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第31回 | 魅惑のボディで注目のスーパーモデル

リウ・ウェン──“アジア人初”の冠を持つ美女モデル

日本人のアーティストやアスリートが海外で活躍し、目覚ましい功績を残すと、メディアは「日本人初の──」といった冠をつけて大きく報じる。これは日本に限った傾向ではなく、アジア全体、そして世界でも同じようだ。中国人スーパーモデルのリウ・ウェンは、ファッション界で「アジア人初」「中国人初」という冠をいくつも持つ美女である。

市場の拡大化とともにファッション界で注目を集めるアジア人モデルのエース

人種や性別、そしてそれぞれの性的志向。ファッション業界は早い時期からそれらに意識的に向き合い、多様性を尊重してきた。一般社会では、ジェンダーやセクシャリティが議論を呼ぶことも多いが、ランウェイでは多種多様な出自のモデルが個性や美しさを表現している。

アジア人モデルに関しても、近年ではその意味とニーズが変化してきているようだ。とりわけ注目されるのがマーケットである。これまでハイブランドのファッションは欧米に向けて生み出されてきたが、アジアが市場として巨大になるに従い、多くのオリエンタルモデルが必要とされるようになってきた。

そのなかでも、「もっとも成功したアジア人モデル」と呼ばれているのが中国出身のリウ・ウェンだ。

身長179センチ、体重50キロという完璧なモデル体型でありながら、親しみやすい雰囲気も併せ持ち、アジアのみならず世界中から多くの支持を得ている。

(C) Sipa USA/amanaimages

アメリカの高級紙が「中国初の真のスーパーモデル」と評価するリウ・ウェン

リウ・ウェンは1988年、中国の中南部に位置する湖南省で生まれた。モデルとなったのは17歳のときに出場したモデルコンテストがきっかけだ。優勝は逃したものの、以降モデルとしてキャリアをスタートさせ、中国版の『ヴォーグ』『ハーパース・バザー』などのファッション誌を中心に活躍し始める。

しかし、この当時はまだモデルとしての仕事は少なく、ツアーガイドとして収入を得ていたこともあったという。

転機となったのは2007年のカール・ラガーフェルドとヴィクター&ロルフのショー。ここで国際的な注目を集めると、2008年にパリのモデルエージェンシーと契約を結び、ミラノコレクションで世界デビューをはたす。

このときリウ・ウェンは20歳。一般社会ならともかく、モデルとしては遅咲きとされる年齢だが、新たな時代のアジアンビューティとして多くのブランドのキャンペーンに起用されていくのである。

2009年にはアジア人として初めてヴィクトリアズ・シークレットのショーに出演し、翌年にもアジア人として初めてエスティローダーの広告モデルに起用された。2017年には、アメリカ版『ヴォーグ』の表紙に登場した初の中国人モデルとなった。彼女が進む道には、常に「アジア人初」「中国人初」の冠が付いて回ることになるのだ。アメリカの高級日刊紙『ニューヨーク・タイムズ』は、リウ・ウェンを「中国初の真のスーパーモデル」と評価する。

その年収も650万ドル(約7億3000万円)と莫大なものとなり、2017年に経済誌『フォーブス』が発表した「世界でもっとも稼ぐモデル」ランキングでは8位にランクイン。これも非白人モデルとして最高位となった。

(C) PA Photos/amanaimages

アジア人=真っ赤口紅じゃない! リウ・ウェンは常に変化する美しさの象徴

リウ・ウェンはトップモデルとして高い意識を持つ。たとえば、そのひとつの表れが「さまざまな美しさがある」という多様性へのメッセージだ。

メディアのインタビューでは、「アジア人女性は全員同じではないということを知ってほしい。それぞれの国ごとに個性があるのです」と、アジア人としてひと括りにされることへの抵抗を示し、次のように語ったこともある。

「以前までアジア人モデルは真っ赤な口紅を塗ることが多かった。それが典型的な中国人のイメージだったから。でも、最近では『アジア人の肌の色に似合うから』という理由で赤い口紅を使うことが増えてきました」

「私の一重まぶたについても、『それが美しい』とコメントしてくれる人もいる。最初にそれを聞いたとき、二重の手術をしなくて良かったと思いました。美しさの定義は常に変化し続けていると感じています」

プライベートでは、テレビ番組で共演した韓国のボーカル&ダンスグループ「スーパージュニア」のシウォンとの交際が噂されており、公私ともに順調なキャリアを歩んでいるようだ。中国人が選ぶ「中国4大モデル」でも、常に筆頭格で君臨し、リウ・ウェンの影響力はアジア全体に及んでいる。

しかし、モデルはいつまでも続けられないことも意識しているようで、引退後は、女優やカメラマン、そして観光関係の仕事にも興味があるという。もしリウ・ウェンが再びツアーガイドを始めたら、その世界でもトップになることは間違いないだろう。

Text by Kiyoshiro Somari
Photo by (C) Pacific Coast News/amanaimages(main)
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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