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第21回 | フォルクスワーゲンの最新車デザイン・性能情報をお届け

VWトゥアレグ──カイエン兄弟車の最新進化形を見よ

ポルシェ『カイエン』は、プレミアムSUVというカテゴリを生み出し、現在も続く高級SUVブームの立役者というべき一台だ。デビューは2002年。しかし、この『カイエン』との共同開発によって誕生し、プラットフォームを共有する兄弟車が存在するのは、日本ではあまり知られていないかもしれない。そのクルマはフォルクスワーゲン『トゥアレグ』。ラインナップに小型車や大衆車が多いVWでは異彩を放つ、重厚感と高級感を併せ持つ大型SUVである。2018年3月下旬、3代目へと進化した新型『トゥアレグ』が北京で発表された。内外装の質感が大幅に高められ、先端技術や安全性能が充実した一台となっている。

ポルシェ『カイエン』と共同開発されたVWのプレミアムSUV『トゥアレグ』

初代『トゥアレグ』のデビューは2002年。当時、VWはブランドのプレミアム化を志向し、スポーツカーブランドのポルシェはクロスオーバーSUVをラインナップに加えたいと考えていた。

その両者の思惑が一致して、共同開発によって誕生したのが『トゥアレグ』と『カイエン』だ。2台はプラットフォームを共有する。2006年にはここにアウディ『Q7』も加わり、『トゥアレグ』『カイエン』『Q7』は3兄弟となった。

最大の特徴は、『カイエン』と共同開発されたことからもわかるように、走りや快適性の水準が高く、それでいてプレミアムSUVとしては比較的安価で手に入ること(従来モデルは649万円から)。日本では目立った存在ではないが、デビュー以来、世界累計100万台を販売している人気モデルなのだ。

2010年にはVW初のハイブリッド車となる2代目が登場。今回、北京モーターショー2018で発表された新型『トゥアレグ』は3代目となる。

なぜ北米やヨーロッパではなく北京で発表されたのか。じつは中国では古くからVWブランドへの信頼が厚く、VWにとって中国は最大の市場。また、当地では近年、プレミアムSUVの人気が高い。つまり、『トゥアレグ』は中国市場のニーズに合致したクルマなのである。

新型『トゥアレグ』はベントレー『ベンテイガ』のように重厚なスタイリング

新型『トゥアレグ』の進化は、まず外観に見て取れる。先代モデルはどことなく『カイエン』に似たプロポーションを持ち、フロントマスクはVWの中型セダン『パサート』に似ていた。

落ち着いたスタイリングとシンプルな顔つきではあったものの、個性の強いプレミアムSUVのなかでは今ひとつ主張が弱かったのも事実である。

そこで新型『トゥアレグ』は、まずフロントマスクに大型のメッキグリルを採用。LEDヘッドライトには、内蔵カメラの画像認識によって照射範囲を最適感する最新技術の「IQ.Light-LEDマトリックスヘッドライト」が導入された。

ボディサイドには、フロントフェンダーの後端からやや上に向かってシャープなラインが引かれ、プレミアム感がぐっと増した。大径ホイールが力強さを強調するどっしりとしたサイドビューは、スポーティな『カイエン』というより、むしろベントレーの超高級SUV『ベンテイガ』のようだ。リヤには、プレミアムSUVらしく、シーケンシャルウィンカー(流れるウィンカー)が新たに採用された。

ボディサイズは、全長4878mm×全幅1984mm×全高1702mm。先代モデルよりも約60mm長く、約40mm広く、全高は40mm低められている。その結果、よりロー&ワイドなプロポーションとなった印象だ。

また、ボディはアルミとスチールのハイブリッドで作られ、特にアルミは車両全体の48%を占める。それにより、従来比で最大106kgの軽量化を実現したという。

使えば使うほどオーナーの好みに適応していくイノベーション・コックピット

インテリアで目を引くのは、巨大なセンターディスプレイだ。「“ディスカバー・プレミアム”インフォテインメントシステム」と呼ばれるこのディスプレイのサイズは、なんと15インチ。12インチのフルデジタルメーターとのコンビネーションで、あらゆる情報を表示する。

また、ディスプレイ周りにいっさいスイッチがないのも特徴的だ。新型『トゥアレグ』では、ほとんどの操作をタッチパネルとステアリングのスイッチで行い、よく使う機能は自動的に少ない操作で呼び出すことができるなど、使えば使うほどオーナーの好みに適応していくという。

このデジタルコクピットは「Innovision Cockpit(イノベーション・コックピット)」と呼ばれ、さまざまな先進機能を装備する。たとえば、熱感知式のカメラで夜間に歩行者や動物を検出する「ナイトビジョン」、60km/hまでの範囲で加減速や車線維持などを行う部分自動運転システム「ロードワークレーンアシスト」、そして、前方左右からくる車両を検知する「フロントクロストラフィック」などだ。ガラス投影式のヘッドアップディスプレイも備わる。

さらに、日常での使い勝手も高められている。ボディサイズが拡大されたことにより、室内空間が広くなったほか、ラゲッジルームも拡大。荷室容量は後席使用時で従来の697Lから810Lへとアップした。

最大出力421馬力のV8ディーゼルモデル、新たに4輪操舵システムも採用

パワートレインには、170kW(231ps)と210kW(286ps)の最大出力をそれぞれ発生する2種類のV6ディーゼルエンジンが設定される。

その後、市場の求めに応じて、最大出力250kW(340ps)のV6ガソリンエンジン、最大出力310kW(421ps)のハイパワーを誇るV8ディーゼルエンジンも用意される。中国ではプラグインハイブリッドモデルも追加される予定だという。

また、大柄な『トゥアレグ』をコンパクトカーのように走らせることが可能となる4輪操舵システムの採用もニュースだ。電子制御式アンチロールバーとともに、操縦性と快適性を向上させる機能である。

新型『トゥアレグ』の日本導入に関する情報はまだない。しかし、『パサート』のディーゼルエンジン搭載モデル、『パサートTDI』と『パサート ヴァリアントTDI』が日本で発売されたことを考えると、『トゥアレグ』のV8ディーゼルモデルが上陸する可能性はあるかもしれない。

いずれにしても、3代目へと進化した『トゥアレグ』の登場によって、プレミアムSUV市場の活況はまだまだ続きそうだ。

Text by Muneyoshi Kitani Photo by (C) Volkswagen AG Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Volkswagen Touareg オフィシャル動画

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