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第6回 | 世間を騒がせるゴージャスセレブ

メーガン・マークル──シンデレラを襲う2つの問題

シンデレラストーリーとは、童話『シンデレラ』のように、無名の一般女性が苦労の末に見違えるほどの幸福を手に入れ、社交界などに華々しくデビューすることをいう。けっして恵まれた女優人生を送っていたわけではないメーガン・マークルが、イギリスのヘンリー王子に見初められて婚約した出来事も、一種のシンデレラストーリーといえる。しかし、シンデレラには妬みや妨害が付きものだ。婚約にいたる過程で、彼女は2つの問題に悩まされていたという。

国民的人気の王子が年上のアメリカ人女優を見初めたことで始まった“メーガン叩き”

世界を驚かせたイギリス王室のヘンリー王子とアメリカ人女優メーガン・マークルの婚約──。結婚式は2018年5月19日、ロンドンの西34kmに位置するウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われる予定となっている。

イギリスのみならず、世界中が注目するロイヤルウェディングとなるが、それは同時にネガティブな報道がますます増えることも意味する。実際、交際が発覚して以降、ふたりの周辺も騒がしくなっており、すでに様々なゴシップがメディアを賑わしている。

ヘンリー王子は、女王エリザベス2世の孫であり、ウェールズ公チャールズと故ダイアナ妃の次男だ。英国王位継承権第5位という重大な立場ながら、未成年のときにアルコールや大麻に手を出したり、パーティで乱痴気騒ぎを起こしたりするなど、王室のスキャンダルメーカーとしての側面もある。

とはいえ、飾らないキャラクターは同世代の若者を中心に人気が高く、英国民は親しみを込めて“ハリー”と呼んでいる。そんなハリーが見染めたのがメーガン・マークルである。人気者の王子が3歳年上のアメリカ人女優を選んだことで、この世紀の婚約劇をめぐる騒動が一段と大きくなっているのだ。

(C) PA Photos/amanaimages

ヘンリー王子はメーガンが出演していた人気テレビドラマ『SUITS』のファンだった

メーガン・マークル(本名レイチェル・メーガン・マークル)は、カリフォルニア州ロサンゼルスの出身だ。父親は照明技師として数々のハリウッド映画やテレビ番組に関わり、彼女は子どもの頃からよく撮影現場を訪れていたという。

メーガンはやがてノースウェスタン大学に進学し、演劇と国際関係論を専攻する。卒業後にはブエノスアイレスのアメリカ大使館にインターンとして務めた経験も持つが、女優への夢を捨てきれなかったのだろう。アルバイトを掛け持ちしながらオーディションに通う日々を送るようになる。

女優デビューは2002年のテレビドラマ『General Hospital』。その後もドラマへのゲスト出演を重ね、2005年からは映画にも出演するが、どれも端役ばかりだった。そうしたなかで巡り合ったのが、2011年から始まったテレビシリーズで、出世作となる『SUITS/スーツ』だ。メインキャストのレイチェル・ゼイン役に抜擢されたメーガンは、ついにブレイクを果たすのである。

じつは、ヘンリー王子は『SUITS』のファンで、特にメーガンが演じたレイチェルが「理想の女性像」だと友人たちに話していたという。ヘンリー王子は共通の友人にメーガンを紹介してくれと頼み、その友人がカジュアルなパーティをセッティング。そこでふたりは初めて出会ったといわれている。

ゴシップメディアと保守的な人々が批判するメーガンの「離婚歴」「バイレイシャル」

その後、ふたりの交際は順調に進み、ついに婚約発表にいたるのだが、その前後から「メーガンをめぐる2つの問題」がメディアで取り沙汰され始める。

ひとつはメーガンに離婚歴があることだ。彼女は映像プロデューサーのトレヴァー・エンゲルソンと7年の交際期間を経て2011年9月に結婚している。しかし、メーガンは結婚直後から『SUITS』の撮影のためにカナダのトロントに滞在。LAに住む夫のトレヴァーとはすれ違い生活となり、2年半後の2013年8月には離婚にいたってしまう。

「離婚ぐらいよくあることじゃないか」と思うかもしれないが、19世紀終わりから20世紀後半にかけて、イングランド国教会は離婚歴のある人との結婚を認めていなかった。現在ではその戒律はなくなり、表面上はイギリス王族が離婚歴のある人と結婚することになんら問題はない。

しかし、この伝統を保守すべきと考える人々がいることに加え、メーガンの元夫のトレヴァーが「元妻が王子と結婚してロイヤルファミリーとなってしまう」という設定のコメディドラマを新たに企画しているとの報道もある。離婚歴がスキャンダルの火種となっていることはたしかなのだ。

もうひとつの問題は、メーガンが「バイレイシャル(両親の人種がそれぞれ異なる)」であることだ。彼女の父親はアイルランド系オランダ人、母親はアフリカ系アメリカ人で、メーガンは2つの人種をルーツに持つ。

このルーツはメーガンのエキゾチックな魅力の源泉ともいえるものだが、イギリスでは人口の87.1%を白人が占め、黒人はわずか3%。イギリス王室の血筋もそれを反映しており、王室にこのような血脈が入ることを嫌う保守的な考えの人々が少なからず存在する。

(C) PA Photos/amanaimages

メーガン・マークルとヘンリー王子は柔軟に問題を乗り越えて新たな幸せをつかむ

もっとも、ヘンリー王子は「歪んだ見方より、正しい感覚で若い世代や他の人たちが世界を見ることができるよう勇気づけていくことこそ、ロイヤルファミリー全員が望んでいることです」と、こうした問題をまったく意に介していない。

メーガン自身も同様だ。彼女をめぐる報道の裏には、すでに離婚している両親が過去に破産していること、そのときに家族を助けなかったことで姉が恨みを持っていること、異母兄に逮捕歴があること…等々、近しい人々のスキャンダルやシンデレラとなった彼女への妬みが発火点となっているケースが多い。

だからこそメーガンはこの種の報道に関心を示そうとしない。自身をめぐるゴシップについてこう切って捨てている。

「自分の記事も、『SUITS』について書かれている記事も読まない。私の評価は、家族や親しい人たちがしてくれている。それ以外の人たちの評価はノイズだと思って聞き流すようにしています」

幸せのファンファーレが壮大に響けば響くほど、彼女がいう「ノイズ」も大きくなる。ロイヤルファミリーとなる以上、結婚後も、メーガンとヘンリー王子は様々なゴシップに見舞われるかもしれない。しかし、ふたりはそんなことを恐れることなく、きっと、お互いにどこか似ている感性で柔軟に問題を乗り越えて行くことだろう。そして、新たな幸せをつかんでいくに違いない。

Text by Kiyoshiro Somari

Photo by (C) PA Photos/amanaimages(main)

Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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