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- スーパーカーブランド【ロールスロイス】 -

ベイサイド・ドーン──横浜発のハイカラなロールス・ロイス

「ハイカラ(高襟)」とは、英語の「high collar」から取った和製英語だ。日本開港の地で西洋文化の窓口となった横浜では、19世紀末に西洋風の身なりや生活様式が浸透し始めた。そんなお洒落でやや気取った人々を意味する言葉として新聞記者が使い、流行語となったのである。特別仕様車のロールス・ロイス『ベイサイド ドーン』は、この“ハイカラ”にちなみ、ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜が企画したビスポークモデルだ。テーマはスバリ、“横浜”だという。

横浜の海をイメージして内外装を仕立てたビスポークモデル『ベイサイド。ドーン』

ロールス・ロイスは、昔も今も富の象徴であり、高級車の頂きを担うラグジュアリーブランドである。

フラッグシップは世界最高峰のサルーン『ファントム』。現在のモデルは8世代目にあたる。この『ファントム』がまさにそうであるように、ロールス・ロイスには運転はショーファーが行い、オーナーは後席でくつろぐイメージが強い。

そんななか、顧客層が従来よりもやや若めに設定され、ドライバーズカーとして2016年にラインナップに加わったのが、4人乗りのコンバーチブルである『ドーン』だ。6.6LのV12エンジンを搭載し、最高出力570ps、最大トルク820Nmを発生する。

『ベイサイド・ドーン』は、この最新のドロップヘッドをベースに、横浜の海やここでの贅沢な暮らしをイメージして内外装を特別に仕立てたビスポークモデルである。

まるで優雅なクルーザー、幌をたたんでも青い海と白い帆のイメージで全体を統一

ボディカラーは「イングリッシュ ホワイト」をベースに、「ミッドナイト サファイア ブルー」のボンネットと幌を組み合わせたコンビネーション。このツートーンのカラーリングにより、優雅なクルーザーのような印象を与えている。

ショルダーラインからリアエンドまで流れるように描かれているネイビーブルーのコーチラインは、20世紀初頭に作られたエレガントなモーターヨット「ポート・テイル」をイメージしたものだ。

インテリアには、アークティック・ホワイトレザー張りのシートにネイビーブルーのアクセントとステッチが施され、ステアリング・ホイールとアームレストもやはりネイビーブルー。エクステリアに合わせてコーディネートされており、幌をたたんでも青い海と白い帆のイメージで全体が統一されていることがわかる仕掛けとなっている。

ドア、ダッシュボード、リアデッキに配されたウッドトリムの素材は、ヨットをイメージさせるチーク材だ。これは、ロールス・ロイスの創業者のひとりであるヘンリー・ロイスが別荘を置いていたフランス南部の海岸、カナデルにちなんだ「カナデルパネル」で飾られている。

このウッドトリムを仕上げたのは、ヨットのデザインや生産の経験を持つ、イギリス・グッドウッドにあるロールス・ロイス本社の職人だという。

『ベイサイド・ドーン』は4347万円、ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜に展示中

価格は4347万円。通常モデルの『ドーン』が3810万円だから、プラス537万円となったわけだ。しかし、ロールス・ロイスに乗る人々にとって、これくらいの価格差は大きな問題ではないのではないか。特別仕様車だが、販売台数に限りがないのもうれしい。

横浜生まれのハイカラなビスポークモデルと謳うだけあり、『ベイサイド・ドーン』はヨットを係留するマリーナへの足、あるいは海岸線のドライブと、横浜近辺に済む富裕層のライフスタイルにうまくマッチするに違いない。

ちなみに、『ベイサイド・ドーン』の実車は現在、みなとみらい地区にあるロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜のショールームに展示中だ。

Text by Kenzo Maya

Photo by (C) Rolls-Royce Motor Cars

Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)