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- 有事に備える。不倫のダメージ軽減法 -

やはり気になるお金の問題。不倫による慰謝料決定の流れは?

自身の不倫が発覚した際、家族や社会からの信用が低下するリスクに加え、気になってくるのが「慰謝料」の問題だろう。不倫が原因で発生する慰謝料は、どのような手順で金額が決定されることになるのか。請求から支払いまでの手順について、専門家の意見を聞いた。

■今回のアドバイザー
弁護士
高畑富大さん

西村綜合法律事務所所属の弁護士。第二東京弁護士会登録。

不倫の状況によって慰謝料の支払い先が複数になる場合もある!?

まず覚えておきたいのが「慰謝料は誰に支払うものなのか」ということ。夫の不倫が発覚した際に支払うことになる慰謝料というと、妻に対して支払う場合のみ想定しがちだが、高畑さんによれば、慰謝料の支払いは妻だけに限らないという。

高畑先生「自分が既婚者だということを隠して独身女性と交際していた場合は、『ウソをつかれていた』という理由から、自分の配偶者はもちろん交際相手の女性からも慰謝料を請求される可能性があります。

一方、W不倫の場合は、自分の配偶者と、不倫相手の配偶者の二人から慰謝料を請求されることも考えられます。実際に相手が請求してくるかはそのときになってみないとわかりませんが、請求される可能性は十分にあるということを覚えておくべきでしょう」

150万円程度の慰謝料で決着がつくのなら、即座に応じたほうが合理的という考え方も

次に気になるのは、慰謝料の目安だ。高畑さんによれば、提示された金額によって裁判に持ち込むべきか否かの判断ができるという。

高畑先生「請求された側に支払い能力があれば、慰謝料の支払いにすぐ応じて、やり取りが終了するといった場合も多くあります。一般家庭の場合、慰謝料の上限は200万円程度ですが、不倫の悪質さや収入、夫婦間の状況などで増減します。W不倫の場合でも同様で、相手の配偶者、自分の配偶者、どちらも上限は200万円くらいと考えておけば良いでしょう。

法律家としての立場からみれば、話し合いを通じ100万円から150万円くらいの慰謝料で決着がつくようであれば、すぐに応じたほうが合理的と考えることができます。もし、それ以上の金額を提示され、なおかつとても支払えないような金額だった場合には、裁判に持ち込んでも良いでしょう。裁判になると時間はかかりますが、判決をもらうことで最終的には、100万円程度で決着される場合が多いからです」

養育費やそのほかの支払いが生じる場合は公正証書を作るのがベター

交渉や裁判によって支払うべき慰謝料の金額が決定したら、最後に証拠となる書類を取り交わすことになる。この場合「合意書」または「公正証書」を作るのが一般的だが、この2つの書類はどう違うのだろうか?

高畑先生「合意書と公正証書には、明確な違いがあります。公正証書を作る場合、通常は強制執行認諾文言といって『支払わなければただちに執行に服する』という文言を入れるため、養育費や慰謝料の支払いを怠れば、すぐに給料の差し押さえなどの強制執行を受けることがあります。

合意書の場合は、裁判所に判決をもらったあとでなければ、強制執行を受けることはありません。簡単に言うと、養育費の支払いがない場合や、支払う人間の信用力が高い場合は、合意書のみで終わることもありますが、一般的には、公正証書を作ることが多いといえます」

最後にアドバイザーからひと言

「養育費や慰謝料の支払いを怠ると、給与や預金の差し押えを受けるリスクがあるのでしっかりと支払うことをオススメします」

Text by Shimano Miho(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)