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第7回 | ピークの前に知っておきたい!花粉症の最新対策

素朴な疑問。花粉症を「治す」ことはできるの?

日本人の「国民病」と呼ばれるほど、多くの人が悩まされている花粉症。症状を和らげるための対処法は様々なものが知られているが、風邪や怪我のように花粉症が「完治」したという人の話を聞いた人は少ないのでは? はたして花粉症は「治す」ことのできる病気なのだろうか? 専門医の意見を聞いた。

■今回のアドバイザー
大和高田市立病院 小児科
清益功浩さん

医学博士。日本小児科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医・指導医。現役医師として多くの人々に正確な情報を提供するため、さまざまなメディアでも活躍中。

4人に1人が悩まされている花粉症。一度発症したら、完治は難しい?

日本では、4人に1人が発症しているといわれる花粉症。完治する可能性はどれくらいあるのだろうか?

清益さん「毎年、くしゃみや鼻水、頭痛などの重い症状に悩まされる人がいる一方で、一生発症しない人もいる花粉症。発症率から症状の現れ方、治癒の可能性に至るまで、個人の免疫や遺伝、環境による影響が大きいため一概には言えませんが、基本的には、花粉症は一度発症したら一生付き合っていくもの、と考えるのが無難です。ごくまれに、ホルモンバランスや体質の変化によって、自然に症状が軽減されていく人もいますが、たまたま花粉の飛散量が少ない年や時期に症状が出なかっただけという可能性も。翌年、再び症状が現れるパターンも多いため、完治したかどうかを判断するのは難しいのです」

高齢者の花粉症は10人に1人…加齢によって症状が収まるパターンも?

自然治癒はごくまれという花粉症だが、加齢によって、症状が軽減されていく可能性もあるらしい。

清益さん「スギ花粉症の有病率を年代別に見ると、30〜39歳は35.5%、40〜49歳は39.1%ですが、60〜69歳になると21.8%、70歳以上は11.3%と、年齢とともに減っています。これは、一般的に加齢によって免疫力が低下し、花粉のアレルギー反応を起こさなくなって症状が軽減していくためと言われています。一方で、高齢になってから発症するパターンもあるため『今さら、花粉症にはならないだろう』という油断は禁物。また、花粉症の患者数は年々増加しており、1998年には全体で16.2%だった有病率が、2008年には26.5%に増加。そのため今後は、高齢者の割合も増えていく可能性もあります」

体質そのものを変える「免疫療法」。5年間症状が出なければ“完治”の可能性も

とはいえ、できれば働き盛りのうちに花粉症の症状とはオサラバしたいもの。なんとか、花粉症を完治させる手立てはないのだろうか。

清益さん「花粉症の治療には、くしゃみや鼻水などの特定の症状に対する対処療法のほかに、体質を改善して症状を抑える『免疫療法』があります。これは、アレルギーの原因物質を毎日体内に摂り入れることで、花粉に対する体のアレルギー反応を根本から抑える治療法のこと。2〜5年間治療を続けることで、症状が軽減されていく場合が多数です。おおむね5年ほど、花粉症の症状が現れなければ完治したと考えてもいいかもしれません」

最後にアドバイザーからひと言

「花粉症の有病率は環境によっても大きく左右されます。北海道や沖縄には数%しかいませんが、最も有病率の高い山梨県では44.5%もの人が花粉症です。成人してから、移り住んだ先で発症するケースもあるようです」

Text by Mai Tachikawa(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

取材協力
大和高田市立病院

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