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アウディA6アヴァント──死角なしの万能プレイヤー

フラッグシップの『A8』にステーションワゴンが設定されていないアウディにおいて、もっとも大きいワゴンとなるのが『A6アヴァント』だ。『A6』シリーズでは、『A6セダン』が先行してフルモデルチェンジを受けていたが、オーナーのあらゆるライフスタイルに寄り添う知的なオールラウンドプレイヤーというべき『A6アヴァント』にも新型車が登場した。アウディの最新のデザイン言語と最新テクノロジーが採用され、「今欲しいEセグメントワゴン」としての魅力が詰まった一台となっている。

かつての旗艦モデル、アウディ『100』から始まった『A6アヴァント』の歴史

カーガイなら、アウディ『100』というクルマを覚えているかもしれない。デビューは1968年。幾度かのモデルチェンジを経て、1990年代の終わりまで生産された当時のフラッグシップモデルだ。『A6』という車名は、じつは『100』が4代目へとマイナーチェンジした際に与えられた名前である。

『100』には、3世代目から「アヴァント」が登場しており、1984年には日本にも導入された。アウディの代名詞である4WDシステム「クワトロ」も選ぶことができ、当時のCMではスキージャンプ台の急勾配を駆け上がってそのパフォーマンスをアピールした。2005年には、3代目『A6アヴァント』のキャンペーンでリバイバルCMが放送されたので、目にした人も多いだろう。

このときから『A6アヴァント』にはSUVテイストを盛り込んだ「オールロードクワトロ」が登場し、バラエティに飛んだラインナップを形成した。

Eセグメントのワゴンには、メルセデス・ベンツ『Eクラス ステーションワゴン』やBMW『5シリーズ ツーリング』などの強力なライバル車がひしめき合うが、5代目となる新型『A6アヴァント』もその魅力では一歩も引けを取らない。

ワゴンらしい流麗なフォルムを形成する『A6アヴァント』のスタイリング

エクステリアでは、オーソドックスなデザインのセダンとは対照的な流麗なスタイリングがさらに洗練された印象だ。

真横から見ると、クォーターガラスが後ろに向かって三角形に結ばれるようなデザインとなっており、スマートなDピラーで縁取られ、ツーリングワゴンらしいフォルムを形成している。スラントしたリアハッチのガラスは3代目モデルから続く『A6アヴァント』のアイデンティティだ。

シングルフレームグリルやLEDヘッドライトが採用されたフロントフェイスは先代モデルを踏襲しているようにも見えるが、グリルがワイド化され、より迫力を増している。

標準化されたLEDヘッドライトには、グレードによってバリエーションが与えられた。最上位モデルには高解像度ハイビーム搭載の「HDマトリクスLEDヘッドライト」を装備。さらに、ダイナミックターンシグナルとライトを連動させた「カミングホーム&リービングホーム」機能を搭載し、角張って野暮ったかったテールレンズのデザインも変更され、スポーティーなリアビューとなった。

ラゲッジスペースが拡大されて実用性が向上、インターフェイスも大きく進化

室内空間は先代モデルよりも拡大され、ワゴンならではの実用性が向上している。ラゲッジスペースは、リアシートを起こした標準時で565Lを確保。リアシートを倒すと1680Lもの広大なスペースが出現する。後席の足元もクラストップレベルのレッグスペースを実現し、移動時の快適性が向上した。

進化したインターフェイスも注目すべきポイントだ。ドライビング中は、10.1インチ(オプション)、あるいは8.6インチのディスプレイにナビゲートや車両情報が表示され、セレクターレバーに手を乗せた状態で操作を行える。

12.3インチのスクリーンで迫るアウディバーチャルコクピットはステアリングホイールのマルチファンクションボタンで操作可能。オプションのヘッドアップディスプレイを選べば、視線を極力動かすことなくさまざまな情報を得ることができる。

これらのインフォテインメントシステムの最上位モデルである「MMIナビゲーションプラス」は、LTEアドバンスト規格の通信モジュールを搭載。単独で外部とデータ通信が可能となるので、車内でスマートフォンにWi-Fi接続することも可能だ。

日本国内での対応は未定だが、ドライバーの走行履歴などを分析し、インテリジェントな提案をしてくれる統合ナビゲーションシステムといえる。

新型『A6アヴァント』はマイルドハイブリッドシステムを全車に標準装備

パワートレインは、最高出力250kW(340ps)の3.0L V6ガソリンターボ、最高出力210kW(286ps)の3.0L V6ディーゼルターボなどが用意されるようだ。『A6セダン』と同様に、ヨーロッパでトレンドとなっているマイルドハイブリッドシステムが全車に標準装備される。

マイルドハイブリッドシステムは、48Vスターターとオルタネーターが一体化されたコンパクトなアシストモーターと考えればいい。ブレーキ回生時には12kWを発電してリチウムイオンバッテリーに電力を送り込み、55~160km/hの範囲でエンジンを停止させ、燃料の消費を抑えてくれる。22km/h以下ならスタート・ストップ機能が作動するEVモードが使え、早朝や深夜の住宅街でも気を使わずに済む静音走行が可能だ。

駆動方式はFFとAWDのクワトロモデルが設定されているが、日本に導入されるグレードは未発表となっている。

ドライビングについては、ステアリングの切れ角が増すほどにギア比がダイレクト方向に可変し、操作性と快適性が向上する「プログレッシブステアリング」を採用。オプションで、60km/h以下ならリアホイールを最大5度まで操舵可能なAWSシステム「ダイナミックオールホイールステアリング」が用意された。これらの機能により、けっしてコンパクトとはいえない『A6アヴァント』が小さく感じられるはずだ。

豊富なサスペンション設定も特徴のひとつだろう。ノーマルのスチールスプリングサスペンション、スポーツサスペンション、電子制御式ショックアブソーバーサスペンション、そしてアダプティブエアサスペンションの4種類が各グレードによって用意されている。

改良されたリアのスポーツディファレンシャルは電子制御で最適なトルク配分がなされるが、これらをエレクトロニックシャシープラットフォーム(ECP)がトータル制御。さらにドライビングアシスタンスシステムが連動することで、協調制御され、パフォーマンスと省燃費性能を両立する。

走り、快適性、実用性…すべてを併せ持つオールラウンドプレイヤーのワゴン

価格は未定だが、現行モデルが672万~935万円(税込)であることを考えると、700〜950万円あたりになるのではないだろうか。ヨーロッパでは2018年秋から各国の市場に順次導入される。

走りのパフォーマンスに関しては死角なし。さらに、実用性や燃費性能も向上した新型『A6アヴァント』は、あらゆるシーンで活躍してくれるオールラウンドプレイヤーといえるだろう。このクルマを日々のパートナーとすれば、過去には戻れない極上の体験が待っているに違いない。

Text by Taichi Akasaka
Photo by (C) AUDI AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)