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第30回 | 酒?料理?個室?目的別の接待の切り札店

幻のサフォーク種羊をホルモンまで堪能「銀座 ひつじ座」

接待やデートで、経験豊富な大人の男性らしいお店選びをしたいなら、敢えて王道を避けてみるのもひとつの手。グルメ事情に精通している「わかっている男」を演出するのであれば、「肉」のチョイスにもひと工夫したいものだ。今回紹介する「銀座ひつじ座」は、ただものではない羊肉を出す店。インパクトの無さに、インパクトを受けること間違いなし、である。

北海道から直送される、クセの無く旨味の強い希少な羊肉を使用

インパクト(衝撃)の無さに、インパクトを受ける。おかしなことを言っているつもりはない。羊肉独特のある種の臭み、クセによる衝撃。むしろあって当たり前、羊の風味として受け入れているアレがないことに驚くからだ。

「そもそも日本で流通している羊肉は、99%以上が輸入品です。だから、いかに新鮮を謳っていても限度があります。しかし、この店の羊は北海道の牧場から2日に一度取り寄せているので、鮮度は折り紙つき。さらに、飼育繁殖が難しく幻の羊、羊肉の王様と言われているサフォーク種を穀物主体で育てています。それを『ホゲット』というラムからマトンへと成長する中間で肉にしているので、クセがないだけでなく旨味も乗った状態でお出し出来ているんですよ」(銀座ひつじ座・オーナーシェフ・松本さん)

松本さんは元々、羊肉は嫌いだったという。しかし、日本の食料自給率を憂いたなかでたまたま出会ったサフォーク種の可能性に注目。そして30代のほとんど、8年の歳月をかけて納得できる肉質の羊を生産するに至る。以降、札幌すすきので店を始め、満を待した1年半前、銀座で出店するに至った。

そう、松本さんはオーナーシェフであるだけでなく、店で出す羊の牧場のオーナーでもある。銀座で出店したのも、日本の食糧自給率問題を意識してほしい企業の重役、政治家の利用が多い中心地であるから。そうした牧場経営を含めた資金は、そもそもの仕事である不動産店の社長業から捻出…。と、面白すぎるドラマがあるのだが、これはビジネス記事ではなくグルメ記事であった。話を戻すことにするが、気になる方は店を訪れた際に、聞いてみてはいかがだろう。

ジンギスカン店でなく“焼肉店”。羊を部位ごとに楽しむ

さて、日本では羊肉の料理と聞けばまず浮かぶのは「ジンギスカン」だと思うが、部位ごとに細かく指定して出す店は少ないだろう。しかし、自家牧場から直送されてくるこの店では、ロースやバラからタン、レバー、ミノ、ハチノスと羊ホルモンに到るまでまるで焼肉のようにこだわりの部位ごと楽しめるようになっている。

基本的にコースで注文したのち、他の部位などをアラカルトで注文するのがこの店のスタイル。
ひつじ座Aコース(8900円)の内容は、タン・ウデ・モモ・バラ・スネ・ロース。赤毛和牛の山わさび添え、季節の野菜、ライス(+500円でガーリックライス)、デザート。Bコース(1万1800円)では、そこに肩ロース、羊ソーセージ、北海道のイクラorカニ丼、羊のスープが加わる。

実食させていただいたのは、肩ロースとモモ、そして羊のスープ。肩ロース、モモのどちらもクセがなく、それでいて牛豚鶏馬などとのどれとも異なる味わい。特に肩ロースは適度な噛みごたえがあり噛むほどに脂の甘みと、肉の旨味が広がる「肉らしさ」あふれる驚きの味であった。

しかし、もっとも衝撃的だったのが豚骨スープならぬ羊骨スープのうまさである。羊のお仲間、ヤギで作った山羊汁を食べたことがある方も、あのワイルドテイストを想像してはいけない。あちらがワイルドなら、こちらはさしずめ真逆のメルヘン仕様。臭みゼロで牛豚鶏どのスープとも異なる、どこかミルキィーで丸みを帯びた旨みだけがひたすら広がるのだ。

なお、ここまでに癖がないと、「羊の獣臭さが好き」という接待相手にはアピールできないと感じるかもしれないが、それは無用な心配だと思われる。普通のジンギスカン的な羊とは別物。臭みを好む人、嫌う人、どちらであっても「こんなの初めて!」といった印象を与えられることは間違いがない。銀座のビル街に輝く「ひつじ座」にて、クセはなくともインパクトのある接待はいかがだろうか?

Text by Masayuki Utsunomiya
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

店舗情報
銀座ひつじ座
住所 東京都中央区銀座7-8-1
営業 17:00〜LAST(LUNCH 11:30〜14:30)
休 不定休
TEL 03-6264-6429
※基本的に夜は要予約。また不定休のため、ランチも確認のTELを入れたほうがよい

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