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「現代美術」を知る絶好の機会! 原美術館によるコレクション展

日本における現代美術館の草分けである原美術館が、所蔵する約1000点のコレクションから厳選した作品を「現代美術に魅せられて―原俊夫による原美術館コレクション展」として開催、話題を集めている。

世界的作家の作品が目白押し。現代美術鑑賞入門にも好適な展覧会

東京・品川の御殿山にある原美術館。「日本に現代美術館を作ろう」という思いから、現在も館長を務める原俊夫氏によって1979年に設立、1950年代以降に制作された現代美術作品を収集している。直接アーティストに会い、会話を交わして作品をコレクションしてきたという原氏が自らキュレーションを担当したのが、2017年6月まで開催される「現代美術に魅せられて―原俊夫による原美術館コレクション展」だ。

李禹煥「線より」1979年 (C)Lee Ufan(前期出品)
ナム・ジュン・パイク「キャンドルテレビ」1980年 (C)Nam Jun Paik(前期出品)

本展は前期と後期で展示が入れ替わる。前期の出品作品(1月6日〜3月11日)では、主に80年代前半までの初期収蔵作品が展示される。そのアーティストたちは、錚々たる顔ぶれだ。

杉本博司「仏の海」より1995年 (C)Hiroshi Sugimoto(前期・後期出品)

自身の美術館を昨年オープンした前衛芸術家の草間彌生、制作された日付が描かれる絵画「Today」シリーズなどのコンセプチュアル・アートの代表的作家である河原温、カンバス上で絵の具を滴らせる技法「ドリッピング」で知られるジャクソン・ポロック、カラーフィールド・ペインティングによって静謐でエモーショナルな世界を描き出すマーク・ロスコ、ポップアートを代表するアンディ・ウォーホル、漫画や印刷物のようなドットや枠線を用いた作風を生み出したロイ・リキテンシュタイン、世界初のビデオアートを発表したナム・ジュン・パイク、ヴェルサイユ宮殿で特別展が行われた韓国出身で日本を拠点に活動する李禹煥、世界各地の水平線をモノクロームで写した「海景」シリーズで知られる杉本博司など、世界的に知られる作家の作品が目白押しとなっている。

前期・後期とも注目の展示内容。原美術館の建築も愉しみたいところ

3月21日〜6月3日の後期への出品作品は、原美術館で開催された企画展などをきっかけにコレクションされた作品が中心となる。

奈良美智「Eve of Destruction」2006年 (C)Yoshitomo Nara(後期出品)
ミカリーン・トーマス「Mama Bush: One of a Kind Two」2009年 (C)Mickalene Thomas(後期出品)

ニューヨーク近代美術館やロサンゼルス現代美術館に作品が収蔵されるなど世界的評価の高い奈良美智、77歳の現在も第一線で活躍する写真家・現代美術家の荒木経惟、独自の世界観を写真や映像で表現するアーティスト蜷川実花、名画や有名人を自身の身体を通じセルフポートレイトによって表現する現代美術家の森村泰昌、独特のタッチで描き出すイラストやアニメーションを用いた映像作品やインスタレーションなどを手がける束芋、ブラジルの現代美術を牽引するアーティストであるアドリアナ・ヴァレジョン、アフリカン・アメリカンを描き、ニューヨークを拠点に活躍するミカリーン・トーマスなど、幅広いジャンルや手法の作品が集められている。

アドリアナ・ヴァレジョン「スイミングプール」2005年 (C)Adriana Varejaõ (後期出品)

また原美術館の建物は1938年、原館長の祖父である実業家・原邦造の邸宅として建設された美しいモダニズム建築である。昭和初期の洋館として重要な建築物であり、これを設計したのは東京国立博物館本館(東京帝室博物館原案)や銀座4丁目交差点に建つネオ・ルネサンス様式の和光ビル(旧服部時計店)を手掛けた建築家・渡辺仁だ。また常設で展示されている中庭のオブジェやインスタレーションも見逃せない。

原館長が「美術館の顔であるコレクションは、私の挑戦の歴史でもある」という本展は、前期、そして後期のどちらにも足を運んでもらいたい。現代美術はとかく「難解」といわれがちだが、本展を楽しむことで、長きにわたる西洋絵画の歴史の流れの中にあることを理解すると、その奥深い世界へと入って行けることだろう。

トップ画像クレジット:草間彌生「自己消滅」1980年  (C)Yayoi Kusama(前期出品)

Text by Tamotsu Narita

Edit by Kei Ishii(Seidansha)

関連リンク
現代美術に魅せられて―原俊夫による原美術館コレクション展
会場:原美術館
会期:2018年1月6日〜2018年6月3日(前期:1月6日~3月11日、後期:3月21日~6月3日)(月曜休館、2018年3月12日〜20日は展示替えのため休館)
開館時間:11:00〜17:00、祝日を除く水曜は~20:00(入場は閉館30分前まで)
入場料:一般1100円、大学・高校生700円、中学生・小学生500円(原美術館メンバーは無料、学期中の土曜は小中高生の入館無料、20名以上の団体は1人100円引)
住所:東京都品川区北品川4-7-25
電話:03-3445-0651(代表)

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