メディア個別 ストレスの原因を紙に書き出すだけ! 「メンタフダイアリー」で心がタフになる | editeur エディトゥール

editeur

検索
第41回 | 肩こり・腰痛・不眠 40代に効果的な疲労回復術

ストレスの原因を紙に書き出すだけ! 「メンタフダイアリー」で心がタフになる

責任のある仕事や多忙なプライペートに、40代男性の毎日は目まぐるしく過ぎていく。ストレスを感じる出来事が起こっても、頭痛やめまいなどの症状が出ない時には、病気ではないからと我慢したりやりすごしたりする場合もあるだろう。そんなストレス過多な日々のなか、手軽な方法でメンタルをタフにしてくれるある方法が注目を集めている。その方法は、「日記をつけること」。必要なのは紙と鉛筆だけという「メンタフダイアリー」の実態について、ライフバランスマネジメント研究所代表の渡部卓さんに伺った。

■今回のアドバイザー
ライフバランスマネジメント研究所代表
渡部 卓(わたなべ たかし)

帝京平成大学現代ライフ学部教授、ライフバランスマネジメント研究所代表、産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ。1979年早稲田大学卒業。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院でMBA取得。複数の企業勤務を経て2003年会社設立。職場のメンタルヘルス対策、ワークライフコーチングの第一人者。著書に「折れない心をつくる シンプルな習慣」(日本経済新聞出版社)など多数。

ストレス社会を生き抜くために、「メンタルタフネス」な人を目指そう

ストレスの多い現代社会では、まず何よりもストレス耐性の高さが強みとなる。そんなストレスに強い人のことを「メンタフ」(メンタルタフネスなひと)と名付けたのは、ライフバランスマネジメント研究所代表の渡部卓さん。渡部さんが「メンタフ」になれる簡単な方法として提唱しているのが、「メンタフダイアリー」だ。

渡部さん「ストレスには様々な種類がありますが、その受け止め方はひとつではありません、例えば、尊敬できる上司から叱られた時は、一時的にはストレスを感じて落ち込むものの、すぐにその反省を活かして行動するでしょう。しかし、嫌いな上司から叱られた時には、多くの人が怒りや苦痛を感じたまま素直に反省できず、不眠やうつといったストレスの症状が出てしまうものです。このような怒りや不安について、日記のようなメモで残しておくのが『メンタフダイアリー』なのです。

『ストレスに感じた出来事をメモしておくなんて、読み返した時にますます落ち込んでしまうのでは?』と疑問に思われる方がほとんどでしょう。しかし、メンタフダイアリーを習慣づけて実行していくと、ストレスが軽減することが国際的な調査や研究でもわかっています。コーチングやカウンセリングでメンタフダイアリーを活用する事例も増えてきているんですよ」

紙とペンがあれば準備はOK。ストレスを書き出して客観視しよう

メンタフダイアリーの具体的な方法は次の通り。

渡部さん「ストレスを感じる出来事が起きたら、紙と鉛筆を用意します。筆記用具が準備できたら、次のように進めてください。

① タイトルをつける
ストレスを感じた出来事にタイトルをつけます。『A部長の嫌味にまいった』のように簡単な一行でかまいません。日付も記しておきましょう。

② 状況を記述する
簡単で構わないので、どんなストレスだったのかの状況を書き出しましょう。『また今月も営業目標に未達だった。今日の営業会議でA部長に、○○君はのん気でうらやましい、少しは営業成績に本気になってくれよ。と嫌味を言われた』など。ここでは客観事実だけを記述します。メモ用紙に2,3行でよいです。

③ 感情を3つのワードで表し採点する
ここが最も大事なポイント。その出来事が起きた時に湧き上がった自分の感情を、3つ以内で書き出します。そして、その感情の度合いを10段階で採点して記入します。例えば、『怒り=8点、落ち込み=7点、不安=7点』という感じです。難しく考えずに、主観で点数をつけてください。メンタフダイアリーの付け方は、これで一旦終了です。 

④ メンタフダイアリーを見直し修正する
数日〜1週間程度過ぎたら、同僚になったような冷静な気持ちでメンタフダイアリーを見直してみましょう。そして、自分が当時つけた3つの感情の点数を、赤のボールペンで修正してみます。不安やうつなどのネガティブな感情のスコアが、7~8割程度に改善していると思います。

⑤ 修正した理由を記述する
なぜ最終的にその点数になったのか、修正した理由を1,2行で簡単に記述します。例えば、『A部長自身もあの嫌味発言を気にしたのか、その後は何も言ってこない。あんな発言を繰り返していたらハラスメントと言われる時代なのを自覚しているのかもしれない。まあ、そんなに気にする必要は無い。こっちが損するだけだ』といったようにです」

改善すべきなのは、「ストレスの原因」ではなく「捉え方」

驚くほど簡単な方法だが、本当にうつや怒りは軽減するのだろうか? メンタフダイアリーがストレスを軽減させるメカニズムについて、渡部さんは次のように解説する。

渡部さん「辛い出来事があった時、時が過ぎれば忘れるという、いわゆる『時薬(ときぐすり)』を頼りにする人も多いと思います。時薬は失恋などの単発のストレスにはよく効きますが、職場での失敗など比較的繰り返し発生するネガティブなストレスに対しては、処理が追いつかないのが実際のところです。つまり、メンタフになるためにはまず、ストレスの受け止め方の癖自体を変えることが必要。ある種のストレスに対しの捉え方が客観的であるということが、『ストレスに強いメンタルタフネスな人たち』の心理構造なのです。

ストレスを客観的に受け止められるようになるためには、怒りやうつといった『ストレスを感じた結果の感情』にばかり目を向けず、『ストレスを感じた事象』について自分の解釈が合理的かどうかをチェックする習慣が大切です。このチェックの作業こそが『メンタフダイアリー』なのです。ストレスを感じた出来事を単純化して記録に残すことで、ストレスの捉え方の癖を改善できます。

『オリンピック会場には魔物が住んでいる』というフレーズを耳にすることがありますが、この魔物の正体についてフィギュアスケートの羽生選手は『魔物は会場にいるのではなく、失敗したら終わりだと解釈している自分の心(認知や解釈)の中に住んでいる』とテレビのインタビューで答えています。この魔物をメンタフダイアリーで見つめ直し、自分の心を鍛えていきましょう。日々のストレスを抱えてうつ状態になってしまったようなケースでも、メンタフダイアリーを書き続ける習慣によりうつ状態脱却できたり、ネガティブな性格が前向きに変化したりといったケースは非常に多いです」

メンタフダイアリーは習慣付けることで、脳が自動的にストレスを溜め込むような解釈や認知を修正するようになってくるそう。一度自動補正が効くようになれば、メンタフダイアリーをやめてしまってもそのメンタフ効果は持続するという。ストレスに悩まされているという人は、「日記はつけたことが無い」「めんどうくさい」といった先入観を捨てて、メンタフダイアリーを試してみては?

最後にアドバイザーからひと言

「メンタフダイアリー はストックして時折見直してください。紙と鉛筆でなくても、スマホやパソコンにメモをしてストックしてもOKです」

Text by Takumi Arisugawa

関連リンク
ライフバランスマネジメント研究所

editeur

検索