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- “接待の王道”ホテルでの会食を極める -

東京ステーションホテル──集合から至福の一杯まで、最高のおもてなしを

接待の場を用意する際、もっとも重要視すべきなのが「アクセスの良さ」、「豪奢な空間」、「料理の確かさ」の3点。ここに「歓談に適した二次会の手配」が加われば、準備は完璧なものとなるが、そこまでの手配をするのは大変に違いない。そこで推奨したいのが、高級ホテルの活用だ。誰でもわかる場所にあり、車での移動にも便利なほか、施設内にあるレストランやバーは接待の場としても最適。大人の接待の“王道”としておぼえておきたい高級ホテルの中から、今回は最高の立地条件を誇る「東京ステーションホテル」を紹介しよう。

改札から20歩。100年超の歴史ある名門ホテルは「食」の豊かさも自慢

東京駅の開業から1年後の1915年に誕生した「東京ステーションホテル」。東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事にあわせ2012年にリニューアルされたが、鉄道好きで知られた内田百閒をはじめ数々の著名人が愛用した佇まいは、いまなお健在だ。
JR東京駅・丸の内南口改札から徒歩20歩、なにより駅舎の中にホテルがあるという、わかりやすい立地のアドバンテージが、接待の“場”として最高であることはもちろん、フレンチ、寿司、日本料理など、目的や相手によって選べる“食”の豊かさも、接待使いに最適と太鼓判を押したい所以。今回は、その中から当ホテルの“看板”であるメインダイニング「ブラン ルージュ」を訪れてみた。

“和の心”を持つ本格フレンチで、季節の移り変わりを味わう

「バターをふんだんに使った、こってりとした味わいの料理。こうしたフレンチのイメージを払拭する和のテイストを盛り込んだ本格フレンチをご賞味いただいております。旬の素材をいち早く取り入れるためメニューの変更は細かくおこなっています。間を空けずに来ていただいても、常に季節の移り変わりを味わえるとご好評いただいております」
夏季限定コース「ムニュ プロヴァンス」(7月10日まで)
と、「ブラン ルージュ」の特徴を語ってくれたのは、08年の洞爺湖サミットでも料理スタッフとして腕をふるった総料理長・石原雅弘氏。アラカルトメニューはなく、基本的に9800円、1万2800円、1万5800円の3パターンをメインとしたディナーコースだが、追加料金でメインディッシュの変更も可能という。メニューは季節ごとに変更されるが、今回は総料理長の得意とする和牛を使った、メインディッシュ「黒毛和牛フィレ肉のステーキ フォアグラ添え黒トリュフソース」(追加料金3500円)をいただいた。
黒毛和牛フィレ肉のステーキ フォアグラ添え 黒トリュフソース
黒毛和牛フィレ肉は柔らかさ、脂の甘みはもちろん、閉じ込められた肉汁の味が奥深い。それを引き出しているのが、総料理長のコメント通りにしつこくなく、肉の味を生かす絶妙なソースである。また、フォアグラは濃厚、かつクリームのように滑らかな舌触り。聞けば、一度すり身にして筋を除去してから整形しソテーにしているとのこと。

ほか、バゲットに添えられたエシレバター(フランス産の発酵バター)は風味の良さもさることながら、なめらかな口どけにほおが緩む。これも、ホイップ状に練り直すひと手間によるものだという。こってりとした重さは抜いても、こうした細かな手間は一切抜かない。誠意を感じる料理は接待に誠意ある印象をもたらすだろう。

「コース料理を基本としているものの、メニューの細かい変更ももちろん対応いたします。接待でご利用いただく際は、是非お尋ねください。当レストランのスタッフにご相談されて良い接待につながればなによりと考えております。」(石原氏)

酒類についてはフランスワインを中心に、常時1000本の各国のハイクオリティなワインをストックするが、あえてフランス産の高級ワインをメインに据えてはいないのも特徴だ。これは「東京の中心にあるホテル」であるからこそ、国内外の利用者に国産のワインの良さを知って欲しい…。と、そんな思いから、国産ワインに力を入れているという。

個室は「ブラン」「ルージュ」「ブルー」の3つ。接待使いであれば、個室を最優先で確保したいところだが、実はこのレストランにおいては、窓側のホール席も意外とオススメだ。採光を考えてつくられた駅舎独特の縦長窓の一部からは、ホームの喧騒こそ遮られているが行き交う列車の姿が見える。鉄道ファンに限らずとも、こうした情景に心躍るのは間違いがないだろう。
ちなみに、店名の「ブラン ルージュ」とは、フランス語の赤(ルージュ)、白(ブラン)が由来となっている。

「かつての店名は『ばら』でした。2012年のホテルリニューアルオープンの際、コンセプトや内装を一新したため名前も変えることになりましたが、昔の歴史も受け継ぐ意味を込めて、絨毯や内装の一部にバラの意匠を施しております。」(ホテル広報担当)

アクセスの良さだけではない。このホテルには「ストーリー」が根付いているのだ。

二つのバー「カメリア」「オーク」で接待後のクールダウン

食事を楽しんだ後で、一杯のカクテルとともに歓談のひと時を持つ。接待の場としてホテルを推奨したい理由は、多彩なレストランに加え、雰囲気の良いバーが併設されている点にある。東京ステーションホテルの場合は、カジュアルなカフェ&バー「カメリア」、よりオーセンティックな「オーク」という2つのバーを有し、そのあたりも抜かりはない。巨匠バーテンダー、杉本壽氏が東京駅開業75周年時に開発したオリジナルカクテル「東京駅」は、この日の接待を印象づける締めの一杯にふさわしい。是非とも味わっておきたい逸品である。
バー&カフェ「カメリア」の店内で時を刻む時計の針が5分進めてあるのは、列車の乗り逃しがないようにという、リニューアル前からと変わらぬ心遣い。仮に、つい盛り上がってしまい思わぬ時間になったとて、ここは東京駅そのものである。接待相手を、遠い駅まで歩かせることなく二次会まで終えることができるだろう。

改札からわずか徒歩20歩。駅直結であるだけでなく、駐車場も用意されているこのホテルは「日本一アクセスの良いホテル」であり、接待時の候補上位に入れておくべきホテルであることは間違いない。

Text by Masayuki Utsunomiya
Edit by Kei Ishii(Seidansha)