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第19回 | フォルクスワーゲンの最新車デザイン・性能情報をお届け

フォルクスワーゲンup! GTI──操る悦びを思い出せ

ホットハッチの醍醐味は、小さく軽いボディによる軽快な走りにある。スーパースポーツのようなハイパワーは必要なく、ほんの少しの高出力と引き締められたサスペンションがあればそれでいい。“ほどほど”だからこそ、日常のドライブが愉しめるのだ。軽快なホットハッチの代表格はアバルト『595』やルノー『トゥインゴGT』だが、そこにもうひとつ魅力的な選択肢が加わる。フォルクスワーゲン『up! GTI』をエントリーモデルのスポーツ仕様と侮ってはならない。「初代ゴルフGTIの再来」の呼び声も高い、玄人好みのホットハッチなのである。

待ち望まれていた「最も小さなフォルクスワーゲン」のスポーツモデル『up! GTI』

フォルクスワーゲン『up!』は、2012年に登場したコンパクトモデルで、Aセグメントに属する「最も小さなフォルクスワーゲン」だ。

その持ち味は、シンプルで実用的なデザインと装備、そしてパワフルではないものの、高速でも抜群の安定感を誇る走行性能にある。

しかし、EV(電気自動車)の『e-up!』を除けば、従来のラインナップには1.0Lの自然吸気ガソリンエンジンしか選択肢がなく、スポーツモデルの登場が待ち望まれていた。そこへ満を持して登場したのが『up! GTI』だ。

『up! GTI』の特徴は大きくわけて2つある。まずひとつは、走りを重視する「GTI」の名が示すように、「ターボ化されたエンジンと強化された足回り」である。

軽量ボディの『up! GTI』を6速MTで操って、“ファン・トゥ・ドライブ”を愉しむ

搭載されるエンジンは3気筒1.0Lターボで、最高出力85kW(114ps)、最大トルクは20Nm(20.2kgm)。そう聞くと「たったの114ps?」と思われるかもしれないが、『up!』が「最小のフォルクスワーゲン」であることを忘れてはいけない。

全長3600×全幅1645×全高1478mmのボディは、国産車でいうとトヨタ『ヴィッツ』と軽自動車の中間的なサイズで、車重はわずか1070kgしかない。

一方、最高出力114psは通常モデルのおよそ4割増しで、最大トルク20Nmは同2倍以上だ。このスペックは充分すぎる動力性能をもたらし、しかもトランスミッションは6速MT。こんなクルマを操るのは、まぎれもなく“ファン・トゥ・ドライブ”だ。

足回りには、バネやダンパーのみならず、サスペンションアームの剛性にまで手が入れられており、「軽快」「俊敏」といった言葉がふさわしい走りを見せてくれるに違いない。

なお、『up! GTI』が搭載する1.0Lターボは、ガソリンエンジンとして初めてGPF(ガソリンエンジン用排ガス粒子フィルター)を装着するエンジンとなる。ホットハッチとはいえ、環境性能にもぬかりはないのだ。

「フォルクスワーゲンR GmbH.」が開発したAセグとしては異例に大きいホイール

もうひとつの特徴は「伝統的なカスタマイズが施された内外装」だ。エクステリアでは、兄貴分の『ゴルフGTI』や『ポロGTI』と同じく、赤いアクセントの入るフロントグリルと大径のホイールが「GTIらしさ」を印象づける。

モータースポーツの舞台で活躍する「フォルクスワーゲンR GmbH.」が開発したホイールは、Aセグメントとしては異例に大きな17インチ。このホイールからのぞくのは、『up!』では初採用となる15インチの大径ブレーキで、レッドのキャリパーが走りを予感させる。

面積の多くをブラックのパネルが占めるバンパーやサイドデカール、小ぶりのルーフスポイラーは「GTI」の専用品だ。もちろん「GTI」のエンブレムも装着された。

ドアを開けると、初代『ゴルフGTI』で採用され、以来「GTIの伝統」となっているチェック地のシートがまず目に入る。シートに腰を下ろせば、そこにあるのは『ゴルフGTI』『ポロGTI』と共通の「Dシェイプ」ステアリング、さらに黒地に赤のグラフィックがプリントされるダッシュボードパネル。それらが特別な『up!』であることを示している。

球形のシフトノブは、『up! GTI』が6速MTで操るクルマであることを教えてくれる。ちなみに、ATの設定はなく、日本にもMTモデルが導入される。

『up! GTI』のベンチマークは初代『ゴルフGTI』、上陸した際には必ず試乗すべき

『up! GTI』が目指したのは、現行の『ゴルフGTI』や『ポロGTI』の弟分ではない。じつは、1976年に発表されたホットハッチの元祖、初代『ゴルフGTI』をベンチマークに開発されたクルマなのだ。

実際、初代『ゴルフGTI』と『up! GTI』は、ボディサイズやエンジンパワーの数値が非常によく似ている。

『ゴルフGTI』は、ホットハッチを象徴する存在である。しかし、現行モデルは高性能であるがゆえに、日常ではそのパフォーマンスがやや過剰に感じられることがあるのも事実。昔のホットハッチを知るファンのなかには、「初代ゴルフGTIの愉しさが忘れられない」という人が多いのかもしれない。

『up! GTI』はそう遠くないうちに日本へ導入される見込みだ。価格は250万円を下回るだろうか。そのときは、初代『ゴルフGTI』を知る人はもちろん、ハイパワーのスポーツカーを所有する人も試乗してみるといいだろう。

きっと忘れてしまっていた“ファン・トゥ・ドライブ”を思い出すはずだ。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Volkswagen AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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Volkswagen up! GTI オフィシャル動画

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