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アルピナXD3──いいモノを知る大人のハイエンドSUV

ドイツ車好きの大人の男性なら、「アルピナ」という言葉の響きに特別なものを感じるに違いない。BMWのチューナーから始まったアルピナは、現在はBMWをベースに、より上質でラグジュアリーに仕立てたハイエンドモデルを手がける公認メーカーとして広く知られる。このアルピナがジュネーブモーターショー2018で発表したのが新型SUVの『XD3』だ。“いいモノ”を知る大人の男性にこそ乗ってほしいコンプリートモデルである。

生産台数はランボルギーニの半分以下、アルピナは高価で希少な特別なモデル

アルピナ(Alpina)は、1961年以来、50年以上にわたってBMW車をベースにしたコンプリートモデルを送り出している自動車メーカーだ。

もともとはチューナーだったが、現在はBMW公認のメーカーとなり、独自の個性、パフォーマンス、ラグジュアリー性を持ったオリジナルモデルを生産・販売している。アルピナのモデルはBMWの保証も受けられる。

一見しただけではBMWと同じに見えるかもしれないが、赤と青のエンブレム、ボディサイドのアルピナ・ライン(デコレーションライン)、アルピナ・クラシック・ホイール、専用ボディカラーとインテリアなど、独自の内外装を持つ(下の写真は先代モデル)。
2013 Alpina BMW XD3 Biturbo
2013 Alpina BMW XD3 Biturbo
走りの面でも定評のあるBMWの走行性能をさらに調律し、洗練度が高められている。いわば、違いがわかる者のための“通のクルマ”として、いいモノを知る大人たちに支持される特別なモデルなのだ。

当然、アルピナはBMWよりも高価で、希少性も高い。アルピナが2017年に生産した台数は1650台で、これはランボルギーニの半分にも満たない台数である。

ジュネーブモーターショー2018で発表された新型『XD3』は、BMWのSUVラインナップの中核モデル『X3』をベースに、アルピナが味付けを施した全天候型のハイエンドSUVだ。『XD3』としては3世代目にあたる。

新型『XD3』の左ハンドル欧州仕様車にはクアッドターボディーゼルモデルも

アルピナの新型車は、本来ならまずエクステリアやインテリアに触れたいところだが、あえてパワートレインから紹介しよう。

ベースはBMW『X3』の3.0L直列6気筒ビ・ターボ(ツインターボ)ディーゼルエンジン。ここにアルピナがチューニングを施し、右ハンドル仕様車は最高出力245kW(333ps)、最大トルク700Nm(71.4kgm)を発揮する。最高出力は『X3』のガソリンエンジンにやや劣るが、最大トルクは20.4kgm勝っている。

0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は254km/hに到達し、ディーゼルSUVとして最速をマーク(メーカー公表値)。トランスミッションは、アルピナ・スウィッチ・トロニックを備えた8速スポーツATだ。

また、イギリス以外のヨーロッパ諸国には、3.0L直6ビ・ターボディーゼルに2基のターボを追加したクアッドターボディーゼルエンジン搭載の左ハンドル仕様車が導入されるという。こちらは最大出力388ps、最大トルク78.5kgmを発生し、0-100km/h加速はわずか4.6秒、最高速度は266km/hに達する。

足回りには、アルピナ・スポーツ・サスペンション、電子制御式ショック・アブソーバー、リヤアクティブLSDを組み合わせた。乗り心地を損ねることなく、卓越したハンドリングとダイナミクスを実現する。四輪駆動システムの「xDrive」は、アルピナ独自にリヤ寄りの駆動力配分にしているという(下の内装写真は左ハンドル仕様車)。

“アルピナの流儀”に沿った上質な専用装備が施された新型『XD3』の内外装

エクステリアは “アルピナの流儀”に沿ったもの。控えめながら「アルピナであること」を主張するエアロパーツに、伝統的な20スポーク・デザインの20インチ・アルピナ・クラシック・ホイールを装備する。

ホイールはオプションで22インチにすることが可能だ。同時に、フロント395mm径、リヤ370mm径のブレーキ・ディスクを持つブレーキも、フロント395mm径、リヤ398mm径の軽量構造のドリルド・コンポジット・ブレーキ・ディスクとスポーツ仕様のブレーキ・パッドの組み合わせに変更できる。このあたりも走りにこだわりを持つアルピナらしいところである。

専用開発のタイヤ「ピレリP Zero」は、フロント255/45 ZR20、リヤ285/40 ZR20と前後でサイズを変えている。オプションで鍛造22インチホイール(タイヤはフロント:255/35ZR22、リヤ:295/30 ZR22)を選択することも可能だ。

インテリアも、ほかのアルピナモデルと同様に専用装備と上質な仕立てが施された。おもな特徴を挙げると、専用のドア・シル・プレート、シート・バックのアルピナ・メタル・エンブレム、製造番号を刻印したアルピナ・プロダクション・プレート、ラヴァリナ・レザーにブルーとグリーンのステッチを施した手仕上げのアルピナ・スポーツ・ステアリング・ホイール…などだ。

なかでも、新型『XD3』のインテリアで印象的なのは、メーターパネルが赤い指針を組み合わせたブルーに変更されたこと。また、ウッドパネルを3Dロゴ付きのピアノ・ブラックに変更することなども可能だという。

アルピナ『XD3』納車は2019年初夏から…待つ時間も特別なクルマの醍醐味

最後に発売時期と価格について触れていこう。日本でもすでにオーダーを受け付けているが、車両価格とオプションの詳細はそれぞれ6月と夏ごろに発表され、納車は2019年初夏からになるという。

価格は、先代の『XD3』が1234万円だったので、それと同等か少し高くなると考えておけばいい。なお、日本導入モデルは右ハンドル車のみとなるそうだ。

アルピナは、「お客様の個性を余すところなく反映させるために、基本的にインテリアのカスタマイズに制限はありません」「『お客様がインテリアをデザインできる』ことがアルピナの哲学であり、アルピナ・レザー・ワークショップのマイスターがそれを実現します」とプレスリリースでコメントしている。

パフォーマンスの向上が注目される新型『XD3』だが、アルピナの良さはロールス・ロイスやフェラーリをオーダーするように、自分好みの一台に仕立てる特別な体験が得られること。納車までは少し時間がかかるが、本物のいいモノを知る大人にとっては、その時間も愉しみのひとつとなるはずである。
(C) gims.swiss

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Alpina Burkard Bovensiepen GmbH&Co, gims.swiss(main)
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)