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- 酒?料理?個室?目的別の接待の切り札店 -

銀座ど真ん中で「勝てる」接待を──「鉄板焼 銀座おのでら」

もしも接待に「勝ち負け」というものがあるならば、勝利につながる店舗のチョイスとして、「銀座の鉄板焼き店」が、まず間違いないものであることは、誰しも理解できるだろう。銀座一丁目駅からすぐにある「鉄板焼 銀座おのでら」。大事な接待にも、鉄板で挑める店である。

肥育期間を長くとった「生体熟成」の希少銘柄牛を使用

鉄板焼きをひとつの料理ジャンルたらしめているのは、文字通りその調理器具となる「鉄板」にある。この店も鉄板にも、当然強いこだわりがある。

「当店ではメーカーさんと一緒に図面も引いてゼロから開発した特注品を使っています。鉄板の厚さは2.5cm、電気ヒーターではなく6つのコイルから出る低周波を利用して加熱するようになっています。局所のみ高温にできるため無駄がなく、中心の焼き上げ用エリアと、その周辺の保温エリアとを分けて使うことができるのがメリットですね。さらに、輻射熱が少ないので、鉄板の側に座っていただくお客様に熱さを感じさせにくいというメリットもあります」(総料理長・神辺孝則さん)

では、さっそくこだわりの鉄板で焼いた肉をいただいてみよう。
まずテーブルに並べられたのは、ピンク色の何も入っていない皿と、自家製オニオンソースの入った皿、醤油の入った皿。そして目の前ではシェフが希少銘柄牛である増田牛のサシも綺麗に入った肉をテキパキと焼き上げていく。コテを振り回すようなパフォーマンスこそ無いものの、その無駄のない動きは見ていて飽きない、鉄板焼きのもうひとつの醍醐味といえよう。

「最近、熟成肉、エイジングビーフというのが流行っていますが当店の肉は、生きている間に熟成させる“生体熟成”なんです。エイジングはいわば、人工的に作ったうまさですが、それとは違い通常よりも長い、30カ月もの期間、肥育した牛を使っています。これだけの期間肥育すると、脂肪だけでなく肉に旨味が乗ってくるんです」
そんな “口上”を楽しんでいるうちに、ミディアムレアのステーキが出来上がる。脂肪の甘みは申し分なく、そして確かに肉の旨味が他の“いい肉”より、1段階深いように思える。濃厚、それでいてくどさを感じることもない上品な旨さがすごい。表面にほんの数ミリある、カリッ、サクッとした焦げ目の層。その食感と、香ばしさは鉄板焼き専門店の技によるものだろう。

ちなみに、先に出てきたピンク色の何も入っていない皿は、実はヒマラヤ産の岩塩で出来た皿であった。そこに肉を擦り付けて、好みの味にするのだ。

「やはり基本はシンプルに塩で味わっていただきたいのですが、通常、塩は粒ですから点、つまりまばらにしか味をつけられません。しかし、この塩の皿を使うと、塩味を面でお好きにつけていただくことができます」

味もさることながら、ひねりのある演出が面白い。なお、この塩の皿は持ち帰ることができるので、いいお土産にもなるだろう。

自分で収穫しながら食べる野菜サラダは面白さを兼ね備えた美味しさ

と、もちろん肉はうまいのだが、実はこの店は野菜の料理も人気。「こだわり伝統焼き野菜」は、普通のスーパーではなかなか手に入らない希少な野菜を、カゴから1人2種類だけ選び鉄板焼きにして食べるという趣向になっている。
また、完全無農薬使用のサラダ、その名も「もぎとりサラダ」は「自分で収穫しながら食べる」がそのイメージ。葉を厚く、歯ごたえよくするため、通常より長く栽培されたフリルレタスがベースで、そこに季節ごとの野菜がトッピングされる。まさに、イメージ通りにまるで水耕栽培中のものを、そのまま摘み取って食べている感じ。これがなんとも楽しい。

「そういっていただくのが何よりです。他では食べられない特別感のある料理を食べていただくこと。それも、『楽しみ、遊びながら』食べていただくというのが当店のコンセプトですので。おいしいものを提供させていただくのは当たり前、『楽しかった』といわれる方が嬉しいですね」

ところで、こうしたカウンタースタイルの席は、込み入った話のある接待で使いにくいと感じる人もいるかもしれない。しかし、こちらの店では間仕切りを引き出すことで空間を分け、U字型カウンターの半分を占有する形が取れる。
他の客席とは十分に距離も取れる上、第三者が聞くべきでない込み入った話になったと思えば、シェフは裏手の厨房に周り、調理はそこで行う、といった配慮もされるので、そこに問題はないだろう。

ちなみに、デザートは別に用意されたデザートルームに移動してとることも可能。油の匂いを嗅がずに、デザートとお茶を楽しむことができるようになっているこの配慮が、また贅沢な時間をもたらしてくれる。

なお、コースは上記のステーキ、もぎとりサラダ、焼き野菜(ほか、前菜、活車海老の鉄板焼き、食事、食後の飲み物、デザート)を含む1万6000円のものから。銀座の真ん中で、格式と楽しさが同居する特別な接待が可能であると思えば、十分にリーズナブルと言えるのではないだろうか。

Text by Masayuki Utsunomiya

Edit by Kei Ishii(Seidansha)