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第3回 | 大人が嗜みたい、おすすめイベント情報

日本初公開のコレクションが“来日”。“奇想の版画家”エッシャーの巡回展

観る者の頭をクラクラさせる“超現実”の世界を描いたオランダの版画家M.C.エッシャー。その生誕120年を記念した大型展覧会「ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵」が、東京・上野の森美術館で開催中。東京での公開後は、大阪、福岡、愛媛と巡回予定となっている。驚異と遊び心に満ちた作品群は、いわゆる美術好きならずと楽しめるはずだ。

代表作はもちろん、初期作品、木版、直筆ドローイングなど約150点が集結

デザインモチーフのほか、映画やアニメのシーンで引用されるなど、美術の枠を超えて紹介される機会も多いため、誰もが一度は目にしたことがあるに違いない、エッシャーの作品。

《滝》 1961年

特に有名なのはこの《滝》だろう。自然の摂理に逆らい、水が上へ上へと流れ循環する“永久運動”が印象的だが、詳細に見ていくと塔の柱の形や建っている位置も不自然で、三次元空間では実現不可能な構造物であることに気づかされる。パッと見ただけでは気づかない「錯視」を利用したエッシャーならではの作品だ。

マウリッツ・コルネリス・エッシャーは1898年オランダに生まれた。大学で建築と装飾美術を学んでいたエッシャーは、版画家のメスキータに実力を認められ、版画家として活動を開始する。

《椅子に座っている自画像》 1920年

大きな転機は1922年。スペインの古都グラナダに建つアルハンブラ宮殿で見たタイル模様が、後の作品作りに多大な影響を与えることとなる。ムーア人が築いた宮殿にはイスラム文化の影響が色濃く、エッシャーは後にこの地を再び訪れ、熱心に模写したという。

《発展Ⅱ》 1939年

そのエッシャーの世界最大級のコレクションを収蔵するのがイスラエル博物館だ。そのコレクションから、代表作はもちろんのこと、初期作品から木版、直筆のドローイングなど約150点が「ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵」として、東京を皮切りに日本全国を巡回する。

8つのキーワードでエッシャーの謎に迫る

「ミラクル エッシャー展」は日本初公開となるコレクションを展示。エッシャー自身による貴重な初版プリントの大作《メタモルフォーゼII》などが一堂に会する注目の展覧会となっている。

《メタモルフォーゼⅡ》 1939-40年

展示は「科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」という、エッシャーにまつわる8つのキーワードで、版画に込められた謎に迫っていく構成。最後にエピローグ「循環する世界」と題して、縦19.2cm×幅387.5cmという大作《メタモルフォーゼII》が展示されている。また作品の中へ入り込んだかのような感覚が得られる映像コンテンツなどもあり、エッシャーの不思議な世界を楽しむことができる。

《球面鏡のある静物》 1934年

実は今回公開されるエッシャーの作品は、保全の理由からイスラエル博物館では常設展示されていないもの。しかもイスラエル博物館が所蔵するエッシャー作品が公開されたのは、2004~05年のスペイン、2014~15年の台湾に続き、日本公開で3度目なのだという。これほどまとまった数のエッシャーの作品を一度に見ることができるのは、非常に貴重。日本国内を巡回予定なので、この機会を逃さず、ぜひ美術館へ足を運んでエッシャーの不思議な世界を体感してもらいたい。

メイン画像クレジット:《相対性》 1953年 All M.C. Escher works copyright (C) The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland. All rights reserved. www.mcescher.com

Text by Tamotsu Narita
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

開催情報
生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵
会場:上野の森美術館
会期:2018年6月6日~7月29日(会期中無休)
開館時間:10:00~17:00/毎週金曜は20:00まで(入場は閉館30分前まで)
入場料:一般1600円、大学生・高校生1200円、中学生・小学生600円、小学生未満無料
住所:東京都台東区上野公園1-2
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)

※今後の開催予定
大阪展 あべのハルカス美術館 2018年11月16日~2019年1月14日
以降「福岡展」「愛媛展」を開催予定

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