4冠を獲得して、ハイテンションのサム・スミス
- 40男が嗜む逸品 -

グラミー賞、スピーチ乗っ取り未遂事件の真相

BBCニュースが評したグラミー賞、今年のハイライトは以下の通りだった。
「サム・スミスが国際舞台に立ち、4つのグラミーを手にした!」
「ベックの予想外ながら納得の受賞もありつつ、ファレル・ウィリアムスとビヨンセがポップ音楽を制したこと」
「パフォーマンスで評価を得たのは、シーアとファレル、そしてマドンナの復活」
「家庭内暴力と公民権への注目を促したこと」

2月9日(日本時間)に開催された音楽の祭典“第57回グラミー賞授賞式”は、23組の豪華なミュージシャンたちのパフォーマンスが彩りを添える中、BBCのニュースのトップにもあった通り、サム・スミスが主要3部門を含む、4冠(年間最優秀レコード、年間最優秀楽曲、最優秀新人賞、最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム)を獲得し、現在の勢いを見せつける形で幕を閉じた。 テーラースイフトのプレゼンテーションで最優秀新人賞を受賞した直後のサム・スミス。 テイラー・スウィフトのプレゼンテーションで最優秀新人賞を受賞した直後のサム・スミス。 ここから彼の受賞ラッシュが始まる。 (C)Frank Micelotta / PictureGroup / ゼータ イメージ 一昨年は、同性婚の合法化を祝って34組のカップルが合同結婚式を挙げて話題を呼んだ同授賞式は、今年もDV被害者からのメッセージや公民権運動に関するビヨンセ、ジョン・レジェンド&コモンのパフォーマンスなどの社会的テーマを発信。ただ、賞の主役だったサム・スミスの温和なキャラクターからか、例年以上に和やかなムードの授賞式という印象だった。 ただ、そのムードを一人で破壊し、授賞式後マスコミの話題を独占した男がいた。 主要4部門中サム・スミスが唯一受賞を逃した年間最優秀アルバムを『モーニング・フェイズ』でベックが受賞した直後、プレゼンターのプリンスとベックがいる壇上に駆け上がったカニエ・ウエストだ。何も言わずに、すぐに舞台を降りた彼に、ベックは大人の対応「カムバック、カムバック」と手招きしたが、彼はそれを無視した。 唐突にステージに上がるカニエ・ウエストとそれに驚くベック 唐突にステージに上がるカニエ・ウエストとそれに驚くベック (C)CBS / XPOSUREPHOTOS.COM / ゼータ イメージ カニエは、2009年のMTVビデオ・ミュージック賞授賞式で、テイラー・スウィフトの受賞スピーチ中にマイクを奪い取り、「ビヨンセの方が受賞にふさわしい」と発言した前科があるだけに、マスコミの話題はその行動でもちきりとなった。 今グラミーでも、カニエの暴挙の理由はビヨンセ。 アフターパーティーを取材したE!ニュースに彼は、自分の行為はギャグではなく「年間最優秀アルバムはビヨンセに与えられるべき」との主張だったと発言したのだ。 カニエ・ウエスト「グラミーは、我々をもて遊ぶのを止める必要がある。ビヨンセの『Flawless』は素晴らしい。ベックは、アートに対して敬意を払う必要がある。彼は受け取ったグラミー賞をビヨンセに渡すべきだよ。こうしたプロモーションのようなイベントは、広告のために誰かのスピーチやアーティストを音楽よりも重要視する。それに対して、オレは創造性について戦うつもりだ。それが、オレが今夜(グラミー賞授賞式で)何も言わなかった理由さ。ああやってステージを歩きさえすれば、オレが意味することを理解するハズだ」 そんな彼の行為について、ベックはピープル誌に「彼がステージに上がってきたのを見てとても興奮したよ。彼はステージに上がるのにふさわしいからね」と話した。また、年間最優秀アルバムについても「僕も絶対にビヨンセが受賞すると思っていた。ただ、全員を喜ばせることはできないよ。ぼくは今でもカニエのことは好きだし、彼は天才だと思っている」と、ここでも大人のコメントだった。 年間最優秀アルバムを受賞したベック、プリンスのプレゼンターも話題となった。 年間最優秀アルバムを受賞したベック、プリンスのプレゼンターも話題となった。 (C)Frank Micelotta / PictureGroup / ゼータ イメージ 確かに今年の年間最優秀アルバムはサム・スミスの『イン・ザ・ロンリー・アワー』とビヨンセの『Beyoncé』の一騎打ちとの予想も多かった。その意味では、ベックの受賞は、確かに少し意外ではあったが、授賞式後の話題をカニエ・ウエストが持っていくというのは、それこそ誰にも予想できなかっただろう。 それ以外の、授賞式でのパフォーマンスでは、後ろ向きのシーアと、まるで前衛ヨーロッパ映画のようなアプローチでヒット曲「ハッピー」を熱唱したファレルにも注目が集まっている。 背中を向けてのパフォーマンスが話題となったシーア 背中を向けてのパフォーマンスが話題となったシーア。手前右が「シャンデリア – Chandelier」のMVで有名になったダンス少女、マディ・ジーグラー (C)CBS / XPOSUREPHOTOS.COM / ゼータ イメージ ファレル・ウィリアムスは「ハッピー」を、壮大なイメージの中 歌い上げた ファレル・ウィリアムスは「ハッピー」を、壮大なイメージの中、歌い上げた。 (C)Frank Micelotta / PictureGroup / ゼータ イメージ 話題が尽きないグラミーではあったが、メアリー・J.ブライジと大ヒット曲「ステイ・ウィズ・ミー ~そばにいてほしい」を熱唱したサム・スミス、ゴスペルの名曲「プレシャス・ロード」を美しく歌い上げたビヨンセ、そして、ポール・マッカートニーとリアーナともにパフォーマンスを繰り広げたカニエ・ウエストなど、授賞式後話題にあがったミュージシャンたちのパフォーマンスの評判がそれぞれ良かったことは確か。これらのニュースも、現在の彼らの勢いを象徴していたのかもしれない。 カニエ・ウエストの暴挙で、再び注目を浴びたビヨンセは、ゴスペルの名曲「プレシャス・ロード」を高らかに歌い上げた。 カニエ・ウエストの暴挙で、再び注目を浴びたビヨンセは、ゴスペルの名曲「プレシャス・ロード」を高らかに歌い上げた。 (C)Frank Micelotta / PictureGroup / ゼータ イメージ  ポール・マッカートニーとリアーナとコラボレーションシングルの「Four Five Seconds」を披露したカニエ・ウエスト。 ポール・マッカートニーとリアーナとコラボレーションシングルの「Four Five Seconds」を披露したカニエ・ウエスト。 (C)CBS / XPOSUREPHOTOS.COM / ゼータ イメージ

Text by Junich Akiyama

Top Image :4冠を獲得して、ハイテンションのサム・スミス