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- 相談しにくいセクハラ・パワハラ対策【初級編】 -

誰に相談すべき? 男性がセクハラ被害にあったときの対処法

「#MeToo」のハッシュタグで性的嫌がらせの体験を告白する著名人も増え、かつてないほどセクハラ被害の告発が拡がっている。セクハラ被害を訴えるのは女性が圧倒的に多いが、もちろん男性だって性的嫌がらせをされることもあるだろう。もし、自分が被害にあったら、どのようなアクションを起こせばいいのか。専門家に聞いてみた。

■今回のアドバイザー
原田総合法律事務所 代表弁護士
原田和幸

岡山県倉敷市出身。上智大学法学部卒業後、民間の不動産会社での勤務を経て、現職。現在の不安や将来の不安、お金の心配など、深い悩みを抱えていらっしゃる方の支えになれるよう、法的側面からだけでなくトータルでサポートすることを心がけている。不動産問題のほか、婚問題や相続問題にも詳しい。

会社にはセクハラを防止する義務がある まずは社内で相談を

セクハラというと被害者は女性のイメージが強いが、男性から男性に、あるいは女性から男性に性的嫌がらせを行うパターンもある。男性は女性に比べて声を挙げにくい傾向にあるというが、「社会意識の変化も大きいでしょうが、最近では、男性でも会社や弁護士に相談するケースも見受けられるようになった」と、弁護士の原田和幸さんは言う。もし自分が職場などでセクハラ被害にあった場合には、具体的にどう動けばいいだろうか。

原田さん「まずは上司に相談してみましょう。もし、上司がダメなら上司の上司、あるいは、会社の窓口などがあればそこにお話してください。そもそも、会社には従業員の労働環境を整える義務があります。もし、社内でセクハラ被害が起きて民事裁判になった場合、会社にも損害賠償が請求されることもありますから、問題を放置しておくことは会社にとってもデメリットのはずです」

ただし、状況によって判例も異なるため、どこからがセクハラとなるか正確なボーダーラインは決まっていないという。非常に曖昧なラインであるが、意外なケースが刑事事件や民事裁判に発展することもあるようだ。

「平成29年11月29日の最高裁では、たとえ性的意図がなくても強制わいせつ罪が成立する場合があるという判例が出ています。この判例を前提にすれば、飲み会などの“ノリ”で服を脱ぐように強要されたりするのも強制わいせつ罪と判断される可能性もあるのです」

それこそ、本人が性的な意図がなかったと言っても、強制わいせつ罪となる場合もあるのだ。また、職場内で「この人になら何をしてもいいキャラだ」という空気が醸成され、いき過ぎた“イジり”が客観的に見てセクハラ行為に該当する可能性もあるという。

それでもし精神的、あるいは身体的に毀損されたのであれば、男性でもアクションを起こす権利はあるのだ。

会社が対応してくれない場合は…弁護士や警察に相談を

しかし、セクハラ被害を会社に相談しても取り合ってもらえなかった場合、どうしたらいいのだろうか。

原田さん「その場合、第三者の機関に相談してもいいでしょう。強制わいせつ罪やストーカー被害などは刑事事件にあたるので犯罪行為があった地域の警察署に駆け込んでもいいですし、民事などで損害賠償を請求するとなったら弁護士の力を借りてもいいでしょう。また、労基署等の行政が運営している相談窓口などに話してみるのもひとつの手です」

いずれにしても、まずは会社に相談することが大切だという。損害賠償を請求する際も、「会社が対応してくれたかどうか」は、大きな判断材料になるからだ。とにかく、男性であっても声を上げることが重要なのだ。

最後にアドバイザーからひと言

「女性が男性に対してセクハラをするのももちろんアウトです。今の時代、男性も女性もセクハラの加害者にならないように気を使わなくてはいけませんね」

Text by Mai Matsubara(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)