メディア個別 人望が得られる!正しい部下への怒り方 | editeur エディトゥール

editeur

検索
第4回 | 【アンガーマネジメント】怒りをコントロールしよう

人望が得られる!正しい部下への怒り方

40代ともなれば、自分の仕事を抱えた上で部下や後輩の面倒も見なければならなくなる。若い世代との考え方のジェネレーションギャップや、若手ならではの生半可な出来の仕事についイライラしてしまうという人もいるだろう。しかし、部下を指導する時こそ、実は人望が得られるチャンス。どんな怒り方・叱り方をすれば良いのか、アンガーマネジメントに精通する長縄さんに教えてもらおう。

■今回のアドバイザー
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事
長縄 史子

大学院で刑事法を専攻したのち、心理カウンセラーとセラピーの道に進み応用心理士に。2010年にアンガーマネジメントを知り、DV・虐待・体罰・パワハラ・いじめ防止に役立つと考え、加害者も被害者もつくらない教育社会づくりのためにファシリテーターとなり普及活動を始める。心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる社会を目指して怒りの連鎖を断ち切る活動を続けている。

上司の怒りを「パワハラ」と捉えている部下は半分以上!?

指導する立場からしてみれば、部下や後輩に対する厳しい叱責も“愛のムチ”という認識かもしれない。しかし長縄さん曰く、そういった考えは大きな間違いだそう。

長縄さん「日本アンガーマネジメント協会が2016年におこなった『怒りの感情が業務に及ぼす影響』に関する調査によると、怒った上司本人が「(部下を怒った行為は)パワハラだと感じている」割合が16.7%なのに対し、怒られた部下が上司に対して『パワハラだと感じる』と答えた人は53.8%。3倍以上のズレがあることがわかりました。

また、上司に怒られた後については、49.6%の部下は『仕事のモチベーション低下』、25.5%が『相手を避けるようになった』、23.5%が『精神的に不安定になった』と回答。上手に怒らないと、部下のパフォーマンスをUPするどころか、部下の業務に支障をきたしたり、離職に至らしめたりすることもあるのです」

相手を攻撃するのではなく、改善に導く

やはり、怒りを伝えるためには工夫が必要なよう。指導後に部下の元気がないなど、身に覚えのある人は次のような事に気をつけてみよう。

長縄さん「部下に怒っていいのは、期限が守られていないなど“事実、結果、行動”についてのみ。『おまえはバカか』『そんなこともできないのか』など“個人の性格や人格、能力”について言うのはNGです。さらに『なんで』『どうして』と相手を責める言い方をしてしまうと不満や不信感が募るばかり。『次からどうすればいいか』『いつまでにできるそうか』など未来に向けて改善策を考えていきましょう。

また、抑えるのが難しいほど強い怒りを覚え、エスカレートしてしまいそうな時は仕切り直しが必要。一度部下と離れる「タイムアウト(退却戦略)」という方法を試してみましょう。ただし、黙って出て行くのは厳禁。立ち去られた側の感情を悪化させてしまうことがないように、『13時にまた話そう』など、コミュニケーションを再開するつもりがあることを伝えましょう。タイムアウトの最中は、怒りを思い出して感情を高ぶらせる行動をしたりするのは避けて、できるだけリラックスするよう心掛けましょう」

自分が部下に求めているものを考えよう

部下の信頼を失うような怒り方は早急にやめたいものだが、一方で『怒りをやみくもにガマンする必要はない』と長縄さん。

長縄さん「アンガーマネジメントは『怒らなくなる方法』『怒りをガマンする方法』ではありません。怒ること自体は悪くはないのですが、怒鳴って声を荒げる、相手を責める、人前で叱る、うっぷん晴らしのために感情をぶつける、等のことがNG行為なのです。

怒りたくなるということは、裏を返せば部下に対して何かリクエストがあるということ。怒る必要があることを、上手に伝えられるようになるのがアンガーマネジメントの目的です。その部下に次からどうしてほしいのか?いつまでに何をしてほしいのか?具体的に伝えることができたら、ブチ切れて信頼やキャリアを失うリスクは避けられますよ」

最後にアドバイザーからひと言

「怒りをむりやり消そうとするのではなく、感情のままに怒らずに部下へのリクエストを理性的に伝えられるようになりましょう」

text by Takumi Arisugawa

関連リンク
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

editeur

検索