Ferrari,フェラーリ
- スーパーカーブランド【フェラーリ】 -

一台、21億円! 世界が驚嘆した「失われたフェラーリ」

去る2月6日、フランス・パリ郊外で開催されたオークションに、おびただしい数の、ボロボロのクラシックカーが並べられた。そのほとんどが、フランスで発見された個人コレクションからの出品。そしてその中にひときわ目を引くフェラーリが1台あった。
「失われたフェラーリ」を紹介する2回連載の第2回目は、これらの自動車が想像を絶する価格で競り落とされたオークションの模様を紹介。

ここ10年間でのクラシックカーの価格は、オークションにかけられるような他のアイテムと比べて上昇傾向が際立っている。ある調査会社によると、10年前と比べての価格上昇率は美術品の193%や宝石類の156%と比べることもできない、456%という異常な数値を示すという。つまり10年前の価格に比べて現在の価格は5倍以上になるということで、これほどの値上がり幅をもつアイテムは他になく、クラシックカーが美術品のようなコレクション兼投資対象となったことがわかる。 Ferrari,フェラーリ そんなクラシックカー・オークションに、連載第1回目に紹介したフランスで発見されたコレクションがかけられることになった。その中にはフェラーリ 250GT SWB カリフォルニア・スパイダーやマセラティ A6G 2000 グランスポルト・フルアの姿もあり、世界中から注目が集まったオークションとなった。会場はフランス・パリ。舞台と役者は整った。 興奮と熱気が渦巻くオークション会場では、コレクションのクルマたちに次々と値が付いていった。1937年のブガッティT57に3900万円、ソーチック製ボディをまとった1949年のタルボ・ラーゴ T26GSに2億2000万円…マセラーティは2億6000万円で落札された。そして注目のフェラーリ、カリフォルニア・スパイダーである。その落札価格は…21億円! もちろん今回のオークション最高値である。1台のクルマに対して21億円という評価を、世界は驚嘆とともに受け入れたのだった。もっとも、オークションにおける自動車の最高値にはさらに上がいるし、オークション以外での市場価格でいえばもっと高額なクルマもあるのだが…。 Ferrari,フェラーリ 21億円の価値はともかくとして、このフェラーリの話をしよう。この250GT カリフォルニア・スパイダーは、フェラーリの中でも最も人気の高いモデルであるにも関わらず、歴史から消え去り「失われた」と思われていた。1961年に工場から出荷され、パリのディーラーのショールームに並ぶとすぐに最初のオーナーの手に渡り、その2年後に次のオーナの手に渡る。この2番目のオーナーとなったのは、あの映画俳優アラン・ドロンだった。彼は2年ほど、カリフォルニア・スパイダーとの日々を楽しんだようだ。 その後幾人かの手を渡ると、ある時から消えてしまったかのように消息が分からなくなった。クラシックカーの世界では、クルマの個体識別と来歴を示すために、メーカーが出荷時に割り振る車体番号=シャシーナンバーで車両を認識するのだが、このクルマのシャシーナンバー「2935GT」は消息不明のナンバーとされていた。おそらく、今回の発見につながった個人コレクター氏が、70年代初頭に入手したままあまり表舞台に登場しなかったのだろう。そのまま納屋にしまわれ、忘れ去られていたということだと思われる。 失われたフェラーリ、眠れる美女はついに日の光の下に姿をあらわした。いつの日かレストアが完成し、美しかった日の姿を取り戻すのが楽しみである。 Ferrari,フェラーリ

Text by Koyo Ono