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第12回 | 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう

あなたは大丈夫? メタボより危険な「サルコペニア肥満」チェックリスト

若い頃に比べてだんだんと体の衰えを感じ始める40代。健康やスタイルキープのために、メタボリックシンドロームに気をつけている人は多いだろう。しかし、現状メタボではないからといって気を抜くのはまだ早い。通常の肥満よりも恐ろしい「サルコペニア肥満」の可能性があるからだ。一体「サルコペニア肥満」とはどんな病態なのか? その実態とセルフチェックリストを、サルコペニア研究を専門とする医師・飛田哲朗先生に伺った。
今回のアドバイザー
飛田哲朗(ひだてつろう)
医師
名古屋大学医学部を卒業後、医学博士号を取得。整形外科専門医、脊椎脊髄外科指導医として医療の現場に就く。サルコペニアに起因する骨粗鬆症性骨折をなんとか防ぎたいという思いからサルコペニアの研究に従事する。現在、名古屋第二赤十字病院 脊椎脊髄センターに勤める。

スマートな人も要注意! 見た目からは分からないサルコペニア肥満の恐怖

メタボリックシンドロームに比べると、まだまだ名前が浸透していない感があるサルコペニア肥満という病気。どんな病気なのかを飛田先生に解説していただいた。

飛田先生「サルコペニア肥満とは、肥満症とサルコペニアを同時に罹患している状態です。

まず肥満症の定義についてですが、日本肥満学会ではBMI25以上を肥満と定義し、検査の指標は<腹囲:男性85㎝以上、女性90㎝以上>としています。体脂肪率を用いた指標は、統一した診断基準値はありませんが、日本では<体脂肪率:男性25%以上、女性30%以上>を肥満とすることが多いです。

またサルコペニアとは、加齢とともに筋力・筋量が低下する病気です。アジア人の診断基準は、握力の低下もしくは歩行速度の低下と、上下肢の筋量の低下がある場合にサルコペニアと診断されます。

この二つが合わさったサルコペニア肥満の特徴は、脂肪の量が増えるのと同時に筋量が減っており、肥満でもあるにも関わらず体重やBMIの指標が正常な値の場合があること。サルコペニアは、運動能力の低下や転びやすさを引き起こします。サルコペニア肥満の方は少ない筋肉で重たい身体を支えなければ行けないため、肥満の無いサルコペニアの方よりも転びやすさや身体能力の低下が重篤になります。

さらに、サルコペニアは糖尿病の隠れた原因です。実は身体の中で一番糖分を消費する臓器は筋肉。筋肉が足りないと、本来なら筋肉で使われるべき糖分が余り、血糖値が高くなり、ひいては糖尿病になりやすい状態になります。ご存知のとおり、肥満そのものも糖尿病の危険性を高める病気。サルコペニア肥満は、糖尿病の危険が最も高い状態である、恐ろしい状態なのです」

40代でも油断禁物。運動不足と肥満の負のスパイラルにハマることなかれ

なんとも恐ろしいサルコペニア肥満だが、通常は高齢者に多い病気だ。しかし、30代から徐々に減って行く筋力を放置していた結果、40代から罹患してしまうケースもあるという。

飛田先生「サルコペニア肥満になりやすい人の特徴は、運動の習慣が無いことです。食事量が多くスポーツや筋トレもされている方は、体重が多くても案外体脂肪率が低く、筋量が多い状態で、サルコペニア肥満の危険の少ない状態です。

反対に、食事量が普通でも運動をしていない人は、一見体重やBMIが正常でも実は体脂肪率が高く筋肉量が少ない状態の場合があります。見た目は普通でも、実は『かくれ肥満』の状態になっている場合があるのです。若い頃はスポーツをやっていたが、今は全く運動をしていない。だけど体重は変わらない…という方が実はサルコペニア肥満危険があります。ご自身に思い当たるところがある場合は、次の4つのチェックリストを確認してみてください。

1.他の人よりも歩くのが遅くなったと感じる。
2.横断歩道が青信号の内に渡りきれない事がある。
3.ペットボトルや瓶の蓋が開けられない事がある。
4.靴下を片足立ちで履くことができない。

ひとつでも思い当たるものがある場合は要注意。いったんサルコペニアになると動くのがおっくうになり、どんどんと身体を動かさなくなってしまいます。サルコペニア肥満では筋量の減少による基礎代謝の低下と、日常活動の減少が肥満を悪化させ、さらに運動量が減少する悪循環が起きると考えられています。サルコペニア肥満にならないためにも運動習慣を身に着けましょう」

サルコペニア肥満の原因は、加齢や環境の変化、遺伝的要素などが複合的に影響していると飛田先生。4つのチェックリストに当てはまるところがあるという人は、恐ろしいサルコペニア肥満の深みにはまってしまうその前に、すぐにでも運動の習慣を取り入れた方が良いだろう。

最後にアドバイザーからひと言

「見た目が太っていないからといって気を抜いていてはいけません。サルコペニア肥満にならないよう、日常的に体を動かすよう心がけてください」

Text by Takumi Arisugawa

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