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- 部下のタイプ別!上司向けストレスの向き合い方 -

【部下へのストレス】部下のブログやSNSでの自由な発言を上手に諫めるには

TwitterやFacebookなどのSNSに投稿した発言が問題となり、懲戒処分や解雇となったという人の話を時折耳にする。SNSはパーソナルな場でありながら、誰でも閲覧できるパブリックスペースでもある。ソーシャルポリシーを制定し、あらかじめ従業員に業務や取引先に関する投稿を控えるよう注意を促す企業も多いが、それでも自由な投稿を止めるには限界がある。

もしも、自分の部下がSNS上で問題のある投稿を繰り返していた場合。そして、そのアカウントを目撃してしまった場合。どう注意するのがもっとも効果的なのか?『『仕事でつかえる心理学』(日経文庫)などの著書をもつ、心理学者の榎本博明さんに話を伺った。

■今回のアドバイザー
MP心理学研究所 代表/心理学博士
榎本博明さん

東京大学教育心理学科卒業後、東芝市場調査課に勤務。その後カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現在に至る。心理学を基礎とした企業向けの研修や教育講演を行い、著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』『「やりたい仕事」病』など多数。

部下のリスクの高いSNS投稿の指摘に会社を守る姿勢はNG

会社でソーシャルポリシーを制定していたとしても、SNSはパーソナルな一面も持つ。会社や仕事に関する投稿以外にも、プライベートな投稿もあるだろう。そうしたアカウントを見つけ指摘することは、その後の関係性にもヒビが入りそうだが…。

「SNSは、止めろと言ってなかなか止めるものでもありません。もし部下が社にとってリスクの高い投稿を繰り返していたら、会社を守りたいという姿勢を前面に出すのではなく、そうした投稿を繰り返すことは自身に不利になるということを伝えるべきです」(榎本博明さん、以下同)

SNS上の投稿が小さな火種のうちは火消しも早いが、炎上した場合は、会社だけでなく、往々にしてその投稿主にも社会的責任が問われる。過去には、飲食店アルバイト従業員が店の冷凍庫に入り込んだ画像を投稿したことで企業から損害賠償請求を検討されたケースや、ホテル従業員が著名人が来店・宿泊したことを投稿し、ネット上で炎上した事件は今なおネット上でも話題に上る。

本人にとっては悪気の無い、たった一度の投稿かもしれないが、ネット上にはその記録がずっと残り続ける点も、合わせて伝えるべきだろう。

部下が自由に発言できる場を作ることもリスク回避に

SNS上の投稿や発言は、投稿主のモラルによるところが大きいが、従業員がリスクの高い投稿をしてしまう問題の根として、そもそも発散する場の無さもあると榎本さんはいう。

「思っている不安やストレスの発散の場がネットでしか言えない状態であること自体も、問題が大きいように思います。部下をはじめ従業員のリスキーな投稿を未然に防ぐためには、仕事に関して語れる場作りも重要。みんなが自由に思いを発散できるライブな空間があれば、そうしたリスクある投稿を減らすこともできるのではないでしょうか」

人は、心の内にある様々な不安やストレス、怒り等の感情を言葉にして表現することで、それらの苦痛から一時的に解消され、心の安定を保つことができる。これを、カタルシス効果という。そうしたカタルシス効果を生む場所をあらかじめ作ることによって、部下の自己開示欲求を満たし、リスクの高い投稿を止めさせることができるのだ。

部下のSNS投稿が気になったら、まずは、今の不満や不安を気楽に話せる関係と場作りを。注意よりも前にできることがありそうだ。

Text by Daisuke SUZUKI(KOUMUTEN)