長野・善光寺御開帳 遷座式
- 40男が嗜む逸品 -

長野県で貴重な機会にふれる旅 〜善光寺御開帳〜

今年は長野の春が大賑わいである。七年に一度おこなわれる善光寺の御開帳の年だからだ。前回は、およそ673万人の参拝者が御開帳に詣ったという。今回は4月5日から5月31日まで続く御開帳の期間、善光寺周辺はお祭り騒ぎとなる。2回に渡り紹介する長野の旅、第1回は御開帳期間の善光寺を紹介する。

「遠くとも 一度は詣れ善光寺 救い給うは 弥陀の誓願」 誰しも一度は耳にした故事ではないだろうか。善光寺にお詣りするのであれば、御開帳期間に詣ることを薦める。善光寺は飛鳥時代に創建された約1400年の歴史ある無宗派の寺である。御本尊の「一光三尊阿弥陀如来」は、仏教が百済から日本に伝えられた時に渡来した、日本最古の仏像といわれている。誰もその姿を拝むことができない秘仏ということで、鎌倉時代に御身代わりの「前立本尊」が造られた。今年行われるのが数え年で七年に一度、前立本尊を御宝庫から本堂に遷して、毎朝厨子の扉が開かれ、人々が参拝できる儀式が善光寺御開帳である。 長野・善光寺御開帳 中日庭儀大法要 善光寺御開帳、中日庭儀大法要の様子 御開帳の頃は善光寺の近くまで車で行くのは難しいほど混雑している。長野駅まで電車を利用するほうがいい。駅に降り立つと、街全体に活気がみなぎっている。駅から寺までの距離は約2km程度なので、バスや車を利用するより徒歩で向かうことを薦める。肌に感じる街の空気感が気持ちを盛り上げてくれるからだ。駅から寺まで続く参道を進む。参道の脇道に目をやると宿坊が建つ。どの宿坊も利用者で満員御礼といった様子だ。善光寺参道周辺には39の宿坊があるのだとか。 最勝院 善光寺に一番近い宿坊の最勝院 ご本尊は薬師如来 仁王門から山門までの仲見世通りには「すや亀」や「よしのや」といった老舗の味噌屋、蕎麦、善光寺七味唐辛子など、食事処や土産物屋が軒を連ねており、店に立ち寄るのも楽しい。 長野・善光寺 仲見世通り 仁王門から山門下まで続く参道の石畳は7777枚敷かれているとか 目前には国の重要文化財に指定されている山門が見えてくる。その手前から、回向柱(えこうばしら)を触る列がなしている。山門を超えると、本堂前に立つ、高さが約10mある回向柱が参拝者の頭の間から、にょきっと伸びるように見える。 回向柱は前立本尊の御右手と「善の綱」によってつながるため、回向柱に触れることは前立本尊に触れることと、同じご利益があるといわれている。 長野・善光寺 回向柱 善光寺本堂前の回向柱 お詣りするのに行列をなす しかしながら、昼前に到着すると前立本尊を拝むどころか回向柱までの列も長い。早朝に行けば、この列も少しは短いのだが……。簡単に極楽往生のご利益を頂ける訳がないものだ。 南向きに建てられた善光寺の阿弥陀様は極楽往生を願う。対して、向かい合うように北向きに建てられた北向観音は現世利益を願う。向き合っている両寺院をお詣りすると「両詣り」といわれるようになった。北向観音は善光寺から車で約46kmの距離に位置する別所温泉にある。この温泉地には、訪れるべき大正ロマン漂うシックな宿がある。2回目は静寂の温泉地に佇む宿「花屋旅館」を紹介する。

Text by Junko Kurita

・宿坊についてのお問い合わせは、善光寺事務局内にある善光寺宿坊組合へご連絡(電話番号:026-237-7676 )ください。 TOP image:善光寺御開帳(前立本尊御還座式) 写真提供:善光寺御開帳(C)善光寺 最勝院(C)最勝院