大人のための最新自動車事情/摩天楼の下、シンガポールのF1コースを駆け抜ける
- スーパーカーブランド【フェラーリ】 -

摩天楼の下、シンガポールのF1コースを駆け抜ける

開幕戦のオーストラリアから最終戦のアブダビまでのF1グランプリ全19戦のうち、市街地コースで開催されるのは伝統のモナコ、そしてシンガポールの2レースだけである。なかでも、シンガポールGPはF1史上初のナイトレースとして始まり、今シーズンも9月18日から唯一のナイトレースとして開催される。金融街の超高層ビルが立ち並ぶマリーナ地区を舞台に、色鮮やかなイルミネーションが彩るシンガポールGPの市街地コースは、旅や車が好きな大人の男なら一度は走ってみたいドライビングスポットだ。現地には、そんな願望をかなえてくれるサービスがある。

F430スパイダーの官能的な“フェラーリサウンド”

F1マシンが疾走するコースを自分の運転で駆け抜ける。その夢がかなうとき、どんな車に乗るべきだろうか。レーシングマシンとまでいかなくても、当然、ハイパフォーマンスなスーパーカーに乗りたいと思うに違いない。とくにシンガポールの摩天楼の下、F1パイロットの気分に近づきたいなら、やはりフェラーリを選びたいはずだ。

そんなリクエストに応えてくれるのが現地オプショナルツアー。たとえば、海外や国内のオプショナルツアーを専門に扱う「VELTRA」では、シンガポールのF1コースをフェラーリF430スパイダーでドライブするツアーを提案している。

オープン状態で聴く「F430」の4.3リットル、V8エンジンのエグゾーストノートは衝撃的で、官能的でさえある。F1コースのドライブでは、オープンカーということも大切な要素なのだ。

マリナーズベイサンズの真下を駆け抜ける大迫力

では、実際にF1コースをドライブしてみよう。シンガポールのシンボル、反り返った壁の3棟のビルとその上に乗った船型のスカイパークから成るマリナーズベイサンズで待っているのは、美女が傍らに立つ真っ赤なF430 スパイダー。

F430には、F1マシンのようにボタンひとつで車のセッティングを変えられるマネッティーノ機能がついている。コクピットに座ったら、サーキット用のセッティングである「RACE」モードを選択。シフトによるタイムロスを最小限に抑え、サスペンションのコントロールが上がり、レーシングマシンとしての本来の凄みに近づくことができる。
ブレーキを踏み、パドルシフトを左右同時に引き、ギアがニュートラルポジションにあることを確認する“儀式”を済ませたら、スタータースイッチをオン。ダイレクトに耳に届くフェラーリサウンドを聴けば、もうF1マシンを操っているような錯覚を覚えるだろう。一気に加速し、湾岸沿いを走っていく。
シンガポール随一の金融街でもあるマリーナ地区には、一流企業のオフィスが入った超高層ビルが立ち並ぶ。「このエリアは、シンガポールの中心的スポットです。ユニークな形の建築物の数々を見ていると、まるで未来都市に迷い込んだような感覚になります」。そう話すのは「VELTRA」のシンガポール担当、岸田研一さん。
湾から少し離れると、景色がガラリと変わる。国会議事堂や最高裁判所、市庁舎など、白い外観が美しい建築群は、イギリス植民地時代に建てられたものだ。湾を一周してベイフロントアベニューに突入すれば、もうゴール地点まであとわずか。ここからがクライマックスである。目の前にそびえるのは、ゴール地点のマリナーズベイサンズ。「このマリナーズベイサンズのほぼ真下をF430で駆け抜けてゴールに向かっていきます。まさに息をのむ迫力が味わえるはずです」と岸田さん。

F1パイロットの気分を堪能したら、そのままゴールせずに、ハイウェイに乗って都心を離れてみる展開もおもしろい。シンガポールは、近代建築、歴史的建物、さまざまな宗教建築物が混在しながらも見事に調和している。F1コースを愉しむと同時に、まだ知られていない小さな南国の違った表情を見つける…。シンガポールのF1コースのドライブは、旅好き、車好きの40男にとって最適のアクティビティともいえるだろう。

Text by Yuuki Yamaguchi(euphoria FATORY)

Photo by (c)Leonid Yaitskiy(一番下)