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第7回 | フェラーリの最新車デザイン・性能情報をお届け

メモリアルイヤーに発表された歴史的V8フェラーリ

フェラーリ初のミッドシップV8モデルである『308GTB』が誕生したのは1975年。それから、40年目となるメモリアルイヤーに発表されたのが、『488GTB』である。2009年デビューの『458』から正常進化したモデルで、「GTB」、グランツーリスモ・ベルリネッタの名称は、1985年デビューの『328GTB』以来、30年振りの復活だ。また、「488」という数字では、気筒あたりの排気量を車名にする伝統が甦った。

自然吸気と決別。タイムラグのないターボを採用

『488GTB』最大の話題は、そのエンジンにある。フェラーリと言えば自然吸気へのこだわりが強いが、新型エンジンは3902ccV8ターボを採用。最高出力670cv/8000rpm、最大トルクは760Nm(7ギア使用時)。トルクセッティングは使用するギアによって変化し、最適の加速を維持する。この可変トルク制御システムは、同じくV8ターボモデルの『フェラーリ カリフォルニアT』と同様だ。また、ターボ=タイムラグという印象をもつ人は多いと思うが、2000rpm時のアクセル・レスポンス・タイムはわずか0.8秒と自然吸気のようなスムーズさ。まさに「フェラーリならではのターボ」に仕上がっている。

デザインは『458』からキープコンセプト。とはいえ、そこは造形美に定評のあるフェラーリ。概ね『458』のテイストを継承しながら、細部にこだわることで最新のフォルムへと変貌した。なかでも特徴的なのが、彫刻的なサイドビューだ。目を引く大型のエアインテークは、V8の元祖である『308GTB』を意識している。ワイドなフロントスポイラーは、まるでF1マシンのノーズのようだ。

追求したのは、空力特性の最善化。センター部はディフレクターとの一体化を図った2つのパイロンがフラット・アンダーボディへの気流を促進させる。また、低さが際立つリア部には、空気抵抗を増やすことなくダウンフォースを獲得するブロウン・スポイラーと可変フラップを備えたディフューザーを採用。ディフューザー・エリアの高さを確保するために、エグゾースト・テールパイプのレイアウトも見直しが図られた。その結果、ダウンフォース及び空気抵抗削減は前モデルよりも50%も強化されている。

歴代最速のラップタイムを叩き出す動力性能

そして忘れてはならないのが、最新の電子制御やコントロールシステムだ。これは、フェラーリテクニシャン達が10年間、ジェントルマン・テストドライバーに向けたサーキット専用モデルの開発に取り組み蓄積してきた「XXプログラム」のノウハウを最大限活したもの。

新型エンジンと空力特性、最新のコントロールシステムから引き出されるパフォーマンスは、スタートから200km/hまでのを8.3秒で加速するという圧倒的なもの。フィオラーノ・サーキットでのラップタイム、歴代最速の1分23秒を記録した。特筆すべきは、この性能を引き出すパフォーマンスを、一般的なドライバーであっても、余すことなく引き出すことができる点だろう。

この走行性能を引き出すコックピットは随所がシームレスに統合。使い勝手の良さから、ドライバーを中心にデザインされていることがわかる。また、マルチファクション・ステアリングホイールやラップアラウンド・シートなど、クラシック・フェラーリのデザインが随所に織り込まれているのも特徴だろう。

F1はもちろん、WECやル・マン24時間から得たレース技術が惜しみなくつぎ込まれた『488GTB』。ターボエンジンの採用で、新たな時代に突入したV8フェラーリとして、歴史に残る1台となることは間違いない。

Text by Tsukasa Sasabayashi

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