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- 【アンガーマネジメント】怒りをコントロールしよう -

怒りと上手に付き合うテクニック5選

成熟した男として、また責任あるポジションを持つ身として、日々周囲からの重圧にさらされている40代の男性達。その心理的負担もあってか、年齢を重ねるほどに怒りをコントロールするのが難しくなり、怒りっぽいオジサンになってしまうケースが少なくない。感情に流されず、安定したメンタルを保ててこそ本当の大人の男。今回は、突然我が身を襲う「怒り」の感情をコントロールする方法を専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事
長縄 史子

大学院で刑事法を専攻したのち、心理カウンセラーとセラピーの道に進み応用心理士に。2010年にアンガーマネジメントを知り、DV・虐待・体罰・パワハラ・いじめ防止に役立つと考え、加害者も被害者もつくらない教育社会づくりのためにファシリテーターとなり普及活動を始める。心に触れる実践的なアンガーマネジメントを伝え、一人一人が大切にされる社会を目指して怒りの連鎖を断ち切る活動を続けている。

怒りで後悔しないためのアンガーマネジメント

ストレスの多い毎日の中で、全く怒りを感じずに生活できる人はなかなかいないはず。しかし、怒りを感じるままに爆発させていたのでは人間関係は上手くいかなくなってしまう。そこで知っておきたいのが、怒りをコントロールするトレーニングである「アンガーマネジメント」だ。

長縄さん「アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで誕生したイライラ・怒りと上手に付き合う心理トレーニングです。もともと海外ではDV加害者に対する矯正プログラムとして広まったといわれていますが、今ではビジネスパーソン、スポーツ選手をはじめ分野を問わず多くの人に広がっています。

アンガーマネジメントは怒らなくなる方法ではありません。職業、性別を問わず誰もが習得できる技術です。日本アンガーマネジメント協会ではアンガーマネジメントを『怒りで後悔しないこと』と定義づけています。なぜなら、怒った時に言いすぎて後悔したり、怒る必要があったのに上手く怒れなくて後悔したりすることが少なくないからです」

〇秒カウントして、衝動的な怒りをコントロール

短絡的に怒りに捉われてしまった後、襲ってくるのは激しい後悔の気持ちだ。では、そんな後悔をしないために、具体的にはどのように怒りをコントロールしていけばよいのか。

長縄さん「強い怒りを感じた時には、つぎのようなテクニックを試してみて下さい。

・ゆっくりと息を吐ききる深呼吸をしながら6秒待つ
・100から3ずつ引いてみる
・『大丈夫』『何とかなる』『死にはしない』など、落ち着く言葉を唱える
・今の怒りの温度はどのくらい?と怒りの温度計をつけてみる
・手をもんだりストレッチをしたりする

上記に挙げたのは“衝動のコントロール”といわれている方法です。イライラした時に絶対にやってはいけないことがあります。それはとっさに言い返す、し返すこと。反射的な言動は、売り言葉に買い言葉を招き、罪悪感や後悔につながってしまいます。怒りの感情は長くは続かず、6秒ほどで落ち着くといわれています。とにかく反応を遅らせる方法を使ってみましょう。ゆっくりと息を吐ききる深呼吸は副交感神経をはたらかせるため強制的に気持ちを落ち着かせる方法です。100から3ずつ引くのは、イライラしていることから意識をそらす方法。落ち着く言葉を唱えることで、イライラした気持ちを鎮める効果があります。今の怒りの温度を10段階でつけることで怒りを可視化できるほか客観視できます。手をもんだりストレッチをしたりと、体を使って6秒やり過ごす方法も効果的ですよ」

積み上げてきた人間関係を壊さないためにトレーニングしよう

怒っている時に「6秒待ってみよう」と冷静に考えるのは難しいが、「トレーニングを重ねれば身に付きます」と長縄さん語る。

長縄さん「怒りの取り扱い方を間違えると、人間関係を壊すだけではなく、今まで培ってきた信頼やキャリアまで失いかねません。怒りに振り回されて人生を棒に振るか、感情を上手くコントロールしながら人間関係を円滑にしていくか大きく違ってきます。アンガーマネジメントはトレーニングすれば誰もができるようになります。イライラした時にまずは6秒やり過ごしてみましょう。衝動のコントロールができるだけでも、怒りで失敗することが減るはずです」

最後にアドバイザーからひと言

「一時の怒りの感情で大切なものを失わないよう、アンガーマネジメントのテクニックを身につけて下さい」

text by Takumi Arisugawa