ビジョン グランツーリスモ(VGT)Mazda LM55 VGT
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仮想空間のモーターショーはこんなに面白い!

かつて、モーターショーの主役は各国の自動車メーカーやデザイン会社によるコンセプトカーたちだった。今まで見たことのないフォルム、斬新な造形、彫刻のような美しさ。それがいつの日からか、明日発売されてもおかしくない現実的なモデルたちが並び、市販車の造形を少し大袈裟にしただけのコンセプトカーばかりが目につくようになった。そんな風に思っていないだろうか?

ビジョン グランツーリスモ(VGT) ソニーの家庭用ゲーム機、プレイステーション用の自動車レースゲーム「グランツーリスモ」は、世界中で販売される人気ゲーム。その中に「ビジョン グランツーリスモ(VGT)」というシリーズがある。これはグランツーリスモという仮想現実の世界の中で、その世界観とコンセプトにあったクルマをデザインしてほしいという、グランツーリスモ制作者の山内一典氏の一言からスタートしたプロジェクトだ。そしてそれに応えるように、世界中の自動車メーカーからVGT専用のコンセプトモデルが提案されている。 ビジョン グランツーリスモ(VGT) 各メーカーが描くVGTは、かつてのコンセプトカーが持っていたような独創性と未来感に溢れている。ブランドのイメージ、コンセプト、ヘリテイジを仮想現実の世界で昇華させられるVGT。これは今の時代の、もうひとつのモーターショーなのかもしれない。では、各メーカーが生み出したVGTを見てみよう。 ビジョン グランツーリスモ(VGT)Chevrolet Chaparral 2X VGT Chevrolet Chaparral 2X VGT シャパラルは、テキサスから生まれた伝説的なレーシングカー・コンストラクター。革新的なアイディアでモータースポーツを彩った名前を、当時から関係が深かったGMがVGT化。その名に恥じない、全く新しい構成のレーシングカーとして作られた。こうした名門の復活も、VGTならではの楽しみといえる。 ビジョン グランツーリスモ(VGT)Renault Alpine VGT Renault Alpine VGT ルノーのデザインチームも、名門の名前でVGTを送り出してきた。アルピーヌは50~70年代に特に活躍したフランスのレーシングチーム。このコンセプトカーは小排気量ながら優れた空力とシャシー性能を武器にル・マンなどで活躍したA210などのプロトタイプレーサーを彷彿とさせるデザインだ。エアブレーキなどのギミックも凝っている。 ビジョン グランツーリスモ(VGT)Mazda LM55 VGT Mazda LM55 VGT 日本車で唯一のル・マン24時間優勝メーカーであるマツダのVGTプロジェクトは、1991年の優勝車787Bを彷彿とさせるプロポーションを活かしつつ、近年のマツダデザインの核となっているデザイン哲学「魂動」が取り入れられている。 ビジョン グランツーリスモ(VGT)Infiniti Concept VGT Infiniti Concept VGT 日産が北米で展開している高級ブランドであるインフィニティによるVGTは、同社のデザインランゲージから正常進化したクーペスタイル。実車さながらの構成でバーチャルとリアリティをうまく融合したデザインになっている。 ビジョン グランツーリスモ(VGT)Mercedes-Benz AMG VGT Mercedes-Benz AMG VGT VGTに真っ先に参加したメーカーが、このメルセデス・ベンツだった。彼らのVGTマシンは、レーシングモデルの300SLをデザインの源としながら、動物のように有機的なデザインでハイテクノロジーを包み込んでいる。グリルなどに伝統的な解釈もあり、過去と未来を融合したスポーツクーペになっている。

Text by Koyo Ono