Ferrari,フェラーリ
- スーパーカーブランド【フェラーリ】 -

21世紀最大の発見!「失われたフェラーリ」とは?

去る2月6日、フランス・パリ郊外で開催されたオークションに、おびただしい数の、ボロボロのクラシックカーが並べられた。そのほとんどが、フランスで発見された個人コレクションからの出品。そしてその中にひときわ目を引くフェラーリが1台あった。
世界が驚嘆した想像を絶する価格で落札された、この「失われたフェラーリ」を、今回から2回に渡って紹介する。

「バーン・ファウンド」という言葉をご存知だろうか? 直訳すると「納屋で発見された」という意味で、時の流れでどこかに埋もれてしまい、いつしか行方不明になったプライベート・コレクションなどが、後年になって手付かずのまま発見された時などに使われる言葉だ。「とある納屋から発見された、ホコリにまみれた1台のクルマ…」なんていうのはまるで小説のような言い回し。しかし現実に、そんなクルマたちが見付かったのだった。何十台にもなる貴重なクラシックカーたち。その中にはこれまで”失われた”と思われていたフェラーリも、眠れる美女として閉じ込められていた。場所はフランス西部である。 プライベート・コレクション,Ferrari,フェラーリ 今回発見されたプライベート・コレクションはフランスの海運で財を成した人物のもので、おもに戦前のフランス車がコレクションの対象だった。一番古いのは1912年のルノーから、新しいものだと1960年のファセル・ヴェガまで、貴重なフランスの高級車たちが集められている。中にはエジプト国王ファルーク1世(1920-1965)が所有していた特別注文のタルボ・ラーゴといった、世界に1台しか存在しない博物館級のモデルもあるほどだ。それら全てが、オーナーの死後忘れられて眠っていたことにはただただ驚かされる。 プライベート・コレクション,Ferrari,フェラーリ この発見されたコレクションの華は、間違いなく2台のイタリア車だといえる。フェラーリの250GT SWB カリフォルニア・スパイダーと、マセラティのA6G 2000 グランスポルト・フルア。とくにフェラーリのカリフォルニア・スパイダーは、同社製のロードカーの中でも最も人気のあるモデルであるし、マセラティの方も歴史的に見て高い価値のあるモデルだ。また、こういったバーン・ファウンドのコレクションの場合、ボディの塗色や内装の素材が新車から変わっていないことが多く、そのオリジナリティの高さからクラシックカーとしての評価も上がる。面白いのはこんなに貴重な2台が発見された状況で、写真のとおり納屋に放置され荷物が重ね置かれた状態だった。これが時価数億円はくだらないクルマの扱いか、とも思うが、当時のオーナーにとってはそんなこと知ったことではなかっただろう。 コレクション,Ferrari,フェラーリ こういったトレジャーハンティングのような歴史的名車の発見は、20世紀には世界中でかなりあった。東欧などの旧共産圏から、南米やアフリカまで、トレジャーハンターたちは世界を駆け巡り貴重なクルマたちを救出してきた。それゆえ、今回のケースのような大発見はもうないだろうと思われていた。だから今回のフランスでの発見が”今世紀最大”といわれるのだ。 連載第2回では、このカリフォルニア・スパイダーの来歴と、オークションの結果を紹介しよう。

Text by Koyo Ono