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- 人気復活「ビンテージ・ジュークボックス」の愉しみ -

インテリアにも最適。「ビンテージ・ジュークボックス」人気復活の背景

古き良きアメリカの象徴ともいえるマストアイテムとして、当時を描いた映画やドラマに欠かせない小道具となっている「ジュークボックス」。アナログレコードの人気再燃も影響し、近ごろ日本でも注目の存在という。音楽を愉しむのはもちろん、インテリアとしても味わい深い、ビンテージ・ジュークボックス。その魅力や、人気復活の背景を解説しよう。

アメリカン・ポップス黄金時代をサウンドと存在感で演出する魅惑のジュークボックス

アメリカでは1930年代ごろから普及。日本でも1960~70年代にかけて、全国のバーやダンスホールなどに設置されるようになったジュークボックス。家庭用ラジカセが普及した1960年代半ばから70年代後半以降にブームが終焉を迎えたため、40~50代男性もその全盛期は知らないことになるが、盛り場のバーやカフェ、またはボーリング場の片隅に置かれたジュークボックスに触れたことがある人もいることだろう。

エルビス・プレスリーをはじめ、ポール・アンカ、コニー・フランシス、ニール・セダカといった往時のアメリカン・ポップスの流行を支えたジュークボックス。特に人気が高い“ビンテージ”扱いとなるジュークボックスを輸入販売する『FLAT4(フラットフォー)』によれば、日本でも興味を持つ人が増えているという。ちなみに『FLAT4』は、VWビートルのレストア販売でも知られる会社だ。
「ビンテージ・ジュークボックスの輸入販売を始めた2014年以降、問い合わせも増え続けているだけでなく、販売数も順調に伸びています。100万円前後の価格帯が中心となる高額商品ということを考えれば、人気のジャンルになっているといってもよいのではないでしょうか」(社長の小森隆氏)

購入層は、やはり生活に余裕があるミドル~シニア層が多いとのこと。

「若い方ももちろんいらっしゃいますが、やはり年配の方が懐かしがって購入されることが多いですね。ある程度の設置スペースが必要になるため、リビングの広さに余裕があるお宅に住まわれている方向けという点で言えば、生活に余裕がある方向けの趣味と言えるでしょう。個人以外では、50年代や60年代のアメリカをテーマにしたレストラン、バーやショップなどからの問い合わせが多くあります。インテリアとしてだけでなく、実際に当時の曲を流せるので、雰囲気作りに役立つ点が魅力となっているようです」(ショールーム担当・長岡氏)

値上がりも期待できる? 「アナログ回帰」だけじゃない人気復活の背景とは

ビンテージ・ジュークボックスに再び注目が集まるようになった背景としてまず考えられるのが、ここ数年来のトレンドとなっている音楽媒体の「アナログ回帰」の影響だ。デジタル配信がメインとなった中、新曲を敢えてアナログレコード盤やカセットテープでリリースするミュージシャンや、それを支持するリスナーが増えていることは、ニュースなどで知っている人も多いに違いない。特にアナログ盤に触れた体験がない若い世代にとっては、データではなく“実体”として音楽を所有し、レコード針を操作して音を鳴らすという体験が新鮮なものと感じられるのだろう。

とはいえ、ジュークボックスの主な購買層がミドル~シニア層であることを考えると、単純に「アナログ回帰」だけが人気復活の理由ともいえないはず。そこで考えられるのが、アナログ盤の時代に青春を過ごした世代だからこそ感じることができる、ジュークボックス本来の魅力だ。
先ほども言及したが、ジュークボックス全盛期だった50年代~60年代は、まさにアメリカン・ポップスにとっても全盛期。ヒット曲を歌うミュージシャンの生演奏を聴くことは夢物語であるばかりか、オーディオセットを所有することすら憧れだった極東のリスナーたちにとって、ジュークボックスの存在は、彼らの演奏を臨場感と迫力豊かに再現してくれる、貴重な娯楽でもあった。そんな古き良き時代の空気を今に伝えてくれるジュークボックスに触れることで、当時をリアルに体験していない40代も、活気と希望にあふれた、あの時代に戻ることができるのである。

その点で言えば、ビンテージ・ジュークボックスの魅力はビンテージ・カーに通じるものがあるのかもしれない。事実、『FLAT4』もVWワーゲンのレストア販売と並行し、ビンテージ・ジュークボックスの輸入販売に手を拡げている。小森社長によれば、希少性の高いコレクターズ・アイテムとしても、ビンテージ・カーと同様の魅力があるという。

「存在感そのものに魅力がある点含め、ジュークボックスとビンテージ・カーの共通項は多いと思います。特にビンテージ・ジュークボックスは、時が経つにつれて数が減っていくだけで増えることはありませんから、希少性は高まる一方。だから将来的には購入時の何倍もの値が付く可能性も十分にあるでしょう」

年齢を重ねることにより、その価値も高まっていくビンテージ・ジュークボックス。まさにミドル世代のホビーとしてうってつけのアイテムと言えるのではないだろうか。

Text by Koji Okamura

Edit by Kei Ishii(Seidansha)