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- 体調を変えたいなら、40代からの体質改善 -

眠気で無駄にしていない? 朝からスッキリ目覚められる5つの方法

「春眠暁を覚えず」とはよく言ったもの。暖かな春を迎えると、つい眠気を誘わることが増えてくる。特に40代の男性たちの中には、日頃蓄積された疲れも相まって「朝スッキリ起きられない」「寝ても疲れが取れない」とお悩みの方もいるだろう。しかし、責任ある仕事を持つ40代男性が新年度を迎えて早々寝坊をしてしまう…なんてことがあってはならない。そこで、朝からシャキッと目がさめるための方法を、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生に提案してもらった。

■今回のアドバイザー
医師
梶本修身

東京疲労・睡眠クリニック院長。医学博士。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。疲労回復、睡眠の専門家として、「マンガでスッキリ!疲れを取るなら脳を休めなさい」(永岡書店)など著書多数。「すべての疲労は脳が原因Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」(集英社)は、累計18万部を突破。その他、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「この差ってなんですか?」(TBS)など、テレビをはじめとした各種メディアでも活躍中。

朝の眠気を吹き飛ばすカギは、自律神経の負担を減らすこと

朝スッキリと目が覚めないという人は、眠気や疲労感を引きずってしまい午前中のパフォーマンスが鈍りがち。オンの日もオフの日もフルに活動できるスッキリとした目覚めを手に入れたい人は、「自律神経」に負担の少ない目覚めの方法を試してみるべき、と梶本先生は語る。

梶本先生「朝にスッキリと目覚められないという人は、自律神経が乱れている可能性があります。実は、自律神経は加齢によって働きが衰えていくもの。40歳の自律神経機能は、10歳代と比べると半分程度にまで低下すると言われています。40代の男性が朝から気持ちよく活動するためには、自律神経に負担をかけないよう体を目覚めさせる工夫が必要なのです。寝起きに活力を感じられないという方は、朝の目覚めが変わる次の5つの方法を試してみてください。

①起きてすぐにベッドから出ずに、ベッドの上でゴロゴロする
出かける時間のギリギリまで寝ていたり、目を覚ますために起きてすぐに朝の散歩や運動をしたりする人もいるかもしれません。しかし、目覚めて直ぐの状態では自律神経はまだ完全には機能できないもの。心拍や血圧の調節がうまく機能せず、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めてしまいます。心地よく安全に目覚めたいなら、頭が覚醒するまでベッドの上でゴロゴロしておくべきなのです。

②ベッドから出たら、トイレの後に水分を補給する
人間の体からは知らずのうちに水分が失われ続けています。睡眠中も寝汗やトイレなどで水分は失われるため、無自覚のうちに脱水状態になってしまうことも。脱水状態は自律神経にとっては大変な負担。喉の渇きを感じていなくても、トイレの後には必ず水分を補給するようにしてください。自律神経が整い、朝目覚めた時の感覚が違ってくるはずです。寝る前は水分を控えているという人も、寝る前にコップ1杯程度の水分はとることをお勧めします。

③外出の30分以上前に朝食を摂る
朝食を摂って消化管運動が刺激されると、セロトニンの分泌も活発になり自律神経が目覚めます。朝食を摂る習慣がないという人は、すぐに改めましょう。ただし、食べ過ぎには要注意。消化をコントロールする自律神経に却って負担となってしまうため、腹八分目を守ってください。

④朝一番にカーテンを開けて陽の光を取り込む
朝に光を浴びると、セロトニンという目が覚める効果のあるホルモンが分泌され、睡眠中のリラックス状態で副交感神経優位だった自律神経が活動的な交感神経に切り替わります。窓から差し込む太陽の光は直射日光である必要はありません。レースのカーテン越しなどでも、目に光が届くことで脳が朝を認識。自律神経が目覚めてくれます。毎日陽の光を浴びてセロトニンが朝に分泌されると、目覚めがスッキリするだけでなく、その14~16時間後に眠気を促すメラトニンが分泌されるため寝つきも良くなります。結果、自律神経のサイクルが整い睡眠の質が高くなるので、疲れを引きずらない体に変化していく嬉しい効果も感じられるでしょう。

⑤目覚まし時計の爆音で起きない
会社などの用事に遅れることの無いよう、目覚まし時計のアラームを活用している人は多いでしょう。しかし、目覚ましの大きなアラーム音で『ビクッ』と起きるのは、リラックスした状態の体を急激に臨戦態勢に切り替えることになり、自律神経への大きな負担となってしまいます。爆音のアラームはすぐにやめて、徐々に明るくなる照明や、寝る前にカーテンを少し開けておいて太陽の光が差し込むようにするなど、ビックリしない穏やかな目覚ましの方法を選びましょう」

爽やかな目覚めを妨げているのは「隠れ◯◯◯」かも?

スッキリと目が覚めるためには、良質な睡眠がとれていることが大前提。睡眠時の「あるトラブル」を解決することで、目覚めが劇的に変化するケースが多いのだそう。

梶本先生「朝の目覚めに問題を抱えている場合、実は『いびき』が原因かもしれません。いびきをかいていると、ぐっすり眠っているように思いがちですが、むしろ逆。いびきは睡眠の質を大きく下げ、慢性疲労を引き起こします。

いびきは、舌の根やのどの筋肉が下がって気道を圧迫することで生じます。気道が狭くなると呼吸をするにも普通よりエネルギーが必要になるうえ、脳の低酸素状態をカバーするために自律神経がせっせと働いて心拍と血圧を調整します。つまり、いびきをかくと、睡眠中なのに運動しているような状態になり、疲労を回復するどころか、ますます疲れてしまうのです。そのため、いびきをかく人はスッキリと目覚められないことが多いのです。

ガーガーと、はっきりいびきとわかる音が出ていなくても安心はできません。40代になり咽頭部の筋肉がゆるんでいる人の中には、ただの寝息のように聞こえる音が実はいびきで、脳が激しい酸素欠乏の状態に陥っている『隠れいびき』の場合もあります。朝起きて4時間後にもう睡魔がくるような場合は、隠れいびきで睡眠の質が落ちている可能性アリ。睡眠を専門とするクリニックを受診して『簡易型PSG検査』を受けてみましょう。自宅で腕時計のような端末を装着して眠るだけで、いびきの量や無呼吸、さらに睡眠の質も調べることができます。

また、いびきは、寝る姿勢を横向きにするだけで、8割程度の方でいびきの量が半分程度に減少します。抱き枕を使って横向き寝をしたり、横向きの姿勢にフィットする枕を選んだりすると、いびきが改善され睡眠の質が上がり、スッキリとした目覚めを感じられるはずです」

パワーみなぎる朝を迎えられるようになれば、仕事の効率化や余暇の充実など、デキる男としての能力も上がりそう。眠気に負けて大切な朝の時間を無駄していてはもったいない。自律神経の老化に抗い良質な目覚めを手に入れることは、能力のある40代男性の課題なのだ。

最後にアドバイザーからひと言

「睡眠の質を調べる『簡易型PSG検査』は、健康保険適用3割負担なら3千円程度で受けることができます。質の良い睡眠をとって自律神経を整え、スッキリとした目覚めを手に入れてください」

Text by Takumi Arisugawa