jukebox04-01_R(2)
- 人気復活「ビンテージ・ジュークボックス」の愉しみ -

CDを聴くことも可能!? 「ビンテージ・ジュークボックス」最新事情

近年、日本でも徐々に人気が高まっているというインテリアとしても魅力的な「ビンテージ・ジュークボックス」。アメリカを中心にコレクターも多いため、所有することで資産としての価値も出てくるというが、やはり本来の用途は自分の好きな音楽を存分に愉しむことだろう。ビンテージ・ジュークボックスの輸入販売を行う『FLAT4』の小森社長に、ビンテージ・ジュークボックスの愉しみ方や最新事情を教えてもらった。

見落としがちな「音源」探し。ジュークボックス向けのシングルセットも販売されている

ジュークボックスはコレクションとしての価値もさることながら、音楽を愉しむ機器としての魅力も兼ね備えたアンティーク商品。そこで問題となるのが“音源”だ。ジュークボックスで再生できるのは、当然ながらアナログレコード。しかも機種によって、78回転のSP盤や45回転のドーナツ盤など、対応する盤の規格が異なる。

2009年には10万枚程度だった販売実績が11年には80万枚にまで急増したほか、『ももいろクローバーZ』や『Perfume』といったアイドルグループが、敢えてアナログ盤で新曲をリリースするなど、昨今アナログレコードの人気が再燃しており、もちろん、それらの“新しい”アナログ盤もジュークボックスで再生可能である。ただ、ジュークボックスに似合う楽曲といえば、やはり50年代から70年代半ばまでのアメリカンポップスだろう。

そうした音源を入手するためには、中古レコード店を探すのが、いちばんシンプルな方法だろう。しかし、中古盤という性質上、自分が聴きたい楽曲を確実に手に入れられるわけではない。また、当時のシングル盤の中には、数万円を超えるプレミア価格が付いているものもあり、そうした貴重品を気軽にジュークボックスにかけるのも、ちょっと気が引けるだろう。

その点、ジュークボックスの本場であるアメリカでは、ハードだけでなくソフト面のケアもしっかりと行われている。当時のシングル盤の復刻も盛んにあるほか、ジュークボックス用として、数十枚単位のシングル盤をセット販売しているというのだ。
このようなジュークボックス向けの音源は、今回取材した『FLAT4』でも購入が可能になっている。『FLAT4』で扱っているのは、45回転のEP盤25枚セットが中心。ロックンロールはもちろん、ビッグバンドやR&B、ロカビリーにモータウンミュージックなど、23のパッケージが揃えられている。そのごく一部だが楽曲やアーティストを並べてみよう。

【Vol.1】デル・シャノン「悲しき街角」/エルヴィス・プレスリー「冷たくしないで」/ザ・コーデッツ「ロリポップ」ほか
【Vol.2】シュープリームス「ベイビー・ラブ」/マーヴェレッツ「プリーズ・ミスター・ポストマン」/スモーキー・ロビンソン「Just to see her」ほか
【Vol.3】フランク・シナトラ「ニューヨーク・ニューヨーク」/トム・ジョーンズ「よくあることさ」/ペリー・コモ「流れ星をつかもう」ほか
【Vol.4】ニール・セダカ「カレンダーガール」/ジャイブ・ファイブ「I'm Happy Man」ほか
【Vol.5】フォーシーズンズ「シェリー」/バディ・ホーリー&クリケッツ「Oh,Boy!」ほか

このカタログを見ただけでも、ジュークボックスへの想いが募るという音楽ファンも多いことだろう。もちろん、これらの商品は通常のアナログレコードプレーヤーでも再生が可能だ。

カスタマイズにより、その魅力の幅を拡げることもできるジュークボックス

『FLAT4』の小森社長は、ジュークボックスで聴く音楽の魅力をこう語る。

「アナログレコードの魅力は、なんといっても肉声に近い音質の柔らかさでしょう。デジタルの場合はノイズを減らすために周波数のある部分をカットしたり圧縮したりしているのですが、やはりそれは自然の音とは違う。人間は、聞こえていないはずの音も感じているんだと思うんです。レコードはホコリや傷が付いたり摩耗したりで、ノイズが出たり音質が劣化したりもしますが、それを含めてアナログの方が自然で安心感のある音だと思うのではないでしょうか」
とはいえ、小森社長は、デジタルを完全否定している訳ではない。『FLAT4』では、ビンテージ・ジュークボックスの筐体を生かしながら、CDプレイヤーやBluetooth、ラジオを内蔵したカスタマイズにも応じているという。
アナログ本来の魅力が失われてしまう面もあるのだろうが、それでもCDやラジオが再生できるようになれば、より気軽に愉しめるという点で、ビンテージ・ジュークボックスの魅力を拡げることにもつながるのではないだろうか。

Text by Koji Okamura

Edit by Kei Ishii(Seidansha)