「夏季うつとは、正式に言うと『季節性感情障害』と呼ばれ、夏の時期にあらわれる症状です。特に原因がわからないのに不安感に襲われる、気持ちが沈んだ状態に陥るとともに、食欲の減退や不眠の特徴が見られます」(大野さん、以下同)

食欲がなく、よく眠れないために疲れがとれないなど、あらわれる症状は確かに夏バテとよく似ている。そこで見極めの基準となるのがメンタル面。暑い時期になると毎年気持ちが落ち込んだり、理由もなく不安感が強く続いたりすることがあるなら、夏季うつを疑う必要があるかもしれないという。

屋外、室内の激しい気温差や栄養不足が夏季うつを招く原因となる

気持ちの落ち込みや不安感といった症状があることから、その原因として精神的なストレスをイメージする人が多いかもしれない。しかし大野さんによれば、夏場ならではの「気温差」が夏季うつを招く主要な原因になり得るという。

「酷暑が続く近年、日々の生活のなかで温度差による変化も、大きなストレスの要因になるのです。冷房がガンガン効いている電車内から、猛暑の屋外に出て、さらに涼しすぎるオフィスで仕事をしてから再度外回りに行くなど、1日に何度も急激な温度差にさらされる人は、夏季うつになるリスクが高いといえるので注意すべきでしょう」

このほか、冷たいものや水分の摂り過ぎでお腹がいっぱいになり、必要な栄養素が摂取できていない場合にも夏季うつのリスクが高まると、大野さんは指摘する。具体的には、気持ちをコントロールするホルモン「セロトニン」を合成するための必須アミノ酸不足が、夏季うつを引き起こす原因となり得るそうだ。

急激な気温の変化を避けるほか、大豆・乳製品の摂取が予防に効果的

最後に、夏季うつにならないための予防策、対応策を教えてもらった。

「会社内であっても可能であれば、エアコンの設定温度を気にかけるようにして、緩やかな温度変化を心がけましょう。自宅に戻る場合でも、30度を超える屋外から帰宅し、いきなり部屋を19度設定にして必要以上に冷やすのではなく、ぬるめのシャワーを浴びて、適温でも快適に過ごせるようにすることが大切です。また、蒸し暑いと食欲を失いがちですが、セロトニンを合成するのに必要不可欠な必須アミノ酸である『トリプトファン』を摂取するため、乳製品、大豆製品を積極的に食べるようにしょう。具体的には牛乳やチーズ、枝豆、冷奴がオススメです」

最後にアドバイザーからひと言

「体と心は連動しているので、何事も緩やかな変化を意識するようにして暑い夏を乗り切りましょう」

Text by Akihiro Fukuda(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)