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第10回 | 相談しにくいセクハラ・パワハラ対策【初級編】

セクハラ示談金の相場──社会的地位が高いと300万円超えも

周囲に知られた場合、社会的地位を失うおそれもあるセクハラ問題。加害者とされた側は、事の真相はさておき、裁判沙汰になる前に示談で済ませてしまいたいと考えることもあるだろう。しかし、その選択は正しいものなのか? セクハラ騒動における示談金の相場とともに、示談を選ぶメリットやデメリットを専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
弁護士法人ITJ家庭法律事務所 弁護士
飯塚恵美子さん

東北大学法学部卒業。東京弁護士会所属。離婚や相続など、家庭問題を主として扱うITJ家庭法律事務所の代表弁護士。

示談の受け入れにはメリット、デメリットの両面が。まずは弁護士に相談すべき

いわゆる「白黒」の判断をつけるのが難しい場合が多いセクハラ被害。加害者とされた側が、裁判に持ち込まれる前に示談を受け入れるメリットは、どこにあるのだろう?

飯塚さん「加害者とされた側が示談を受け入れるメリットは2つあると考えられます。ひとつは刑事事件になりえるセクハラ行為の場合、検察官が起訴猶予(不起訴)を選択する理由になりえるということ。また、起訴されたとしても処分が軽くなる可能性があります。もうひとつは、被害者に守秘義務を課すことにより、加害者の社会的地位を保つことができる点です。勤務先などで問題とされ、失職などを避けることができます。

反対に示談を受け入れるデメリットもあります。金銭的な負担が掛かることはもちろんですが、セクハラ行為を認めていない場合、セクハラがあった事実を推認させる証拠のひとつとなってしまうからです。そのため、直接相手と連絡を取って示談を進めるのは危険です。不利益を得ないために、まずは弁護士に相談することをオススメします」

セクハラ示談金は、加害者の社会的地位が高い場合には300万円を超えることも

示談金は、セクハラ行為の内容、証拠の有無、加害者と被害者の関係、社会的地位など、様々な要因が考慮されて決まるため、案件によって金額はかなり変わってくると飯塚さん。その点を踏まえ、目安となる示談金の相場を教えてもらった。

飯塚さん「卑猥な言葉を投げかける、服の上から胸を触るなど、一般的に考えて軽微な内容で刑事事件になる可能性が低いセクハラは、50万円までで示談できることが多いと言えるでしょう。

一方で、服を脱がせて直接体に触るなど、刑事事件になりえるセクハラであり、なおかつ被害者が退職するほど精神的なダメージが大きい場合は、100万円を超えてくるようなケースも考えられます。さらに加害者側の社会的地位が高いと、300万円以上になるケースも珍しくありません。

このように、セクハラ行為の内容に加え、加害者の経済状況や社会的地位も示談金の額を大きく変動させる争点になりうるのです」

示談書には、守秘義務違反を犯した際に『違約金を支払うこと』を定める

実際に加害者とされた側が示談を受け入れた場合の用心すべきポイントはあるのか。飯塚さんは示談書の内容に注意が必要だという。

飯塚さん「まず、示談書に『宥恕する(罪を許す)』という文言を入れてもらうようにしましょう。この言葉があると検察官が起訴猶予を選択する理由になるため、刑事事件になりえるセクハラの場合は必須です。

また、『他人に口外しない』という守秘義務を課すことも重要ですが、加えて守秘義務違反を犯した際は『違約金を支払うこと』を示談書で定めておくのがベストです」

最後にアドバイザーからひと言

「セクハラは、示談金目当ての冤罪も増えています。もし、見に覚えのないセクハラで訴えられた場合は、泣き寝入りせず、まずは弁護士に相談しましょう」

Text by Katsuya Hokonoki(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

取材協力
ITJ法律事務所

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