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- 相談しにくいセクハラ・パワハラ対策【初級編】 -

あらためて知りたい! 最新版「セクハラ」の定義と基準

ハリウッドを筆頭に、海外エンタメ業界で大きな問題となっている「セクハラ」。部下や取引先など、仕事まわりで異性とのコミュニケーションが増える40代男性なら、他人事ではないかもしれない。とはいえ、あらためて「どこからがセクハラになるのか」と問われて、ハッキリ答えられる人も少ないはず。そこでセクハラ問題の専門家に、現在のセクハラの定義と基準を聞いた。

■今回のアドバイザー
弁護士 山田・尾崎法律事務所(代表)
山田秀雄さん

慶応義塾大学法学部卒・筑波大学大学院経営政策学部企業法学専攻科修終了。第二東京弁護士会会長及び日本弁護士連合会副会長を歴任。専門はリスクマネージメントの観点から、企業法務全般、セクハラ、パワハラ対策、企業対象暴力等々。著書に『セクハラ防止ガイドブック』(日経連出版部編 共著)、『女は男のそれをなぜセクハラと呼ぶか』(KADOKAWA)、『弁護士が教えるセクハラ対策ルールブック』(日本経済新聞出版社 共著)外、多数。

セクハラとは相手に不利益を与える「性的な言動」のこと

まずは、法律を含めた、現時点での「セクハラ」の定義について確認しておこう。

山田さん「“セクハラ”とは、一般的に“相手の意に反する性的な言動”を指します。性的な言動とは、性的な発言や行動のこと。これによって相手に不快感を与えたり、仕事を邪魔するなど相手に不利益を与えたりすることが、セクハラとみなされます。

職場におけるセクハラについて定めた男女雇用機会均等法のなかでは、『職場において行われる性的な言動に対する雇用労働者の対応により労働者がその労働条件につき、不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること』と規定されています。

わかりやすく言えば、性的な発言や行動によって相手の労働環境に不利益が生じた場合を“セクハラ”と定義しているのです」

デュエットの強要もNG!? セクハラと認定される具体的な言動とは?

定義は理解できたものの、具体的にどのような言動がセクハラとみなされるのか? その基準を教えてもらった。

山田さん「例えば“性的な行動”とは、相手にその気がないのに食事やデートにしつこく誘ったり、不必要にボディータッチを繰り返したり、性的な関係を強要することを指します。これらはわかりやすいセクハラ事例ですが、“女性”というだけでお茶汲みや掃除、お酌やカラオケでデュエットを強要することも、性別による差別意識に基づいたセクハラ行動とみなされます。

“性的な発言”とは、スリーサイズなど相手の身体的特徴を話題にしたり、性的な経験や性生活について尋ねたりすること。また“生理”や“更年期”などの性差別的なワードや、卑猥な冗談を言うことも、セクハラ発言となります。

いまだに、触るのはダメでも言葉だけならセクハラにならないと感じている方もいますが、言葉だけでも十分、セクハラとして認定されます」

セクハラ認定される前に! “しつこくしない”、“繰り返さない”がポイント

ここで気になるのが、たとえば「ご飯に誘っただけ」で即セクハラ認定されてしまうのだろうか? ということ。その線引きはどこにあるのだろう?

山田さん「受けとめ方は当人同士の関係性や好意によっても大きく変わってきますし、例えば『同じことを言われてもAさんは許せるけど、Bさんに言われるとすごく不快だ』という女性もいて、セクハラの判別は非常に難しいところです。一度、軽く食事に誘っただけで『セクハラだ!』と言われてしまったら、正直、男性としてはたまりませんよね。

そこで必要になるのが、セクハラ行為を認定するための基準です。現在、セクハラの大きな判断基準となっているのは、性的な言動に『反復性』と『継続性』があるか。断っているのにしつこく何度も誘われたら不快な気持ちになるのは当然ですし、仕事にも支障がでるかもしれません。つまり相手の嫌がる性的なことを、“何度も繰り返す”のがセクハラなんです」

最後にアドバイザーからひと言

「まずは自分の何気ない行動、発言を顧みて、相手に不快感や不利益を与えていないか考えてみてください」

Text by Akeno Kataoka(Seidansha)

Edit by Kei Ishii(Seidansha)