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3気筒の咆哮を聞け──トライアンフSpeed Triple RS

トライアンフというと、英国車らしいバーチカルツインのボンネビルファミリーを思い浮かべる人が多いかもしれない。しかし、現代トライアンフでは、看板モデルとなるのは『スピードトリプル』だろう。パフォーマンスネイキッドに「メーカー製ストリートファイター」というジャンルを確立した立役者である。その最上位機種『スピードトリプルRS』に最新モデルが登場した。

映画『M:I-2』でトム・クルーズが駆ってその名を高めた『スピードトリプル』

『スピードトリプル』は、3気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッドモデルだ。初代は1994年に『デイトナ675』のカウルレス版として登場。675ccのミドルクラスエンジンと、街乗りで扱いやすい車体ディメンションとエンジン特性、そして、なによりも斬新で攻撃的なデザインが支持されてヨーロッパで人気となり、セールス的にも成功した。

その後、兄弟モデルの『デイトナ』の刷新に伴って855ccとなり、2002年にはフルモデルチェンジによって955ccへと排気量アップ。まさにストリートファイターと呼ぶにふさわしいパワフルなパフォーマンスを発揮するようになった。

『スピードトリプル』の名が世界に広まったのは、2000年に公開され、この年の興行収入で世界一を記録した映画『ミッションインポッシブル2』の影響が大きい。劇中では、主演のトム・クルーズが『スピードトリプル』を駆って派手なライディングを披露した(もちろんスタントの起用とCGを含めてのものだが…)。

モデルチェンジを受けた新型『スピードトリプルRS』は、シリーズの最上級モデルにあたる。歴代の『スピードトリプル』のなかで「最もパワフルでアグレッシブ」と謳われているマシンだ。

新型『スピードトリプルRS』のエンジンは、やりすぎなほどの最強スペック

トライアンフはひとつのモデルを長期にわたって熟成させ、進化させる伝統を持つ。

しかし、新型『スピードトリプルRS』は明らかに、名実ともにシリーズの頂点を目指して開発されたモデルだ。1050ccという限界近くまでスープアップされた排気量と、それをコントロールするための最新テクノロジーの導入がその事実を物語っている。

結果として、外観からは連想できない最高出力150ps/10500rpm、最大トルク117Nm/7015rpmという驚異的なパワーを獲得した。このスペックだけを見ると、熟練したライダーでなければ扱えない次元に達してしまったかのようで、正直いって“やりすぎ”にも思える。

ただし、その点の配慮はなされているようだ。単にパワフルなだけでなく、最大5種類が選択できるライディングモード、新設計の慣性計測ユニット、切り替え式のトラクションコントロールとコーナリングABSの採用、クルーズコントロールの搭載などによって懐の深さが与えられている。

エンジンの大幅改良によって、レッドゾーンが先代から1000回転上回り、レスポンス向上と高回転の維持時間を長くすることが可能になったという。これは単純に排気量アップによるものではなく、ピストンやクランクなど、多くのムービングパーツや冷却・潤滑においても十分な見直しが図られたことの証なのだ。

先端テクノロジーによって、ストリートでもコーナーでも高い操縦性を発揮

新たに搭載された先端技術のうち、コーナリングABSとコーナリングトラクションコントロールは、制動力の配分や、スリップ率を読み取るトルク制御を独自の技術によって解析し、ストレートでもコーナーでも高いコントロール性を発揮させる。

慣性計測ユニットが「ロール」「ピッチ」「ヨー」の3方向のリーンアングルと加速度を感知してくれる点も、スタビリティを高める重要ポイントだ。

『スピードトリプル』の特徴である片持ち式スイングアームとアルミニウム製ツインスパーフレームは先代から受け継いだものだが、剛性の見直しと軽量化が図られた。また、Arrow製マフラーのヒートガードとエンドキャップ、フロントマッドガード、ラジエターカウルにはカーボンファイバーを採用。これは軽量化というよりはデザイン的な演出だが、明らかに高級感が増している。

フロントブレーキには、先代と同様に4ピストン2パッドのブレンボ製ラジアルモノブロックキャリパーをダブルで装備。タイヤは内外で高い評価を受けるピレリのDiablo Supercorsa(ディアブロ スーパーコルサ)を装着した。

新設計となる5 インチフルカラーTFT ディスプレイには、新たにデザインされた「Speed Triple」のロゴがスタートアップ画面に表示され、搭載されるコンピューターの各種情報が確認できる。

具体的には、スピードメーター、タコメーター、ギアポジション、燃料計、時計、気温、水温、トリップ、燃費、航続可能距離、ライディングモード、メンテナンスインジケーター、警告表示などで、表示スタイルを選択してレイアウトを変更することも可能。もちろん、ラップタイムも選択でききる。

スイッチハウジングにはバックライト付きのボタンを採用しているが、これは小さいながらもオーナーに所有感を満たしてくれるだろう。

新型『スピードトリプルRS』の価格は185万円、デリバリーは2018年6月

カラーは「クリスタルホワイト」「マットジェットブラック」の2種類。いずれのカラーにも、マット仕上げのアルミニウム製リアサブフレーム、赤いピンストライプのホイール、赤いステッチ入りのシート、「RS」のシールが付属する。

『スピードトリプル』は、3気筒エンジン独特のエキゾーストサウンドも魅力のひとつだ。とりわけ、下のリンクのオフィシャルビデオを見ればわかるように、排気量が大きくなり、新しくなったサイレンサーを装着する最上級モデル『RS』が発するそれは、そのパワフルさにふさわしい咆哮といえる。

価格は185万7000円(税込み)。デリバリーは2018年6月初旬を予定している。

Text by Koji Okamura
Photo by (C) Triumph Motorcycles
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)