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第9回 | ピークの前に知っておきたい!花粉症の最新対策

70%の患者に有効。花粉症の根治も期待できる「皮下免疫療法」とは

毎年、つらい花粉症の症状に悩まされているものの「花粉がある以上逃れることは不可能」とあきらめている人は多いはず。しかし最近では、花粉症の症状を抑えるだけでなく完治を目指す治療法もいくつか登場しているという。そのなかでも、70%の患者に有効とされる「皮下免疫療法」について、専門家に話を聞いた。

■今回のアドバイザー
近畿大学医学部附属病院  院長
東田有智さん

近畿大学医学部医学科教授。2017年に一般社団法人日本アレルギー学会理事長に就任。著書に『呼吸器疾患のステロイド両方実践マニュアル』(南江堂)がある。

体をスギ花粉に「慣らしていく」皮下免疫療法。根本からの治療が期待できる

いったい「皮下免疫療法」とは、どのような治療法なのか?

東田さん「『皮下免疫療法』とは、花粉症の原因物質となるスギ花粉のエキスを、注射器で皮下に投与することで、アレルギー反応が起きないように体を慣らしていくという治療法。症状を抑えるだけの対処療法とは異なり、根本から花粉症を治療することが可能です。一般的な花粉症の薬が効かない重度な患者にも効果が期待でき、約70%の人に有効だと認められています」

通院頻度は月1回、治療期間は2〜5年。経済的にもお得

基本的に耳鼻咽喉科で治療を受けることができる「皮下免疫療法」。東田さんは具体的にどのように治療が進むのか教えてくれた。

東田さん「治療初期は、薄い濃度のアレルゲンエキスを投与して、維持量といわれる治療効果を最大限発揮する濃度まで週1回ペースで投与し続けます。個人差はありますが、維持量に到達するまで3〜5カ月。その後は通院間隔を延ばしていき、最終的には月1回の通院を2〜5年間続けることになります。

年間医療費の目安は、初年度は3万円前後、2年目以降は通院回数が減っていますので1万円ほどです。対処療法でも年間1万円前後の治療費がかかることを考えると、皮下免疫療法のほうが経済的にみてもお得といえます」

副作用のリスクは覚悟すべき。医師の説明を受けてから治療に臨むようにしよう

「皮下免疫療法」でアレルゲンを投与した副作用として、注射部位が腫れることがあると東田さん。

東田さん「また、非常にまれですがアナフィラキシーを起こすリスクもあります。このようにアレルゲンを体内に投与する皮下免疫療法は、副作用が起こるリスクは避けることができません。しっかりと医師の説明を受け、リスクを引き受けた上で治療に臨むようにしてください」

最後にアドバイザーからひと言

「数日間入院しなければいけませんが、1日に5〜6回のアレルゲンエキスを投与し、短期間で維持量に到達させるという方法もあります」

Text by Katsuya Hokonoki(Seidansha)
Edit by Kei Ishii(Seidansha)

取材協力
近畿大学医学部附属病院

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