180214 (93)
- スーパーカーブランド【ベントレー】 -

咆哮を味わい尽くせ──V8のベントレー ベンテイガ

ベントレー『ベンテイガ』に、スポーティーさを前面に押し出したV8モデルが追加された。今後は、シリーズの中核的存在となるという。カーガイにとって、数多くの名車が積んでいた「V8エンジン」は、ある種特別な響きがある。そういう意味で、今回の追加モデルの発表は「ついに来たか」と言わずにはいられない。

堂々とした風格と躍動感を両立させたベントレー『ベンテイガV8』のエクステリア

『ベンテイガ V8』は、これまでのラグジュアリーさに加えて、スポーティーさを全面に押し出している。V8エンジンだからスポーティーさを押し出したのか、スポーティーに仕上げたかったからV8エンジンを搭載したのか? ベントレーの公式発表からはその真意は読み取れないが、いずれにしろクルマ好きからすればうれしいことだ。

あえて、エクステリアの話からしよう。『ベンテイガ』の持ち味である彫刻のようにたくましいラインで形作られたボディ形状は、W12型と共通だ。丸目4灯のLEDヘッドライトと大型のマトリクスグリルからにじみ出るベントレーのDNAを受け継いでいる。

しかし、フロントグリルのあしらいを変えて大型のエアインテークを採用し、また、新設計の22インチ5本スポークホイールをブラックペイント&ポリッシュ仕上げとすることで、堂々とした風格にアスリートを想起させるスポーティーな躍動感が加わった。

インテリアは、シートやドアパネルを手縫いのクロスステッチで縁取るなど、最高級素材をハンドクラフトした丁寧な仕上がりが特徴。この優美で贅沢な内装はベントレーの象徴だ。

しかし、『ベンテイガV8』は、ただ優雅なだけではない。オプションで準備した「ハイグロスカーボンファイバーパネル」は、現代的でハイテクな雰囲気だ。もちろん、カーボンだけにスポーティーでもある。表面がハイグロスで、カーボンファイバー独特の編み目模様が際立つあしらいが施されている。

ほかにも、ウッド&レザーのステアリングホイールと濃いレッドの新色レザーといったオプションも選択可能だ。

V8エンジン搭載で得られる最大のメリットは、五感を刺激する咆哮を味わえること

では、最も気になる心臓部について触れていこう。搭載されたのは、完全刷新された4L 32バルブV8エンジン。Vバンクの内側にデュアルツインスクロールターボチャージャーを配置している。最高出力は550ps(404kW)/6000rpm、最大トルクは770Nm/1960-4500rpm、最高速度は290km/hで、0-100km/hは4.5秒で加速する。

ちなみに、従来のW12型は、最高出力608ps(447kW)/5250-6000rpm、最大トルク900Nm/1350-4500rpm。約2.4トンの車体をたった4.1秒で100km/hに加速させ、最高時速は301km/hにも達する。『ベンテイガV8』と比べると、改めてそのモンスター具合が際立つ。

『ベンテイガV8』はW12型に比べると見劣りするかもしれないが、それでも、SUVとしては世界最高クラスの動力性能であることは間違いない。

なにより、今回は燃費でもトップクラスを実現した。特定の状況で8気筒のうち4気筒を休止することで、市街地では約6.4km/L、高速では約11.1km/Lという燃費を達成している。ちなみに、気筒休止はわずか20ミリ秒でシームレスに行われ、乗員が気づくことはないという。

個人的には、V8エンジンを搭載することで得られる最高のメリットは、五感を刺激するV8ならではの咆哮を味わえることだろと思う。また、低い回転数から吹き上がる素直なエンジンフィールはスポーティーで、ドライビングプレジャーを満足させてくれるはずだ。

『ベンテイガV8』は8種類の走行モードを用意、ほかの高級SUVを圧倒する充実ぶり

このV8エンジンのパワーを受け止める足回りには、「マルチモードエアサスペンション」が採用された。「High 2」「High 1」「Normal」「Low」の4種類のモードがあり、過酷なオフロードに挑戦するときは手動で「High2」を選択できる。

また、トランク内のスイッチを操作してリアサスペンションを下降させることもできるで、荷物の積み込みなどに役立ちそうだ。

ブレーキにはオプションで、カーボンセラミックブレーキを準備。フロントとリアにそれぞれ40 mm径ディスクと370 mm径ディスク、さらにフロントには「Bentley」のロゴ入りの10ピストンのブレーキキャリパーを装備しており、最大6000Nmの制動トルクを発揮する。

走行モードは計8種類と、ほかの高級SUVを圧倒する充実ぶりだ。オンロード用の走行モードは「スポーツ」「コンフォート」「ベントレー」「カスタム」の4種類から選ぶことができる。オフロード用の走行モードも装備でき、その場合は、「雪道・草道」「土道・砂砂利」「泥道・小道」「砂道」の4種類が選択可能になる。

W12型に加えてV8モデルを投入したことで、“超”高級SUVの門戸がさらに開かれる

リリースに価格は記されていないが、W12型は2739万円(税込み)なので、これは下回ることだろう。とはいえ、超高級になることは間違いない。

ベントレーいわく「ベンテイガは、“超”高級SUVという新しいセグメント」だという。異論はない。ロールスロイスやアストンマーチンなどのラグジュアリーブランドも「“超”高級SUV」市場に参入を表明しているが、その口火を切ったのは『ベンテイガ』。ベンチマークとしても存在感のある一台だ。

そんな『ベンテイガ』の中核を成すモデルとして投入された『ベンテイガV8』は、さらに広く門戸を開くことになるかもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi

Photo by (C) Bentley Motors

Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)