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第2回 | 部下のタイプ別!上司向けストレスの向き合い方

【部下へのストレス】褒めてほしがり部下にはどう接する?

期初を前に、人事異動や新入社員の配属などが決まるこの季節。新たなチームや人間関係に、期待と不安を抱く上司たちも少なくないだろう。いつの時代も、部下にとって上司は悩みの種だが、それは上司にとっても同じこと。

特に、最近上司世代の多くから漏れ聞こえるのが、「褒めてほしがる部下」の存在。上司からすれば、「そこまではやって当たり前」いう業務や、最低限出さなければならない結果なのだが、部下はそれでも褒めてほしいと言うのだという。褒めてほしがり部下に、上司はどう対応すべきか? 『ほめると子どもはダメになる』などの著書をもつ、心理学者の榎本博明さんにうかがった。

■今回のアドバイザー
MP心理学研究所 代表/心理学博士
榎本博明さん

東京大学教育心理学科卒業後、東芝市場調査課に勤務。その後カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授などを経て現在に至る。心理学を基礎とした企業向けの研修や教育講演を行い、著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』『「やりたい仕事」病』など多数。

褒めてほしがり部下 それでも褒めた方が良いのか?

コミュニケーションの一環として褒めることは簡単だが、簡単な業務や結果で褒めてしまうことは、かえって部下の成長にとってマイナスにならないのだろうか。「これくらいで喜んでもらえるんだ」と思われてしまっては、成長も伸び悩むのでは…。

「簡単なことで褒めてしまうのは、成長に悪い影響を及ぼすことが心理学の研究でもわかっています」(榎本博明さん、以下同)

人は褒められることによって、その心地よい状況を維持しようと行動する。そのため、簡単な課題で褒められ慣れると、より難易度の高い課題に挑戦しようとはしなくなってしまう。また、褒められなければやる気を失ってしまう状態にも陥りやすいのだという。

「仕事に慣れて、難易度の高い課題に取り組めば取り組むほど成功は難く、なかなか褒められない厳しい状況に突入していきます。苦しくもつらいネガティブな心理状況のなかでも能力を発揮する粘り強さを持たせるためには、安易に褒めてはならないのです」

褒められたい若者が増えた背景には日本の育児論

少なくとも昭和の時代における親という存在は、恐れ多い存在だった。読者のなかにも、小さい頃、こっぴどく叱られたという人も少なくないだろうが、今の若者は事情が異なる。小さい頃から両親に褒められて育っており、「子どもを褒めて伸ばす」という教育論も生まれ、「叱らない」「ほめる」育児をすすめる育児書籍も数多く登場した。

「そうして育ってきた若者たちをまったく褒めないというのは、いささか酷でしょう。ただ、むやみに褒めてしまっては先ほどの通り逆効果ですから。褒めるときには、一緒にハードル設定をしてあげると良いでしょうね」

褒める際、「次回はここまでやってくれたら褒める」という、具体的な目標設定をしてあげること。その課題を部下がクリアすれば、褒めてさらに難易度の高い課題へ…と。だんだんと褒めながら難しい課題に挑戦させていくこと。どこまで課題を達成したら部下を褒めるか、その基準を明文化することで、部下からの“褒められたいストレス”から解放されると同時に、部下の確実な成長を期待できるというわけだ。

褒めてほしい部下にお悩みの上司世代は、ぜひ試してほしい。

Text by Daisuke SUZUKI(KOUMUTEN)

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