40男のMemories/デヴィッド・リンチが描くデュラン・デュランの世界 (c)2013 Magnus Entertainment, LLC. All Rights Reserved
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デヴィッド・リンチが描くデュラン・デュランの世界

デュラン・デュランといえば、1980年代のロンドンで巻き起こった音楽ムーブメント“ニューロマンティック”を代表する40男おなじみのポップバンド。学生時代、あまり洋楽に明るくなかったという方でも『Girls on Film』や『Rio』『Ordinary World』『Planet Earth』そして映画『007/美しき獲物たち』のテーマ曲『A View to A Kill』などを聴けば、きっと心当たりがある曲がひとつやふたつあることでしょう。そんな彼らのライブを『ツイン・ピークス』や『マルホランド・ドライブ』で知られる映画界の奇才、デヴィッド・リンチがディレクションしたのが、映画『デュラン・デュラン:アンステージド』です。

リンチも出演、前口上でライブを盛り上げる

1978年に結成され80年代を一気に駆け抜けた、ように見えるデュラン・デュランですが、実はメンバーチェンジや低迷期を迎えながらも、まだまだ第一線で活動する現役バンド。しかも2011年発売の新作アルバム『All You Need Is Now』は、英国チャートでCD売上げ11位、iTunesではなんと1位をマークと、往年に引けを取らない高い人気を集めています(2015年も新譜をリリース予定)。 映画の舞台となったのは、その新作アルバムをひっさげて挑んだ「アンステージド」でのLA公演。「アンステージド」とはアメリカン・エキスプレス主催のオンラインコンサートシリーズで、その配信映像はテリー・ギリアムやゲイリー・オールドマン、スティーブン・ブシェミなど著名な映像作家が手がけることでも話題を集めています。 そのデュラン・デュランの配信を担当したのが、自らも音楽活動をおこなっているデヴィッド・リンチ。冒頭からいきなり監督自らが登場し、おなじみの甲高い声で観客をアジテーション。いきなり見世物小屋のようなリンチワールドへと観客をいざないます。

MTV時代の寵児と映画界の奇才が起こす化学反応

配信映像もモノクロやローファイな色味を多用した、リンチ色をしたそれ。楽曲に応じて、リンチが用意した不穏なイメージ映像が重ね合わされるため、ひとときも目を離すことができません。そういえば、デュラン・デュランももとはといえば80年に隆盛を誇ったMTV時代の寵児。映像への執念を考えてみると、リンチとのコラボも自然のことと言えるのかもしれません。 かたやセットリストは冒頭で挙げた往年の名曲はもちろんのこと、新作からも多数披露。また、マイ・ケミカル・ロマンス(当時)のフロントマン、ジェラルド・ウェイとの『Planet Earth』や、ゴシップのヴォーカル、ベス・ディットーとの『Notorious』など、豪華ゲスト陣との共演にも注目です。 リンチやゲストアーティストとのコラボによって、懐かしさより新しさを感じさせるデュラン・デュラン。今年9月には、ナイル・ロジャースをはじめ元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテといった豪華アーティストとの共演がすでに話題の最新アルバム・リリースが予定されているなど、いまだ現役の活躍をみせています。その点では、本作も40男もいつまでもとんがっていなくては…と思わせてくれる一本。現在、全国の映画館で順次公開が予定されていますが、ライブ会場さながらの劇場の興奮を自宅にも持ち帰りたいはず。発売日などの情報はまだですが、ぜひともDVD化が待たれるところです。

●上映館(2015年5月末現在)
宮城県仙台市 フォーラム仙台
福岡県福岡市 TOHOシネマズ天神(6月6日より)

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