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第16回 | フォルクスワーゲンの最新車デザイン・性能情報をお届け

カリフォルニアXXL──魅力的すぎるVWのキャンパー

現代のクルマは、単なる移動のためのツールから「サードプレイス」、つまり「自宅」と「職場」に次ぐ第3の空間へと進化し始めている。SUVやミニバンの人気は、その流れにあるものといえるだろう。より快適な空間を追求すれば、必然的にキャンピングカーに行き着く。そんななか、フォルクスワーゲン(VW)は『カリフォルニアXXL』という名のキャンピングカーを発表。VWが快適な移動を実現するために提案したコンセプトカーのキャンパーだ。

シャワーを浴びながら青い空を楽しめる、あまりにも広い『XXL』のパノラマルーフ

『カリフォルニアXXL』は、2017年8月にドイツ北部の都市デュッセルドルフで開催された世界最大級のキャンピングカー見本市「CARAVAN SALON(キャラバン サロン)」で発表された。

『カリフォルニアXXL』のコンセプトを汲み取って意訳すれば、「贅沢なアウトドアライフ」となるに違いない。それは、キャンピングカーとしての数多くの快適装備を備えるだけではなく、使いやすさや利便性を仔細かつ統合的に考え尽くし、設計されていると感じられるからだ。

とにかく、そのキャンピングカーとしての魅力的な装備を並べてみよう。

まず目につくのは、あまりにも広いパノラマルーフだ。幅1100mm×3700mmと、ほぼルーフ全体が切り取られたかのような大きさで、ほかでは味わえない開放感を演出する。それも、シャワーを浴びながらでも楽しめるというのだから、そのアイデアには拍手を贈りたい。

また、夜空を演出するかのようなムードのある照明装置は、VWらしい上品さも兼ね備えている。

最も長い時間を過ごすことになるキャビンは頭上空間が広く、窮屈さはどこにもない。運転席と助手席が180度回転してキャビン側に向かうことで、大人4人がゆったりくつろげる空間になり、シートやテーブル、エスプレッソマシンまで備えられている。まるでどこかの空港ラウンジのようだ。

ゆったりと広いベッドスペース、車両最後部に配されたベッドはキングサイズ並!

キャンプ機能の重要性でいえば、やはりベッドスペースがポイントだが、その広さも平均点をはるかに上回っている。

『カリフォルニアXXL』は家族4〜5人での居住性が考慮されており、2つあるベッドのうち、ひとつは運転席上部、もうひとつは車両最後部に配置されている。特に後部のベッドは6.6×5.6フィート(約201×170cm)と、キングサイズ並のゆったりとした広さが確保されているのだ。

車両を外から見ると、ルーフの先端と後部に出っ張りがあるのだが、それはまさにこのベッドスペースを確保するためのものだということがわかる。

そして、先ほどシャワーを浴びながらパノラマが楽しめると明かしてしまったが、このクルマの最大の魅力は、間違いなくそのシャワールームにある。

シャワールームは既存のキャンピングカーによくあるような、小さなコンパートメントに無理やりシャワーヘッドを取り付けたものではない。トイレと共用なのは同じだが、使用時には床や壁をスライドさせ、スペースを約2倍に拡張できるのだ。

このため、シャワーの使用時には後部のベッドルームに車内から移動できなくなってしまうが、その点はそれほど問題にはならないだろう。

キッチンにも工夫がさまざまな満載、浴室の壁をスクリーンにスマホ映像を楽しめる

当然、キッチンにもこのクルマならではの工夫が溢れている。

カウンター天板は伸縮式で、1100mmから2050mmまで伸び、2口のガスコンロは五徳(ゴトク)が電動で収納できるので、調理手順によってはテーブル代わりに使える。料理をサポートする冷蔵庫は50L容量が2つ。シンクの頭上には複数のキャビネットがあり、皿や調味料の収納には困らない。

そのほか、床暖房、温水ボイラー、140Lの飲料水タンク、汚水タンク(90L)、椅子、折りたたみテーブル用のスペースなどがオンボードで備わっている。

現代的な装備としては、ベッドヘッドに組み込まれたデジタルプロジェクターがある。浴室の壁をスクリーン代わりに、ビデオカメラやスマートフォンの映像を投影できるのだ。

デジタルプロジェクターには6つのUSB端子、9つの220Vアウトプットを装備。専用のアプリをタブレットにダウンロードすれば、照明や映像エンターテインメントをコントロールすることができる。

ボディサイズも破格、車両はトヨタ『ハイエース グランドキャビン』を凌ぐ大きさ

VWの『カリフォルニア』には、すでに『T6』をベースにしたモデルが存在する。

しかし、『カリフォルニアXXL』は「California」の名を冠しながら、それよりもふた回り大きなパネルバン『Crafter』をベースにしている。つまり、既存モデルとはまったく異なるキャンピングカーなのだ。

そのサイズはホイールベースで3640mm、バンパー両端までは5986mm(リアゲートのオーバーハングは除く)、幅は2030mm(サイドミラーを除く)。10人乗りのトヨタ『ハイエース グランドキャビン』と比べてもかなり大きい。(全長5380mm、全幅1880mm)。それがVWの考えるキャンピングカーに必要なサイズだったのだろう。

エンジンは2.0LのTDI(直噴ターボディーゼル)を想定しているようだが、ベース車のCrafterはシングルターボの140hpもしくはツインターボの177hp仕様が選べ、このXXLがどちらのユニットなのかは公式のリリースでは明らかになっていない。

足回りとしては、4モーションの全輪駆動があらゆる天候や地形でもトラクションがコントロールされ、カスタムされたエアサスペンションは傾斜地でも水平を保てるようにプログラムされている点もキャンパーとしては大いに注目したいところだ。

『カリフォルニアXXL』の販売は未定…VWにはコンセプトカーを市販化した先例も

ただし、残念ながら『カリフォルニアXXL』はまだコンセプト段階で、市販化については何も決定されていない。当然、価格も未定だが、発売される際には10万ユーロ(約1350万円)を超えるだろうといわれている。

しかし、その価格以上に費用がかかっても、『カリフォルニアXXL』をお手本にしたオーダーメイドのキャンピングカーが専門メーカーやショップなどで作られるに違いない。そうした動きが出れば、VWも市販化に向けて本気になるのではないか。

幸いなことに、VWには発表したコンセプトモデルを市販化した先例がいくつもある。そう考えると、『カリフォルニアXXL』の正式デビューもあり得るかもしれない。

Text by Koji Okamura

Photo by (C) Volkswagen AG

Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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