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ジャガーF-PACE SVR──ライバルはポルシェ マカン

『F-PACE(ペイス)』は、100年近い歴史を持つイギリスの高級車ブランドであるジャガーにとって、初めてのSUVである。デビューは2016年。プレミアムSUVらしい流麗なボディライン、広いラゲッジルームを備える一方、高い走行性能を併せ持った実用的なリアルスポーツだ。2018年4月、そこへさらなる高性能モデルが加わった。5.0L V8スーパーチャージャー付きガソリンエンジンを搭載する最強グレード、『F-PACE SVR』である。

ジャガーのハイパフォーマンス部門が手がけた『F-PACE』の最強グレード

BMWにM社、メルセデス・ベンツにAMGがあるように、ジャガー・ランドローバーにもSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)というハイパフォーマンスモデル部門が存在する。「SVR」とは、このSVOが手がけたモデルに与えられるグレード名だ。

これまでも、ジャガーのピュアスポーツ『F-TYPE(エフ タイプ)』、ランドローバーの高性能SUV『レンジローバー スポーツ』などにSVRが設定されてきた。『F-PACE SVR』がスペシャルなモデルであることは、ボンネットにエンジン内の熱を放出するベントが設けられている点だけで理解できる。

パワーユニットは、『F-TYPE SVR』に搭載されるものと同型の5.0L V8スーパーチャージャー付きガソリンエンジン。ただし、スペックは『F-TYPE SVR』の最大出力575ps、最大トルク700Nmから、それぞれ550ps、680Nmへと若干引き下げられている。これはデチューンというより、けっして軽いとはいえないボディを引っ張るために「最適化された」と表現するのが正しい。

トップスピードは283km/h。2トン近いボディにもかかわらず、0-100kmをわずか4.3秒で駆け抜ける。

このパワーを路面に伝えるため、足元にはAWDシステムとアクティブ・ダイナミクス・サスペンションを装備。ダンパー&スプリングは専用セッティングが施され、スプリングレートは前後それぞれ30/10%アップされた。さらに、トラクション性能を得るために、電子制御デフ「リア・エレクトロニック・アクティブ・ディファレンシャル:EAD」を搭載。峠を走るときには、SUVとは思えないコーナリング性能を味わえるはずだ。

大径2ピース化された前後395/396mmのブレーキディスクは、ストッピングパワーだけでなく、冷却も配慮され、安定したブレーキングが可能となっている。これは重量級SUVを長時間走らせる際に必須となるアイテムだ。

専用のディテールにより“凄み”が増した『F-PACE SVR』のエクステリア

エクステリアは、フロントバンパーのエアインテークとサイドフェンダーベント(排気孔)が大型化され、ホイールアーチ内を減圧させると同時に揚力を減らし、高速走行時の安定性と冷却性能を向上させている。

前後バンパーはSVR専用だ。リアバンパーは、排気効率を高めた「バリアブル・バルブ・アクティブ・エキゾースト・システム」の左右4本出しテールパイプを取り囲むように配置され、サイドストレーキが両脇に追加された。テールパイプには専用スポイラーが接合されている。それらによりリヤ周りの“凄み”が増した印象だ。

サイドでは、サイドフェンダーベントと独自のホイールアーチエクステンションが目を引く。これらが低く構えたスパルタンなスタイリングを生み出している。

赤いブレーキキャリパーがのぞく足元には、21インチの軽量アロイホイールを装着。これは標準仕様で、オプションで22インチをチョイスすることも可能となっている。SVRがよりスペシャルとなる余白が残されているわけだ。

アルミニウム製パドルシフトで操るスポーツカーのそれのようなシフトアップ

インテリアは、重厚感のあるスリムラインスポーツシートを採用。フロントは側面のサポートが強化され、ダイヤモンドキルトパターンにエンボス加工を施した「SVR」ロゴがあしらわれている。

SVRステアリングホイールには、アルミニウム製のパドルシフトを組み合わせた。スポーツ・シフト・セレクターで操るクイックシフトトランスミッションは、これもSVR専用となるシフトスケジュールによって俊敏なシフトチェンジを可能としている。特にダイナミックモードのシフトアップは、まさしくスポーツカーのそれだ。

コクピットには10インチのタッチスクリーンと12.3インチのHDインストルメントクラスターを備えた「Touch Pro」インフォテインメントシステムを搭載し、最大8つのデジタルデバイスを4GのWi-Fiに接続できる。

室内のテーマカラーは、レッド(ジェットステッチ)、ライトオイスター(ジェットステッチ)、シエナタン(ジェットステッチ)、ジェット(ライトオイスターステッチ)の4種類から選ぶことが可能だ。

ドイツ勢が牽引するハイパフォーマンスSUVにイギリス車のジャガーが挑む

SVRの名を与えられた高性能グレードでも、SUVとしての実用性の高さは変わらない。標準モデルと同様に、リアシートを格納すれば最大650Lもの広さのラゲッジスペースが出現する。

圧倒的な動力性能による走りだけではなく、ジャガー・ランドローバーが持つオールテレーン性能も兼ね備えており、アウトドアでのアクティビティ、あるいは休日のゴルフや家族での旅行でも活躍してくれそうだ。

導入時期や価格は発表されていない。車格やそのスポーツカー顔負けのパフォーマンスの高さを考えると、ポルシェ『マカン』が最大のライバルとなるだろう。

ハイパフォーマンスSUVはドイツ勢が牽引するが、より高性能なSUVを求めるイギリス車ファンには『F-PACE SVR』が新たな選択肢となるに違いない。

Text by Taichi Akasaka
Photo by (C) Jaguar Land Rover Automotive PLC
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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